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ホンダ、電動化戦略を軌道修正!次世代ADASとハイブリッド強化で新価値を創出、二輪も強化で世界シェア5割目指す

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ホンダ、電動化戦略を軌道修正!次世代ADASとハイブリッド強化で新価値を創出、二輪も強化で世界シェア5割目指す

■ホンダが描くモビリティの未来:電動化と知能化で新たな価値を創出

 ホンダは2025年5月20日、四輪電動化戦略の軌道修正を発表しました。

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 EV市場の変化に対応し、次世代ADAS(先進運転支援システム)の開発やハイブリッド車の強化を軸に、持続可能なモビリティの未来を目指すとしています。

 ホンダは、四輪電動化を中心とした取り組みに関する説明会を開催し、取締役 代表執行役社長の三部敏宏氏が今後の戦略を発表しました。

 EV(電気自動車)市場の変化を踏まえ、知能化とハイブリッド車の強化を軸に戦略を軌道修正し、持続可能なモビリティの提供を目指します。

 これまでホンダは「環境」と「安全」を最重要課題とし、2050年に「カーボンニュートラル」と「交通事故死者ゼロ」を目標に掲げきました。

 そのなかでEVは長期的な最適解と考え、これまで普及に向けた取り組みを進めています。

 しかし、EV市場の拡大スピード鈍化や通商政策の不透明さを受け、以下の2点で戦略を修正します。

ーーー
 ・知能化を軸としたEV・ハイブリッド車の競争力強化

 ・パワートレーンポートフォリオの見直しによる事業基盤強化
ーーー

 EVの販売比率は2030年時点で従来目標の30%を下回る見通しですが、カーボンニュートラルに向けたEVの重要性は変わりません。

 2026年には「Honda 0シリーズ」の第1弾モデルを投入し、ソフトウェアデファインドビークル(SDV)として個別最適化された価値を提供。

 さらに、これに続く次世代モデルでは、より高度なAD/ADAS機能を提供するため、セントラルアーキテクチャー型のE&Eアーキテクチャーの採用に加え、ルネサスエレクトロニクスと共同で、AI性能として業界トップクラスの高性能なSoCを開発し、SDVとしての価値を高めていきます。

 また足元では、需要が高いハイブリッド車を強化し、2030年の四輪販売台数360万台以上、ハイブリッド車220万台を目指します。

 ホンダの2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」では、それを搭載するプラットフォームを全方位で進化させていきます。

 小型・中型車向けのシステムにおいては、エンジンの高効率エリアの拡大とハイブリッドユニットの駆動効率向上などにより、世界最高効率のパワートレーンを実現します。

 これに、操縦安定性などの進化やさらなる軽量化を実現する次世代プラットフォームと、高精度で応答性の高いモーター制御を特長とする新開発の電動AWD(オールホイールドライビング)ユニットを組み合わせることで、10%以上の燃費向上を目指すとともに、ホンダならではの五感に響く上質・爽快な走りをさらに進化させていきます。

 そして、四輪事業の軸としてハイブリッドモデルのコスト競争力をさらに上げていくために、バッテリーやモーターなどの主要部品を中心に、サプライヤーとの協創活動や、生産のさらなる効率化、部品共用化などを行うことでコスト低減を追求しています。

 これらの取り組みにより、次世代ハイブリッドシステムのコストは、販売台数の拡大に合わせて、2018年モデルに対して50%以上、現行の2023年モデルに対しては30%以上のコスト低減を目指します。

 また北米市場では、広いスペースと高い積載能力を持つ大型車への底堅い需要があり、2020年代後半の商品投入を目指し、力強い走行性能、牽引性能に、環境性能を兼ね備える大型車向けのハイブリッドシステムを開発。

 このように商品競争力に磨きをかけながら、2027年から4年間で次世代ハイブリッドモデルをグローバルで13モデル投入することで幅広いラインアップを構築し、今後も拡大する需要を着実に捉えていくとしています。

 また知能化でホンダは、カーナビで目的地を設定すると一般道か高速道路かを問わず、目的地までの全経路において、クルマがアクセルやハンドルなどの運転操作を支援する次世代ADASの独自開発を進めています。

 この新たな次世代ADASを、2027年頃に北米や日本で投入を予定する、EV・ハイブリッド車の主力ラインアップに幅広く適用。

 また中国では、スタートアップ企業「Momenta」と共同で、現地の道路環境に適したADASを新型車に搭載し、知能化を加速させていくとしています。

「このようにホンダは、モビリティの知能化・電動化時代にふさわしい、新たな独自価値の創造に取組んでいきます。

 今日ご紹介した次世代ADASはその一端ですが、自らハンドルを握りたい時は、上質で爽快なホンダならではの操る喜びを感じられる一方、より楽に、ストレスなく目的地に向かいたい時は、SDVの価値で、市街地も高速道路も関係なく快適に移動できる、こういったクルマ1台分の体験価値を提供していきます。

 そして、今後の四輪事業変革のシンボルとして、27年以降に投入する次世代モデルからは、EVに加え、ハイブリッド車の主力モデルにも新たなHマークを適用していきます。

 今後も、EVかハイブリッド車かといったパワートレーンを問わず、魅力的な商品を提供し続けることに尽力し続けてまいります」

■ホンダの二輪事業や財務戦略はどうなっている?

 今回ホンダは二輪事業の最新動向も発表しました。

 グローバルでの需要拡大に対応し、電動化と内燃機関(ICE)の効率化を両立させ、環境トップランナーとして市場をリードしていくといいます。

 まず2025年3月期の二輪販売台数は2057万台に達し、世界シェア約4割を維持。37の国と地域で過去最高を記録しました。

 特に、インドを中心とするグローバルサウスでは、人口増加や所得向上が需要を押し上げ、市場は現在の5000万台規模から2030年には6000万台規模に成長する見通しです。

 また、多様な顧客ニーズに対応した魅力的な商品を展開。具体的には電動二輪車の拡充として、2025年2月にインドで発売した「ACTIVA e:」と「QC1」に続き、グローバルモデル「CUV e:」と「ICON e:」をインドネシア、ベトナム、タイ、フィリピンで販売開始。2025年中には「CUV e:」を欧州と日本でも発売予定です。

 また技術的には、内燃機関の進化として、燃費向上やフレックスフューエル対応を拡大し、環境性能を強化。

 さらに電動二輪車事業の強化として、ホンダは電動二輪車市場でのシェアNo.1を目指すといいます。

 2028年中には、インドで稼働開始予定の電動二輪車専用工場では、モジュール化されたモデルを高効率に生産。事業体質を強化し、コスト競争力を高めます。

 そして2030年の目標として、ホンダは、電動二輪車とICE搭載車の両輪で市場をリードし、需要拡大を背景にグローバル市場でのリーダーシップを強化することで世界シェア5割。

 さらには効率的な生産と魅力的な商品投入で、盤石な収益基盤を構築し、売上高営業利益率15%以上を目指していくとしています。

 またホンダは、電動化と事業成長を両立する財務戦略も発表しました。二輪事業の拡大と四輪のハイブリッド車強化を軸に、収益性向上と安定的な株主還元を目指します。

 収益性向上の目標としてホンダは、前述の四輪・二輪の戦略を軸に2031年3月期にROIC(投下資本利益率)10%の達成を目標に掲げます。

 また2024年発表した電動化戦略の投資額10兆円を見直し、「カナダでのバリューチェーン構築を2年程度後ろ倒し」「次世代EV専用工場の設立タイミングを調整」の理由で3兆円減額し、総額7兆円に変更。

 こうした見直しにより、市場変化に対応しつつ、将来の成長に向けた投資を最適化していくとしています。

※ ※ ※

 ホンダは、市場変化に柔軟に対応した資源配分で、四輪事業の収益力向上と二輪事業の強固な基盤を活用し、将来の仕込みと株主還元を両立し、持続可能な成長を目指していくとしてます。

 ホンダの財務戦略は、電動化と収益力強化をバランスよく進め、株主還元を維持する姿勢を示しています。2030年に向けた盤石な事業基盤の構築に注目です。

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みんなのコメント

2件
  • ニーナ
    日本メーカーは技術力が全く無くEV開発競争に完全に負け、もはやまともなEVを生産できません。将来にわたりBYDに勝つ可能性は皆無です。日本メーカーはEVを諦めHV車にしがみついた方が良いと思います。
  • bay********
    しょうがないよなw
    実質テスラと中華車の一騎打ちなのは明かだし新型車で対抗するは出足しで遅れ過ぎたw
    ここで粘った所でBEVじゃ太刀打ち出来ないからHVをUSで売って稼ぐしか無いw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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