7月31日(金)、2026年WRC世界ラリー選手権第10戦『ラリー・フィンランド』のデイ2がユヴァスキュラを拠点に行われた。4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行し、最後に市街地スーパーSSを加えた計9本(総距離127.72km)で争われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がデイ2を首位で終えた。
エルフィン・エバンスが首位オジエと16.3秒差の総合2番手、TGR-WRT2のサミ・パヤリが総合3番手、オリバー・ソルベルグが総合4番手につけ、TGR-WRTのドライバーがトップ4を独占した(いずれもトヨタGRヤリス・ラリー1)。一方、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はSS8での極度の視界不良により大きくタイムを失い、総合8番手でデイ2を終えている。
2026年WRC第10戦ラリー・フィンランド TV放送/タイムスケジュール/エントリーリスト
デイ2の舞台はユヴァスキュラのサービスパークを中心に、北側から東側にかけての森林地帯。大小のジャンプと高速コーナーが連続するフィンランド特有のグラベルステージに、市街地の特設スーパーSSを加えた構成だ。
午前のステージは爽やかな青空の下でドライコンディションが続いたが、午後からは天候が急変した。SS7の途中から強雨が降り始め、SS8の路面は完全なウェットとなる。出走タイミングによって大きな不利益を被ったドライバーも少なくなく、コンディションの変化が順位を大きく動かす波乱の1日となった。
デイ2の出走順はドライバーズ選手権ランキングの逆順で決定する。前日デイ1の首位エバンスが1番手出走を強いられ、路面の砂利や砂を掃き出す『ロードオープナー』の役割を担うことになった。午前のドライ路面では出走順の影響は限られたが、午後の豪雨以降は早い出走順が逆にアドバンテージとなる奇妙な逆転現象が生まれる展開となった。
まずSS2『Laukaa 1』(18.16km)では、2021年以来久々に盟友イングラシアとコンビを組んだオジエがベストタイムを刻んで首位に立った。続くSS3『Saankas 1』(15.82km)ではパヤリがベストタイムを叩き出してステージウィンを飾り、総合順位を一気に3番手まで押し上げた。
SS4『Sydänmaa 1』(19.04km)とSS5『Hoho 1』(9.55km)ではオジエが連続ウィンを達成し、午前ループ終了時点で総合2番手のアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)に5.3秒のリードを築いた。パヤリはフルモーと激しい総合2番手争いを繰り広げ、2.7秒差の総合3番手で午前中のループを終えている。
ミッドデイサービスを経て始まった午後のループでは、SS6『Laukaa 2』(26.16km)でパヤリが再びベストタイムを記録し、首位オジエとの差を5.4秒まで縮めて総合2番手に浮上した。
続くSS7『Saankas 2』(15.83km)の直前、猛烈な雷雨がステージを直撃する。序盤は比較的雨が弱く、1番手出走のエバンスがベストタイムを、2番手出走の勝田が2番手タイムを記録した。後半は路面が粘土状の泥に覆われてグリップが消失し、後半出走組のタイムを大きく乱した。
選手権リーダーとして多くのグラベルラリーで出走順の不利を強いられてきたエバンスが、雨のタイミングでようやくアドバンテージを得た1本となった。
SS8『Sydänmaa 2』(19.04km)では、前ステージで最悪のコンディションを走ったソルベルグがベストタイムを記録して総合4番手に浮上し、エバンスはパヤリを抜いて総合2番手に上がった。首位オジエとの差は26.1秒となる。
一方、2番手出走だった勝田はこのSS8で苦難に見舞われた。スタート直前にフロントガラスが内側から結露し、視界ゼロのまま時速200km超のグラベルへ飛び込まざるを得なかった。大幅にタイムを失い、総合4番手から一気に8番手へと後退している。同様の結露トラブルはパヤリにも発生し、総合2番手の座をエバンスに明け渡した。
SS9『Hoho 2』(9.55km)では、首位のオジエが確実性を重視した走りでリードを管理し、エバンスとの差は18.6秒に縮まった。迎えたデイ最終のSS10『Harju 2』(2.58km)は、豪雨から約1時間半が経過した路面が依然ウェットのまま。勝田がヌービルとともにラリー1最速タイムをシェアする意地の走りを披露した。0.3秒差の3番手タイムを記録したエバンスが首位オジエとの差を16.3秒に縮め、TGR-WRTのドライバーがトップ4を独占してデイ2を締めくくった。
チーム代表代行のユハ・カンクネンは激動のデイ2を振り返り、「今日は、特に天候面で非常にドラマチックな1日だったね」と総括した。「乾いた路面に大量の雨が降り注ぎ、既にかなり轍ができていたから路面が水浸しになる。ラリー・フィンランドでこれまで見たことがないかもしれない光景だよ」と異例のコンディションに驚きを示した。
午後の2回目ループについては「出走順のおかげで、我々のほとんどのドライバーが比較的乾いた路面を走ることができた。運が良かったのかもしれないね」と話した。ソルベルグについては「オリバーはかなりタイムを失ってしまったし、続く2本のステージでもドライバーたちはさらに激しい雨に見舞われた」と苦境を認めながらも、「それでも彼らの走りにはとても満足しているよ。特にセブは素晴らしい走りを見せてくれた」と称えた。翌デイ3については「明日はコンディションが回復して、再び全開で走ることができるだろう」と前向きな見通しを語った。
翌デイ3(土曜日)はSS11からSS18までの計8本が行われる。フィンランドを代表する超高速ジャンプ林道を舞台に、パーッコラ、パイヤラ、ヴァスティラ、レウストゥの4ステージを2走する構成だ。日本時間午後2時1分にSS11『Parkkola 1』がスタートする予定。首位オジエと2位エバンスの差は16.3秒、3位パヤリとの差は26.7秒と、最終日に向けてトヨタ勢のさらなる上位独占が続くかが注目だ。
[オートスポーツweb 2026年08月01日]
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