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プロトタイプ緊急海外試乗! BMW初の純電動4ドアクーペ「i4」はビーエムのスポーツセダンらしさ全開のEVだ!!

掲載 更新 12
プロトタイプ緊急海外試乗! BMW初の純電動4ドアクーペ「i4」はビーエムのスポーツセダンらしさ全開のEVだ!!

 BMW初の4ドアクーペ型EVとなる「BMW i4」が6月に発表される予定だが、その発表直前にプロトタイプに試乗する機会が得られた。

 BMWといえば3シリーズなどの「スポーツセダン」の伝統を持つメーカーだが、i4は4ドアクーペボディではあるが、BMWのスポーツセダンらしさをもつEVとなっているのか? リポートしていこう!

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文/A.オーステルン、Kimura Office
写真/BMW

【画像ギャラリー】新型i4とiXの画像をチェック!

■新しいプラットフォームはパワーユニット3種を搭載可能!

本記事筆者、A.オーステルン氏と『i4 M50』

 BMWは2013年にフルカーボン・ボディを持った電気自動車i3でEVの先駆的な役割を果たした。しかし昨今のEVブームにありながら、BMWではその後、この分野では目立った動きはなく、ここ数年ではアウディ、メルセデス・ベンツ、さらにはフォルクスワーゲンの後塵を拝していた。

 しかし昨年末から中国でX3ベースの「iX3」を生産し、ヨーロッパで販売を開始した。さらに追いつけ追い越せとばかり今年に入って「i4」と「iX」を発表し、間もなく販売も開始する。

『BMW i4 eDrive 40』は0~100km/h加速が5.7秒、航続距離はWLTPモードで最大590km

 ところでBMWのEVプラットフォーム戦略だが、iX3は既存のX3のボディを使用しフロアを改造して、スケーラブル・バッテリーと一体型Eパワーユニットを搭載したものだが、続いて登場する2台のi4とiXはCLAR(クラスター・アークレクチャー)と呼ばれるICE(内燃エンジン)あるいはPHEVとEVの3種類のパワープラントが搭載可能なフレキシブル・アーキテクチャーを採用している。

純ICEやEV、PHEVの3種が搭載可能なプラットホームフォームを採用

 これが専用プラットフォームを持ったVWやアウディと大きく違うところである。

 さて、この2台は今年中に発表されるが、今回、6月に正式に詳細が発表されるi4のプロトタイプ試乗と、スタジオにおける取材が行われた。

■ i4シリーズ& iXはBMWの最新EV!今年発売予定!!

 BMWは今回のプレスカンフェレンスにおいて、まず今年中に発売が開始されるiXとi4の違いを説明した。

 全高1.7mのiXはクロスオーバーSUVで、自動運転やコネクティビティなどハイテク志向であり、チャレンジングなエクステリア&インテリアデザインが特徴だ。

『BMW iX』は全長4953mm 車幅1967mm 全高1695mmという大柄なSUVだ

 一方、全高1.4mのi4は4ドアクーペというコンベンショナルなデザインでBMWのDNAである究極のドライビングマシーンでMバージョンも用意される。端的に言えば4シリーズ グランクーペのEVバージョンである。

■そして早速プロトタイプ試乗へ!!

 さて、続いて行われたi4の試乗会だが、登場したi4は2019年のフランクフルトモーターショーに「コンセプト4」として発表された2ドアクーペの4ドアバージョン(グランクーぺ)で、本来は2020年に開催されるはずだったジュネーブオートサロンでi4コンセプトとして先行公開の予定だったBMWの3番目のEVである。

 そして今回6月の発表を前にプロトタイプ試乗が行われたのだが、そこには「i4 eDrive 40」と「i4 M50」の2モデルが用意されていた。両モデルともカムフラージュされていたが全長4.8m、ホイールベース2.9mで旧グランクーペよりも伸びやかになっている。

 またBMWのアイコンともいえるロングノーズ+ショートデッキの(フロント・エンジン・リアドライブ[FR])プロポーションは後述するようにリアに電気モーターが搭載されるEVになっても継承されている。

 M3そしてM4で採用された大型のキッドニーグリルはこのi4にも採用されているが単なるデザインエレメントで開口部はなく、カメラやレーダーなどが背後に装備されている。後に発表された量産タイプではグリルとボディサイドのブルーのアクセントラインがi4のアイコンとなっている。

■まずはi4 eDrive 40

 i4 eDrive 40は、最高出力250kw(340馬力)、最大トルク430Nmを発生する電気モーター(ドライブギアとパワーエレクトロニクスが一体化したユニットになっている)をリアアクスルにマウントしていて、ダイナミック性能は0-100km/hが6秒以下とだけ発表されている。

 また811個のプリスマティック(立方体)セルを持つ電池の容量はグロスで83.9kWh、ネットで81.5kWhで、航続距離は590km(WLTP)。充電はDC急速チャージを使えば10分で164km分が充電できる。

 インテリアはアップグレードされたBMWオペレーション8が搭載され、新しいデザインの14.9インチと12.6インチの曲面スクリーンが連続して横並びにドライバーへ向けてレイアウトされている。

メーター類は「BMW・カーブドディスプレイ」が採用された。ドライバーの視界に合わせて画面がラウンド配置されている

 またヘッドアップディスプレイは画像のデザインがより一層デジタル化しており、丸いステアリングホイールが似合わなくなっている。リアには大人2人分の空間があり、そしてトランクルーム容量は470~1290リッターで4シーターGTとしては充分な実用性も備えている。

ラゲッジは後席を立てた状態で470L、写真のように後席を倒せば1290Lの容量となる

 スタンダードの3シリーズよりも53mm低くなった重心高による安定した走りと快適な乗り心地は、リアに標準装備されたエアサスも加わって、乗り出してすぐに実感できた。

 もちろん電気モーター特有の立ち上がりからの鋭い加速感はあいかわらずだが、BMWではその先にあるスポーティなハンドリングが光っていた。

 すなわち前後アクスルの部分剛性を確保して、トレッドをスタンダード3シリーズよりも前26mm、リア12mmへと拡大することによってスタビリティが向上し、ステアフィールはスポーツカーのようにわずかな手首の動きでi4はスパッと目指す方向へ進んでゆく。

 もちろんADAS(ドライバーアシスト・システム)も最新のシステムが採用されており、定められた条件下で手放しも可能なレベル2+が可能である。BMWがi4で目指したのは3シリーズで確立したスポーツセダンの規範をEVでも同じように実現しようと考えていることがこのテストでよく理解できた。

■続いてi4 M50

こう見るとグリル開口部が分かりやすい。フロント下部のメッシュになっている部分が本来のグリル開口部で、キドニーグリルの大部分はダミーだ

 続いて試乗したのはMパフォーマンス バージョンともいえるM50で、モデル名に「eDrive」がないのは商標権の問題らしい。なんだかよくわからないが、首尾一貫していないことは確かだ。開発意図はもちろんMパフォーマンスの提供で、すなわち、さらなる敏捷性を持った精緻な走り、そしてモア・エモーションである。

 このM50に搭載されるパワーユニットはフロントに190kw(258馬力)、リアには230kw(313馬力)でシステム出力は400kw(544馬力)と795Nmに達する。

 ダイナミック性能は0-100km/hが3.9秒、最高速度は225km/hと発表されている。またバッテリーはi4 eDrive 40と同じものだが、消費電力が多いために航続距離は510kmとわずかに減少する。

 エクステリアはICEのMモデルと同様にクローム部分はブラックアウトされ、フロントスカートの両端にはエアカーテン用のスリットを持った大きなダミーグリルが精悍さを増している。またタイヤはオプションのミックスサイズ255/35R20(前)と285/30R20(後)が装着され、サイドビューに緊張感を与えている。

 まずは一般道路からスタートしたが、加速そしてハンドリングも先行するペースカー(M5)に劣らないパフォーマンスを発揮し、追従することができた。4WDシステムのトルク配分は明らかに後輪駆動パターンで、アンダーステアは滅多に顔をださない。

 M50のスポーティなポテンシャルを引き出すにはクローズドサーキットが一番だが、ここでの挙動はまさにスポーツカーで、とくにハンドリングコースでは驚くほどのロールの少なさでゴーカートに乗っているような気分で楽しめた。

 あいにく夕立が襲ってきて、コースはすっかりウエット状態になってしまったが、544馬力+795Nmのパワーはシャーシを統合するMアダプティブ・サスペンションによって巧みに制御され、コースから逸脱することはなかった。

 レポーターは人工サウンドをあまり好まないが、このM50に採用されているBMWアイコニックサウンドはなかなかよくできていた。特に加速力が半端でないこのクルマではスピード表示を注意しなければならないが、サーキットで走りに集中しているとスポーツモードで発生する「音」が注意も喚起するので悪くはないと改めて感じた。

 最後に、544馬力のi4 M50に乗って感じたことは、ICEが電気にはかなわないという当たり前の事実であった。電気自動車の鋭い加速力は、現在ではホンのわずかな時間だが、内燃機関搭載モデルでは到底追いつくことはできない。

 今後、バッテリーの開発が進み、コストが下がり、容量が大きくなればICEの終焉はみるみる近づいてくるに違いない。

バッテリーコストについてはこれからのEV増加に伴い、真実が明らかになるだろう

 このBMW i4は11月から予約注文がドイツ/ヨーロッパで始まり、デリバリーは2022年春から開始されるが、日本への到着は2022年の後半になるだろう。また、現時点ではまだ価格は発表されていない。

【画像ギャラリー】新型i4とiXの画像をチェック!

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みんなのコメント

12件
  • 不細工。
    売れない。
  • 航続距離を含め、このスペックなら購入してもいいかな。



    今、アルトバン(中古)とどちらにするか迷ってる・・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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