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ルイス・ハミルトンの父アンソニーがFIAに加入へ。若手ドライバーの育成や、搾取的な経営からの保護に取り組む

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ルイス・ハミルトンの父アンソニーがFIAに加入へ。若手ドライバーの育成や、搾取的な経営からの保護に取り組む

 7度のF1世界チャンピオンであるルイス・ハミルトン(フェラーリ)の父、アンソニー・ハミルトンは、今年6月にマカオでのFIA会議で立ち上げが予定されている『FIA若手ドライバー育成パスウェイ』で、極めて重要な役割を担う予定だ。

 18カ月にわたり、水面下でFIAのモハメド・ビン・スライエム会長の顧問活動を行ったアンソニーの任務は、草の根レベルのモータースポーツからプロのランクに至るまで、若いドライバーのためにより倫理的で組織化されたルートを作るという、統括団体の使命における重要な一歩となる。息子のルイスをカートからF1のスターダムへと急成長させ導いた経験から、彼はFIAの論争や、くすぶる政治的緊張を背景に、次世代のレーシング人材を育てる重要人物としての地位を確立している。

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■草の根レベルでの変化の推進

 FIAの『若手ドライバー育成パスウェイ』は、モータースポーツのジュニア部門におけるアクセス性と透明性に関して高まっている懸念に対処することを目的としている。アンソニーの役割は、その洞察力によって、若いドライバーを搾取的な経営から守り、プロのレースへのより明確な道筋を提供することに重点を置くことになるだろう。

 この動きは改善の一歩として多くの人々から歓迎されている一方で、FIA内部で続く政治的緊張を背景に展開されている。ルイス・ハミルトンとビン・スライエムの関係は、しばしば緊張を伴っていた。ルイスは近年、ドライバーの無線での罵倒に対する取り締まりの緩和など、さまざまな問題やスポーツコードの規制をめぐって、FIAの会長と衝突してきた。

 最新のポリシー転換について尋ねられたルイス・ハミルトンは、率直にこう答えた。

「僕は見ていなかったので、それがどういう理由からなのかわからない。つまり、それはばかげている。僕は実際のところわからないよ」

 こうした緊張にもかかわらず、アンソニーがFIAの若手ドライバープロジェクトに加わったことは、統括団体が育成事業と、より批判の多い政治的取引を切り離す意図を持っていることを強調している。


■FIAへの不満が高まるなかでのドライバーの反応

 ハミルトンのメルセデス時代のチームメイトで、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の理事も務めるジョージ・ラッセルは、FIAとドライバー間のコミュニケーション不足に対し、広範囲にわたる不満を繰り返した。

「僕たちは、FIAの上級レベルの誰ともまだ連絡を取っていない。そのために、確かにすべてが少し疑わしい」とラッセルは、ドライバーの罵倒や行為に対するFIAの最近の軟化姿勢を振り返りながら語った。

「実際はもっと難しいように思えるが、僕たち全員が自身の意見を述べた」

 アンソニーの関与は、この断絶に対する建設的なバランスをとるものだと多くの人々が考えている。特に若いドライバーが、キャリアの早い段階で適切な指導と保護を確実に受けられるようにするためだ。彼の役割が政治的な重みを持つとは考えられていないが、FIAがスポーツのさまざまなレベルで信頼を再構築しようとしているなかで、彼の存在は必然的に注目を集めることになるだろう。

[オートスポーツweb 2025年05月23日]

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