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ホンダ SDV開発のキー ソフトウエア開発拠点の新設と「三現主義」環境整備でモビリティを加速

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ホンダ SDV開発のキー ソフトウエア開発拠点の新設と「三現主義」環境整備でモビリティを加速

ホンダは2025年6月26日、大阪梅田地区の複合商業施設「グラングリーン大阪」(大阪府大阪市北区)内に、新たなソフトウェア開発拠点「Honda Software Studio Osaka」を4月に開設したことを公表した。

ホンダは電動車を主とした商品競争力強化に向けて「知能化」を重要な柱と位置づけ、2031年3月期までの10年間で約2兆円をソフトウェア関連の研究開発に投資する計画としている。この方針のもと、高度な専門性を持つ人材の獲得、開発力の最大化に取り組んでいる。

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これに伴いソフトウェアエンジニアが働きやすい環境の整備を進めており、2023年10月の大阪を皮切りに、大宮、品川、名古屋、福岡と開発拠点を拡大。Honda Software Studio Osakaは、大阪における従来のソフトウェア開発拠点を発展させ、2025年4月に新たに開設。さらに2026年初めには東京都内にも新たな拠点を開設予定だ。

ホンダののソフトウェアの開発体制は、実車開発の中心となる栃木の開発拠点を主軸に、全国のソフトウェア開発拠点と連携した開発を推進する。こうした開発ノウハウに加え、全社的に充実したリモートワーク環境の整備やHonda Software Studio Osakaの最新のオフィス設備により、拠点間でのシームレスな連携と高い生産性を実現して行くことになる。

この大阪の新拠点の開設により、大阪・関西圏に集まる優秀なソフトウェア人材の採用が促進され、大学や研究機関との連携やパートナー企業との協業を加速させることで、新たな価値が創出されることが期待されている。今後ホンダは、この大阪拠点を関東圏に次ぐ国内第二の規模となる拠点と位置づけ、従業員は約500名体制へと拡大し、ソフトウェア人材の充実を図って行くことにしている。

Honda Software Studio Osakaには、自動運転、先進運転支援システムや、スマートキャビンといったアプリケーション、アプリケーションを高効率で動かすためのハードウェアであるSoC(システム・オン・チップ)、それらを制御するプラットフォームであるビークルOSなど、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)の実現に向けて、独自開発する技術を担当するさまざまな部門が集まっている。
 
現時点で約100名のスタッフが在籍しており、そのうち85%がキャリア採用者だ。キャリア採用者の経歴はさまざまで、鉄道、電機など、様々な分野の業種でのバックグラウンドを強みに、従来のモビリティメーカーにはなかった新鮮なアイデアや知見を持って働いている。新卒でホンダに入社しホンダの技術に精通しているプロパー社員と、キャリア採用者が互いの強みを生かしながら相乗効果を生み出すことで、スピーディーに競争力を高めていくことになる。

Honda Software Studio Osakaは、従来の固定席から解放され柔軟で多様な働き方をサポートする「ABW(Activity-Based Working)」というスタイルを採用。従業員一人ひとりが仕事の内容や状況に応じて最適な作業環境を自ら選択することができる。

これは、モチベーション向上とパフォーマンスの最大化、柔軟な発想を引き出すことが狙いだ。加えて、オフィスデザインコンセプトであるコミュニケーションファーストを意識したデザインにより、エンジニア同士やチーム間の偶発的なコミュニケーション促進を加速させ、組織としての飛躍的な生産性向上や新たな価値の創出も期待されている。

プロジェクトメンバーが開発中の実機を前に、手を動かしながら議論できる「プロジェクトブース」、半田作業を想定し換気環境を備えるなど、実際にモノを触りながら作業を行えるよう配慮された「デバッグルーム」といった特徴的なスペースを設置。また、地下には駐車スペースも確保し、完成車を身近に触れながら開発ができる環境を整備している。

こうした仕掛けにより、ソフトウェアの動作確認とデバッグの迅速化や、実環境での検証による信頼性向上といった効果を生むことで、製品の品質向上や開発効率の向上を実現する。

このように、デスクワークが主体となりがちなオフィス環境にいながらも、ものづくりの基本である実機に「触れて試せる」開発環境を備え、モビリティカンパニーとしてホンダが大切にしてきた「現場・現物・現実」を重視した「三現主義」の文化と、最新のソフトウェア開発との融合の実現を目指すことになる。

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ホンダ 公式サイト

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文:Auto Prove 松本 晴比古
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