燃料代高騰の救世主となるか
ルノーは2026年5月5日、主力コンパクトカー「クリオ」(日本市場ではルーテシア、ただし2026年5月現在の日本販売モデルは先代にあたる)のラインナップに、ガソリンとLPG(液化石油ガス)のバイフューエル・パワートレイン「新型Eco-G 120HP EDC」を仏本国で追加、受注開始した。
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【画像16枚】ルノー新型「クリオ」バイフューエル車が提示する新たな選択肢!
120psターボで走りも妥協なし
ルノーでは、一般顧客および法人顧客、双方のニーズに対応するクリオに、既存のガソリン車やハイブリッド車に加わる現実的かつ新たな選択肢として、このモデルを市場に投入したかたちである。
今回追加されたEco-G 120パワートレインは、排気量1200ccの1.2L直列3気筒ターボ直噴ガソリンエンジンをベースに開発されたもので、最高出力120ps(90kW)、最大トルク200Nmを発揮し、0-100km/h加速は9.8秒を記録する。従来のクリオ5に搭載されていたLPGモデル「Eco-G 100」と比較して、出力で20ps、トルクで30Nmの向上が実現されている。
このエンジンは同社「キャプチャー」や「シンビオズ」にすでに採用されているものと共通であり(前者については弊サイトにても既報)、ルノーグループおよびダチアが15年以上にわたって培ってきたOEMシステムのノウハウが活かされているため、同等のガソリンエンジンと同水準の堅牢性と信頼性を確保しているという。
その最大の特徴は、ガソリンとLPGの2つの独立した燃料タンクを備え、総航続距離が最大1450kmに達するという、日常的な多用途性だ。LPGタンクの容量は従来の40Lから25%増の50Lへと拡大され、これに39Lのガソリンタンクが組み合わされている。
燃料価格が高騰する昨今において、LPGは1Lあたり約1ユーロという適度なランニングコストを提供し、経済面でのメリットが非常に大きい。環境性能と燃費に関しても、LPGモードでのCO2排出量は105g/kmから、燃料消費量は100kmあたり6.5Lからとなっており、ガソリンモードではCO2排出量が122g/km、燃料消費量が100kmあたり5.4Lとなるなど、高い効率性を誇る。なお、トランクルームの容量は260Lを確保。
トランスミッションには、トルク抜けのない迅速な変速を可能にする2つのクラッチを備えたEDC(デュアルクラッチ・オートマチック・ギアボックス)が採用された。これにより、路面状況を問わず常にスムーズで快適なドライビングと、優れたドライバビリティが提供されるという。また、ステアリングホイールに備わるパドルシフトによって、ドライバーの要求に合わせたダイレクトなマニュアル操作も可能とのこと。
販売価格については、120psの「Evolution Eco-G EDC」仕様は21,900ユーロ、または月額220ユーロから設定されており、これは同等のガソリンモデル「Evolution TCe 115HP EDC」と同価格だ。顧客への納車は2026年夏頃が予定されている。
【ル・ボラン編集部より】 環境性能と走りの悦びという相反する要素を、見事に両立させた一台である。安価なLPG仕様でありながら、ダイレクト感に優れるEDCと120psターボを組み合わせた点に、小さなFF車作りに一日の長があるルノーの矜持が透けて見える。航続距離1450kmという圧倒的なタフネスは、ロングドライブが日常であるフランス的ライフスタイルを地で行く設計思想だ。単なるエコカーに留まらず、意のままのハンドリングやGTとしての本質は揺るがない。内燃機関の現実解を提示するしたたかさに、ブランドの底力が宿っている。 【画像16枚】ルノー新型「クリオ」バイフューエル車が提示する新たな選択肢!
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