今季のスーパーGT・GT500クラスで日産のワークスであるNISMOの1台(NDDP NISMO 3号車)から参戦する佐々木大樹は、シリーズフル参戦13年目を迎える33歳。2年ぶりにGT500クラスに復帰し、昨季ランキング3位となったチームに加わるとあって、注目のひとりとなっている。
そんな佐々木は、慶應義塾大学出身の高学歴レーサーでもある。最近では現役東大生である新原光太郎がホンダ育成ドライバーとなったことでも話題となったが、そういった“インテリドライバー”は決して多いわけではない。確かに学歴はレースに直接関係はないかもしれないが、勉学に励んできたことによって得た素養は、レースの世界で活躍する上で間違いなくプラスになっていると言える。
■“東大生ホンダ育成ドライバー”……異色すぎる肩書きを可能にしたものとは。新原光太郎の目標は「角田裕毅さんを超えるドライバーになる」
■研ぎ澄まされた感覚を正確に伝えるのは「言葉選び」
佐々木はこれまで長らくスーパーGTに参戦してきた傍ら、全日本カート選手権への参戦も続けてきた異色のキャリアの持ち主だ。そこでは10代の頃から約15年にわたってブリヂストンタイヤの開発を担当。ドライビングに関して熱心に学び、繊細な感覚、理論を構築した。
「ブリヂストンさんと、15歳から30歳くらい(ブリヂストンが全日本カートへのタイヤ供給を終了した2022年)までタイヤ開発をしてきました」
「ですからクルマに関してもタイヤに関しても知識が豊富で、オンボード映像を見ただけでも、『こういう運転をしているからこういう動きになっている』とか、車両がどのようにロールして、どこに荷重が乗っているかが分かります。これはそういった点をすごく意識して乗ってきたからでもあります」
つまり佐々木は車両運動に関する“センサー”を磨いてきたわけだが、それだけでは十分ではない。その感覚をうまく言語化し、エンジニアなどに正確に伝える力がなければ、優秀なセンサーも宝の持ち腐れだ。つまり語彙力や論理的思考力といったインテリジェンスの見せ所でもあるのだ。
学生時代は「勉強をすごく頑張ってきた」と自負する佐々木。自らのセンサーの正確さだけでなく、それを的確に説明する力も自らの武器と認識している。
佐々木はチームとセットアップを煮詰めていく上で、ドライバーは具体的に変更すべき箇所を提示することよりもマシンの挙動を正確に伝えることが重要だとして、次のように述べた。
「例えば自分はスタビライザーを柔らかくした方がいいと思ったとしても、解決策にはたくさんパターンがあります。そこはエンジニアさんの方が絶対的に詳しいですしね。ですから自分がクルマの動きの弱点を伝えた上で、解決方法はエンジニア、監督含めみんなで出し合い、精査する……そうすることで本当の正確に近付きやすくなります」
「クルマに起きていること自体(のドライバーの認識)が間違っていたり、もしくはそれをうまく説明できていなかったりすると、いくら案を出しても正解には辿り着けず、話し合っても無駄になってしまいますから」
これは開発作業だけでなく、ドライバーコーチングにも活きてくる要素だ。佐々木はスーパーフォーミュラ・ライツのマスタークラスでチャンピオンを獲得するなど、日本最速のジェントルマン(アマチュア)ドライバーのひとりである今田信宏のコーチを務めているほか、昨年末にもスーパーフォーミュラのテストに参加する関口雄飛にコーチを依頼されるなど信頼も厚い。
佐々木はジェントルマンドライバーへのコーチングでも“言葉選び”が強みになっていると説明した。
「僕は勉強をすごく頑張ってきたので、言葉選びにも気を遣っています。小学生や中学生に話すこと、40代以上のジェントルマンの方に話す内容は分けていますね」
「例えば、『ギュギュッといけばイケるよ』という説明で伝わる人もいれば、そうでない人もいます。特にジェントルマンの方は子供の頃からレースをやっているわけではなく、そういった感覚が分からないので、そういう時にはこういった説明をして……という風に考えています」
「人によって言葉を変え、相手に伝わるようにするということは若い頃からやっています。ドライバーに教える上では、(課題点を)理論的に把握できることに加えて、言葉選びも強みになっていると思います」
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みんなのコメント
ような天才というか野生的な
ドライバーが速いんですよね