1995年の検切れを最後に30年近く眠っていたEF8をイベント出展車にまで大復活!
オーナー歴は3年で、ベースとなったクルマは走行17万kmオーバー、さらに車検は1995年で途絶えていたという、いわゆる草ヒロ(草むらに放置された廃車体)に近い状態だったホンダ「CR-X SiR II(EF8)」。この状態の車両を内装・外装ともに極上車へと導いたのが、オーナーの“けいた”さんだ。現在では手に入りにくいモデルだが、ベース自体がボロボロで距離も走っていたため、比較的手頃に入手できたという。ホンダ愛にあふれるオーナーが巡り合い、劇的な進化を遂げた1台の物語を紹介する。
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配線を隠すワイヤータックでエンジンが宙に浮いているような美しいレイアウトを実現した
かつてはホンダディーラーに勤務経験があり、ホンダ「エレメント」も2台乗り継いだあと、インフィニティ「FX35」やトヨタ30「ソアラ」などの他メーカーも所有。その後、US専売モデルのFB6「シビック」と、再びホンダへと回帰した。そしてこの度巡り合ったのが、EF8 CR-Xだった。まずは車体をドンガラ状態まで分解し、各部を徹底的にレストア。走行できる状態まで復活させた後は、しばらくノーマルで楽しみ、一昨年末から本格的なカスタムを開始。現在の完成度にまで仕上げている。
SHOW OFF レベルのエンジンルームに仕上げる
このクルマ最大の見どころがエンジンルームだ。ボンネットを開けた瞬間、ライトなローダウン仕様という第一印象は一変する。採用したのは、徹底したワイヤータック(エンジンルームの配線類を隠すカスタム)&シェイブドエンジン(不要な穴や凸凹を埋めてエンジンルームをスッキリ見せる手法)。配線類は一本一本すべて引き直し、配線・配管が見えないよう徹底処理。ラジエータまでも視界から隠すことで、エンジンがまるで宙に浮いているような美しいレイアウトを実現した。
ただしエンジン位置は変更せず、アルミエンジンマウントを採用。吸気にはFCRキャブレター(4連スロットル)を装着し、レーシーなルックスとレスポンスを両立している。ここまでシェイブド化するとメンテナンス性は犠牲になりがちだが、全部オーナー自身で作っているので、どこに何があるかをすべて認知。整備もまったく問題ないのはスゴい。ビルダーとしての実力も窺える。
無限のフルエアロで魅せる純正然としたスタイル
外装はフル無限仕様。あえて大きな加工は施さず、ナンバーポケットのみスムージング加工で純正然としたスタイルは崩さない。ボディカラーは深みのあるホッケンハイムグリーンパール。じつはNSX純正色でもあり、憧れのNSXへのオマージュでもある。ライトやレンズ類は一度すべて分解して、水洗い・乾燥・研磨まで徹底的に行うことで新品のような透明感を取り戻した。リアウイングは純正、リアワイパーはスムージングしてレス仕様。
他にもサンルーフ付きのベース車ながら純正ユニットは不動。そのため今後はポリカーボネートとガラスを組み合わせた新たなサンルーフ化を構想している。車両自体、現在は完全ガレージ保管。雨天走行は行わず、磨きとワックスで美しいボディコンディションを維持しているのだ。
足まわりはKei Tuned車高調をベースに、アーム類はあえて純正を維持。フェンダーのツメ加工も行わず、ナローボディの美しさを大切にしている。
「ナローで収まるなら、そのままが一番。クルマの価値も残せますし。次の仕様で必要となれば加工しますけど…」
タイヤも立たせ気味のセットアップとし、自然なシルエットを追求している。
ブレーキはEK9用「シビック・タイプR」用フロント4POTキャリパー&ローター、ホイールは(現在は)SPOON SW388
15インチ(F/R=8.0J インセット35)を装着している。ちなみに次なる仕様変更もすでに決定済みで、初期モデルのレイズ・ボルクレーシングTE37 5SPOKE(16インチ)への変更を予定している。ホイールは5穴のため、それに合わせて足まわりもEK9仕様へコンバートする計画だ。
マフラーは触媒前からフルチタン製作。ワンオフ製作したマフラーは「指一本で持てるくらい軽い」という超軽量。当初は別のマフラーも考えていたそうだが、「人と違うなら、これもアリかな」と唯一無二の仕様を選択した。
S2000とNSXへのリスペクトを感じるパーツチョイス
室内は走りを意識したシンプル仕様。オーディオレス化にセンターパネルのみUS仕様へ変更。USモデルとは灰皿とシガーソケットの位置が日本仕様とは逆になっているという。シートはDC5「インテグラタイプR」純正。シートベルトは海外専売だった無限4点式ハーネスを2セット輸入して装着している。
そして目を引くのがステアリング。採用したのはS2000純正ステアリング。
「めちゃくちゃ高かったです(笑)。普通にモモステ買った方が安かったですね」
それでも選んだ理由がある。
「CR-XってS2000のプロトタイプ的な存在だったと思うんです。だから、その繋がりを持たせたくて…」。
以前はNSX純正ステアリングも使用していた。ボディカラー(ホッケンハイムグリーンパール)もNSX純正色を選ぶなど、少しずつNSXのエッセンスを採り入れている。
「本当はNSXが一番欲しいクルマなんです。でも買えないので、要素だけでも…と(笑)」
ロールケージはサイトウロールケージ6点式。本来はCR-X専用品ながら、「そのままだと付かないですよ」と、言われたモノを、そこはビルダー。自ら工夫して取り付けたという。
ここまで大仕事を行うには大きな転機があった。それがWekfest Japan(カーイベント)へのエントリーだ。「どうせ受からないだろうと思って応募したら、まさか受かってしまって(笑)」。イベントまで残された期間はわずか4か月。そこから怒涛の追い込みが始まったという。
「毎晩深夜3時くらいまで半べそかきながら作業しました」
完成期限が決まったことで集中できた反面、自身ではまだ納得しきれていない部分もあるという。
「ここまではまだベースの段階です」
今後はTE37 5スポーク16インチ仕様へ進化させ、さらなる完成度を目指す。そして来年も再びWekfestの舞台へと想いは繋げていく。
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みんなのコメント
暗い塗色だとスッキリ感があまり伝わらないのが残念