メルセデスF1のトト・ウルフ代表は、ウイリアムズが求めてきたインフラ設備の追加投資を求める声がF1で通らなかったのは、ライバルチームが得をしようと“便乗”したからだと語っている。
昨年までウルフ代表の下で働き、今季からウイリアムズでチーム代表を務めるジェームス・ボウルズは、ここ数年慢性的な資金難に陥っていたチームのファクトリー設備がライバルに比べて劣っていることを受けて、設備投資の自由度拡大を求めてきた。
■恐ろしいほど強かった……日本のファンが選ぶ「最強F1マシン」
F1の財務規則では、設備投資にはある程度の追加支出が認められているが、ウイリアムズは4年間で3,600万ドル(約51億5,000万円)のみ認められており、ボウルズはこれを不十分だと考えている。
この問題はF1委員会でも議論が行なわれ、ボウルズ代表は小規模チームが勢いをつけられるような取り決めが成立することを望んでいた。
しかし結局のところ、肝心の何ができるのかに関しては合意が得られず。自らも設備投資の自由度を高めたいと考えるライバルチームの意図もあり、話し合いはまとまらなかった。
その結果、この問題はF1の財務諮問委員会でさらなる議論が行なわれることとなっている。
ボウルズ代表は会議の後、チームそれぞれに利益追求を行なう権利があることを理解しつつも、何の成果も得られなかったことに苛立ちを見せた。
「率直に言って、あの会議は堂々巡りだった。残念なことにね」とボウルズ代表は言う。
「あの会議室にいる誰もが、他の誰よりも自分が損をしていないことを確認したがっていたのだから、基本そうなるだろうよ」
ただ、設備投資の自由度拡大に関する議論は暗礁に乗り上げたものの、メルセデスのウルフ代表は一部チームがこの状況を利用するのは正しい行ないではないと考えており、ウイリアムズの後押しになる解決策が見つかることを期待している。
「設備投資の話が持ち上がった理由は、あるチーム、つまりウイリアムズが『インフラが劣悪で、機械工作設備のような些細なモノからシミュレータのような技術的なモノまで、他に追いつくことができない』と言ったからだ」
ウルフ代表はそう説明する。
「それが全ての議論の出発点だった」
「その結果、いくつかのチームが『我々も少し設備投資を増やしたい』と便乗した」
「そして、その額は5,000万ドルから6,000万ドル、7,000万ドル、9,000万ドルへと上がっていった。突然、『設備投資額を変えないか?』と自由裁量のようになってしまった」
「しかし、そんなことをする理由はない。他とは違う扱いをしなければならないチームがひとつあるだけだ」
ウルフ曰く、ケース・バイ・ケースで改善を認めるという解決策も検討されたが、ウルフ曰く他チームも利益を得る可能性があるとされたため棄却されたという。
「我々はリストを作成した。ビッグチームのいくつかは『リストはいらない。ウイリアムズが何かを得るなら、我々も何かを得たい』と言った。そしてそれは、あっさり却下された」
「財政的な関係において、安定した規則が必要だ。そして2年ごとに設備投資のゴールポストを変えるような自由裁量ではなく、有効なビジネスプランが必要だ」
「このような展開で設備投資に関する議論はこれで終わったが、ウイリアムズに関しては解決策が見つかるかもしれない」
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?