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世界で一番売れているボルボSUV、『XC60』の話(前編)【日本版編集長コラム#83】

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世界で一番売れているボルボSUV、『XC60』の話(前編)【日本版編集長コラム#83】

歴代ベストセラーモデルとなったXC60

ボルボのミッドサイズSUV『X60』、そのトップグレード『ウルトラT6 AWDプラグインハイブリッド』に1000kmほど乗ることができた。以前の試乗会ではマイルドハイブリッドの『ウルトラB5AWD』を取材しており、その違いも気になるところだ。

【画像】世界で一番売れているボルボ!『XC60ウルトラT6 AWDプラグインハイブリッド』 全52枚

その時もレポートしたが、昨年、XC60がそれまで最も売れたボルボであった240の累計販売台数を超えて、ベストセラーモデルとなった。

それも納得の話で、各ブランドともこのサイズのSUVは軒並み売れているからだ。具体的にはメルセデス・ベンツGLC、BMW X3、フォルクスワーゲン・ティグアン、アウディQ5といったあたりで、レクサスを牽引しているのもNXとRXである。

大市場を中心としたEV停滞で、ボルボに限らず戦略変更を強いられている。特にトランプ大統領が補助金を廃止したアメリカ市場での影響は大きく、最近では新EV『ゼロシリーズ』などの開発、販売を中止したホンダが歴史的な損失を計上したのは衝撃的だった。

そんな中でボルボは、販売ボリュームの大きいハイブリッド系のモデルライフを延長して対応した。XC90、XC60の大幅改良が順次続き、今回取材したのは後者となる。

XC60とは対になるEV『EX60』

ちゃんと書いておきたいのは、それでボルボの電動化が減速するわけではないことだ。4月22日には、XC60とは対になると言えるEV『EX60』の生産がスウェーデン本国でスタートしている。

それを知らせるプレスリリースには『ゲームチェンジャー』と書かれていて、スウェーデンやドイツといった主要市場はもちろん、欧州すべての主要市場で受注が社内予測を上回ったという。

今年の後半にはアメリカ、アジア市場での受注開始も迫っており(恐らく日本も年内)、2026年分の増産を決定。スウェーデンのボルボ本社近郊にあるトースランダ工場は夏の稼働期間を1週間延長予定で、これは同工場で初めてのことだという。

また、EX60は本社のあるイェーテボリおよびスウェーデン経済の活性化にも貢献するという。金額ベースで『スウェーデン最大の輸出製品のひとつになることが見込まれている』というから、期待値はかなり高い。

EX60は最大810kmの航続距離を実現し、10%から80%の充電を16分で可能に。そして注目は、XC60プラグインハイブリッドと同水準価格に設定されていること。これは少しオーバーかもしれないが、いよいよEVが補助金に頼らなくても勝負できる日がくるのかもしれない。

販売期間が長くても魅力減にならない

そういった背景の中で、XC60をあとどれだけ新車で楽しむことができるかは流動的な状況だ。日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したのは2017年の話であるから、モデルライフ自体は長くなってきた。

しかし販売期間が長くてもそれが魅力減にならないのは、ボルボの歴史が教えてくれるだろう。生産終了時に発売する最終仕様『クラシック』が熟成の極みで魅力的であることは、個人的にもよく知っている。以前、実家が『S90クラシック』を新車で購入したからだ。

実家にS90がやって来たのは、850がBTCCで『空飛ぶレンガ』と呼ばれた1990年代の後半。既に運転免許証は所持していたので、実際にドライブする機会も多かった。この時代のボルボはレンガのようにスクエアなデザインが特徴で、それは実直なボルボを形で示すかのようであった。

なぜこの話を持ち出したかといえば、今回取材したXC60に感じたのはクラシックの車名こそ掲げていないものの、まさに最終仕様に近い熟成度を感じたからだ。

正直に書けば、あのS90クラシックが熟成していたかどうか、この業界に入りたての私はまだわからなかった。しかし、約30年経っても、現在のボルボに繋がるS90の実直な感触は身体が覚えている。あれを熟成と言わずして何と呼ぶ……と、今なら言うことができる。

ラインナップとスペック

さて、ボルボXC60のラインナップとスペックを改めて確認しておこう。

エンジンは2L直列4気筒ターボで、全てそれにモーターを組み合わせたハイブリッドとなる。まず、48Vバッテリーのマイルドハイブリッドが以下の2台。

XC60プラスB5:価格789万円
XC60ウルトラB5 AWD:価格879万円
●エンジン:最高出力250ps(184kW)/最大トルク360Nm
●モーター:最高出力10kW/最大トルク40Nm
●車両重量:1820kg(B5)1900kg(B5 AWD)
●タイヤサイズ:235/60R18(B5)235/55R19(B5 AWD)

そして今回取材したのが、こちらのプラグインハイブリッド。

XC60ウルトラT6 AWDプラグインハイブリッド:価格1029万円
●エンジン:最高出力253ps(186kw)/最大トルク350Nm
●モーター:最高出力52kW/最大トルク165Nm(前)107kW/309Nm(後)
●車両重量:2180kg
●タイヤサイズ:255/40R21

ボディサイズは全長4710mm、全幅1900mm(B5)/1915mm(T6)、全高1660mm、ホイールベース2865mm。トランスミッションは8速AT、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。

なお、プラグインハイブリッドのEV走行は81kmというカタログスペック……というところで、またもや長くなってきたので、このボルボ話は次回に続きます。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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