現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 開発ストーリーダイジェスト:ホンダ・プレリュード 大ヒットした2代目の次。3代目プレリュードの開発とは

ここから本文です

開発ストーリーダイジェスト:ホンダ・プレリュード 大ヒットした2代目の次。3代目プレリュードの開発とは

掲載 更新 46
開発ストーリーダイジェスト:ホンダ・プレリュード 大ヒットした2代目の次。3代目プレリュードの開発とは

これまで数多くのクルマが世に送り出されてきたが、その1台1台に様々な苦労や葛藤があったはず。今回は「ニューモデル速報 第50弾 新型プレリュードのすべて」から、開発時の苦労を振り返ってみよう。REPORT:ニューモデル速報編集部

 昭和53年の秋に登場したプレリュードは、ホンダにとって初めてのスペシャルティカーへの挑戦であり、しっかりした足回りをテーマに、走る楽しみを思い切って表現された。その後、昭和57年11月には、初代の狙いを引き継ぎつつ、マシンとしてのベストバランスを目標に開発された二代目が登場し、発売から2年以上が経過しても売れ行きは堅調だった。

開発ストーリーダイジェスト:日産レパード「セダンとスポーツカーとの間を埋める位置付け」

 そんな状況で進んでいた三代目の開発を率いていた三好建臣(LPL)は、メカニズムを堅実に改良し、良いハードウェアとするだけでは魅力に乏しいと考え、新型の開発では新たに「感動」を与えることを模索していた。

 三好が考える「感動」とは、ひとつがスタイル(見たときの感動)、ふたつ目が座る感動(シートに腰を下ろしたとき)、そして3つ目は走る感動に大別され、これらを与えることでどこにも真似のできない商品に仕上げようというのが開発のスローガンとなった。

 三好は初代プレリュードの開発で足回りを手掛けたのだが、その初代が登場した際に、いくら良いデザインで新車をつくっても、エンジンが他の車種からの流用だと指摘されたことに対して悔しい想いを抱いていたという。そのことから、新型では専用エンジンを搭載することを決意していた。

 部内からは「二代目のエンジンは決して悪くない。それを搭載しても立派なクルマになる」という声はあったが、三好はその意見に断固反対。エンジン部門に対して「高性能のエンジンをつくってくれ。それも、低いボンネットの中に収まらなくてはならない。これまでのエンジン改良のやり方ではなく、まったく新しいものにしたい」と伝えた。

 ここでいう高性能とは、過給などの手段に頼ることなく、2リッター自然吸気という枠の中で最大級の出力とトルクを保持しながら、使いやすさを忘れないというもの。当初の試みとして、4つの気筒それぞれにスロットルを設けてパワーを追求したが、ピーキーな特性が強く乗りにくかったという。最終的に圧縮比は9.4に落ち着いた。

 また、これまでは前側に15度傾けていたエンジンは、低全高ボンネットを実現するために後ろ側に18度傾けられた。走りの安定感を高めるために、さらなる重心高の低さが求められ、結果的にこれまでの1.8リッターエンジンと比較してクランクシャフトの高さが33mm低くなった。

 それほどまでにエンジンに拘ったのは、ドライバーの意思にクルマがついていけるためには余裕のあるパワーが重要であり、乗りやすさはスペシャルティカーにとって大切だと考えていたからだった。

 さらに、新型プレリュードには4輪操舵システム(4WS)が搭載されたことも話題だった。70年代にアメリカを中心に開発が進められたESV(安全実験車)をきっかけに、日本ではシビックをベースに実験が行なわれており、普通の操舵機構では避けられない危険を回避することを目的にプレリュードへの搭載が決まった。しかし、遊星歯車機構を用いて前後輪の操舵をコントロールするアイデアを採用して試作したが、前輪だけの操舵感覚との間に生じる違和感(小回り性能)の解消に時間が掛かったという。

 また、エンジンの搭載方法や薄くてシャープなデザインのため、音や振動に対する対策には苦心したポイントとして挙げた。ボディ剛性は従来の曲げ剛性で40%ほど向上しているにもかかわらず、乗ってみるとNVHの向上につながっていない。同じく開発が進められていた「レジェンド」と同等の遮音材を使うことも検討したが、コスト的な制約があったため、ウレタンにチル系の材料を含浸させた「ビスコフォーム」を採用。床と隔壁の立ち上がり部分を一体成型させて、音の侵入をシャットアウトする構造とし、100km/h走行時で66dB(従来は69dB)を実現した。

こんな記事も読まれています

フェラーリF1、HPとの複数年のタイトルパートナー契約締結を発表。チーム名が『スクーデリア・フェラーリHP』に
フェラーリF1、HPとの複数年のタイトルパートナー契約締結を発表。チーム名が『スクーデリア・フェラーリHP』に
AUTOSPORT web
井戸田潤、NSXに乗る!ミッドシップエンジン初体験に「楽しいすねぇ!」
井戸田潤、NSXに乗る!ミッドシップエンジン初体験に「楽しいすねぇ!」
グーネット
オフロード感ヤバ!! ゴツゴツ感たまらん!! 装着率めっちゃ低かったけど……[初代アウトランダー]のオプション超絶カッコいいやん!! 今こそ復活してよマジで
オフロード感ヤバ!! ゴツゴツ感たまらん!! 装着率めっちゃ低かったけど……[初代アウトランダー]のオプション超絶カッコいいやん!! 今こそ復活してよマジで
ベストカーWeb
フォーミュラEが4駆化で大幅進化!? 来季デビューの”Gen3 Evo”を発表。充電専用だったフロントモーターでも駆動
フォーミュラEが4駆化で大幅進化!? 来季デビューの”Gen3 Evo”を発表。充電専用だったフロントモーターでも駆動
motorsport.com 日本版
トヨタ 新型BEV「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開!北京国際モーターショー
トヨタ 新型BEV「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開!北京国際モーターショー
グーネット
マツダ 新型EV「EZ-6」&「アラタ」世界初公開!EZ-6は約600キロの航続距離
マツダ 新型EV「EZ-6」&「アラタ」世界初公開!EZ-6は約600キロの航続距離
グーネット
フィアット 500/500Cに1.2L エンジン搭載の新グレード追加!特別限定車も設定
フィアット 500/500Cに1.2L エンジン搭載の新グレード追加!特別限定車も設定
グーネット
レンジローバー初のEVモデル!プロトタイプ車両を公開 過酷なロケーションで走行テスト
レンジローバー初のEVモデル!プロトタイプ車両を公開 過酷なロケーションで走行テスト
グーネット
2023年度のリコール、総対象台数は前年比1.7倍の約810万台 国交省発表
2023年度のリコール、総対象台数は前年比1.7倍の約810万台 国交省発表
グーネット
[新型トライトン]早くも要改善!? ランドクルーザー250並の機能が欲しい……せっかく装備してんだからカメラ目一杯使おーぜ!!
[新型トライトン]早くも要改善!? ランドクルーザー250並の機能が欲しい……せっかく装備してんだからカメラ目一杯使おーぜ!!
ベストカーWeb
衝撃! ”空力の鬼才”エイドリアン・ニューウェイがレッドブル離脱か
衝撃! ”空力の鬼才”エイドリアン・ニューウェイがレッドブル離脱か
motorsport.com 日本版
インディカー初参戦のテオ・プルシェールが次戦も続投へ。「彼の戦い方に感銘を受けた」とチーム代表
インディカー初参戦のテオ・プルシェールが次戦も続投へ。「彼の戦い方に感銘を受けた」とチーム代表
AUTOSPORT web
粉っぽい空気に要注意!! クルマの健康寿命を縮める[粉]の正体と対処法
粉っぽい空気に要注意!! クルマの健康寿命を縮める[粉]の正体と対処法
ベストカーWeb
カブト、新グラフィックモデル『KAMUI-3 RIDGE』を追加。2024年4月から発売
カブト、新グラフィックモデル『KAMUI-3 RIDGE』を追加。2024年4月から発売
AUTOSPORT web
ニッサン・フォーミュラE、伝統のモナコへ。連続する好成績に「チームの士気は高い」と監督も期待
ニッサン・フォーミュラE、伝統のモナコへ。連続する好成績に「チームの士気は高い」と監督も期待
AUTOSPORT web
変なあだ名のクルマと言わないで! あだ名は[愛されキャラ]の証なんです
変なあだ名のクルマと言わないで! あだ名は[愛されキャラ]の証なんです
ベストカーWeb
メルセデスの「SL」の始祖は「300SL」だった。ル・マン24時間でも優勝したアイコンはなぜ生まれ、どのように発展したのでしょうか?
メルセデスの「SL」の始祖は「300SL」だった。ル・マン24時間でも優勝したアイコンはなぜ生まれ、どのように発展したのでしょうか?
Auto Messe Web
「4EVER Untamed」のキャッチを掲げた第6世代の新型トヨタ・4ランナーが米国デビュー
「4EVER Untamed」のキャッチを掲げた第6世代の新型トヨタ・4ランナーが米国デビュー
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

46件
  • 学生時代就職が決まり購入した車です
    先代よりもスタイリッシュで美しいデザイン
    スーパーカー世代にはリトラは外せない
    良い車でした また乗りたい!
  • やはり低い車高は素晴らしい!
    ホンダ!また低いシリーズやろう!?

    今はブタっぽいの(失礼、SUVでした)ばかりだから、映えると思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.3249.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.6399.0万円

中古車を検索
プレリュードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.3249.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.6399.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村