現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「斬新なデザインゆえに期待ハズレ…」「革新的だったが販売は低調」ユニークなコンセプトのホンダ流マルチパーパスカー[HONDA バモス]

ここから本文です

「斬新なデザインゆえに期待ハズレ…」「革新的だったが販売は低調」ユニークなコンセプトのホンダ流マルチパーパスカー[HONDA バモス]

掲載 3
「斬新なデザインゆえに期待ハズレ…」「革新的だったが販売は低調」ユニークなコンセプトのホンダ流マルチパーパスカー[HONDA バモス]



日本の自動車産業は世界に通用する競争力をつけつつあった1970年代、名車とも迷車とも言えるクルマが数多く登場した。そのひとつが、ホンダから登場したホンダ・バモスだ。軽トラックをベースにルーフやドアなどすべて取り去ったフルオープンモデル。当時、北米で人気の高かったバギーをモチーフに、ホンダ流にカスタマイズさせたマルチパーパスカーであった。

【画像】「斬新すぎるよ…」「このデザインはユニーク過ぎる!」ホンダのマルチパーパスカー[バモス]を写真で見る

●文:月刊自家用車編集部

―― 大胆にも軽トラックのボディを取り去ったフルオープンモデルのバモス。もちろんドアパネルも装備していない。2人仕様と4人仕様が用意されていた(写真は、リヤシートを畳んだ状態の4人乗りバモス4) 【主要諸元】 バモス2(1970年型) ●全長×全幅×全高:2995mm ×1295mm ×1655mm ●ホイールベース:1780mm●車両重量:520kg ●駆動方式:ミッドシップエンジン・リヤドライブ●乗車定員:2名●エンジン:強制空冷4サイクル2気筒SOHC 354cc ●最高出力:30PS/8000rpm●最大トルク:3.0kg-m/5500rpm●最小回転半径:3.8m ●燃料タンク容量:26L●変速機:前進4段後進1段●サスペンション(前/後):マクファーソン・ストラット式独立懸架/半楕円板バネ●タイヤ(前・後):5.00-10-4PR  ○価格:31万5000円(バモス2)/34万5000円(バモス4)

―― 居住空間のみを幌で覆ったハーフホロ仕様(バモス4)。

―― 居住空間はもちろん荷室全体に幌で覆ったバモスフルホロ。

軽トラックTN360のボディを取り去ったフルオープンマルチパーパスカーだった

ホンダZの誕生と時を同じくして鮮烈なデビューを飾ったのが、個性の塊とも言えるバモスホンダである。ベースとなっているのは、主力の商業車である軽トラックのTN360。キャブオーバースタイルのボディを取り去り、これに代えて割り切りの強いフルオープンのスクエアなボディを被せた。

北米で人気の高かったバギーをホンダ流に味付けした、「乗る人にその使い方を任せる」という新しい発想のマルチパーパスカーで、リヤはもちろん、フロント側にもドアはない。サイドパネルをまたいで乗り降りを行い、走行するときはバーを下げて落ちないようにする。頭を保護するのは、コの字型の細いロールバーだけだ。

小さいながらも、さまざまなアイデアが満載されたクルマだったのだ

バンパーと荷台にはガード用のバーが付き、丸形ヘッドライトの間にスペアタイヤを組み込みんだ爽快なフルオープン構造だが、キャビンをカバーするソフトトップを装備している。フロントシートだけの2人乗りとリヤシートを装備した4人乗りの2種類が用意されていた。ちなみにフロントパネル上のスペアタイヤは衝突時の乗員保護の役割を果たし、小さなボディながらさまざまなアイデアが満載されていた。

さらに、フルオープンということでメーター、スイッチ、シートは防塵・防水処理され、キーを抜けば自動的に作動するステアリングロックで盗難防止が図られた。

ただし、メカニズムのほとんどはTN360のもので、搭載された2気筒は、ホンダ最後の空冷エンジンであった。斬新なデザインでユーザーからの期待度は高かったが、悪路走破に強い4WDモデルがなかったこともあり、販売は低調に終わった。

―― 4人乗り「バモス4」は、後部座席の背もたれ部分までホロが設定されている。リアシート使用時は、奥行き1m程度の荷室だが、荷室床は、タイヤハウスの張り出しもなく、完全フラットとなっている。

―― むき出しのメタルパネルに計器を埋め込んだ運転席。キー付きグローブボックスやハンドルロック機能もあり。

―― ボディ両サイドに設けられたユーティリティカバー。ボディ右側はガソリンタンク、左側はバッテリーが設置されている。

―― フロントバンパー上部にガード用バーを装備するほか、フロントに設置された予備タイヤは、衝突時に乗員を保護する緩衝材の役割を担っていた。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

5ドアのファミリーカーとして「MINI COOPER C」をおすすめしたい理由
5ドアのファミリーカーとして「MINI COOPER C」をおすすめしたい理由
@DIME
「ロータリーエンジンのための専用設計」リアルスポーツとして世界を魅了し欧米で大ヒット。一方で「プアマンズ・ポルシェ」という不名誉なあだ名で呼ばれることも…。
「ロータリーエンジンのための専用設計」リアルスポーツとして世界を魅了し欧米で大ヒット。一方で「プアマンズ・ポルシェ」という不名誉なあだ名で呼ばれることも…。
月刊自家用車WEB
直5エンジンを縦置きしたのにFFってどういうこと? ホンダらしい謎のこだわりが生んだ「アコードインスパイア」&「ビガー」
直5エンジンを縦置きしたのにFFってどういうこと? ホンダらしい謎のこだわりが生んだ「アコードインスパイア」&「ビガー」
WEB CARTOP
「ファンでも意外と知らない」少し長めの正式な車名。よろしくメカドックに登場して人気が再燃。旧車界隈でも再評価が高まるホンダのクルマを紹介。[ホンダ CR-X]
「ファンでも意外と知らない」少し長めの正式な車名。よろしくメカドックに登場して人気が再燃。旧車界隈でも再評価が高まるホンダのクルマを紹介。[ホンダ CR-X]
月刊自家用車WEB
クルマ選びは自由でいい!わがままに、自分のために選びたい輸入車10選
クルマ選びは自由でいい!わがままに、自分のために選びたい輸入車10選
グーネット
「スバルに幻の名車が存在!」「社名の由来にもなった」わずか10台…タクシーとしてして使用されていたことも…。貴重なモデルを紹介
「スバルに幻の名車が存在!」「社名の由来にもなった」わずか10台…タクシーとしてして使用されていたことも…。貴重なモデルを紹介
月刊自家用車WEB
102万円で買える! ダイハツ最新「ハイゼットトラック」がスゴイ! “便利&安全”に進化した「軽トラックの皇帝」に注目! “めちゃ広ッ荷台”も魅力のシンプルな「ハイゼットトラック」最安モデルとは?
102万円で買える! ダイハツ最新「ハイゼットトラック」がスゴイ! “便利&安全”に進化した「軽トラックの皇帝」に注目! “めちゃ広ッ荷台”も魅力のシンプルな「ハイゼットトラック」最安モデルとは?
くるまのニュース
「こんなのアリ?」「軽自動車が和室に」車内に畳が敷かれた…スズキ・エブリイがベースの軽キャンパー。
「こんなのアリ?」「軽自動車が和室に」車内に畳が敷かれた…スズキ・エブリイがベースの軽キャンパー。
月刊自家用車WEB
朗報!ホンダのスポーツクーペ、プレリュードが20年以上の時を経てハイブリッドクーペとして戻って来る!全ての情報!
朗報!ホンダのスポーツクーペ、プレリュードが20年以上の時を経てハイブリッドクーペとして戻って来る!全ての情報!
AutoBild Japan
660ccのダイハツ「小さな高級車・タントエグゼ」に反響多数!「シートが最高!」「しかも燃費もいい」と絶賛! めちゃ上質な「オトナの軽自動車」は後継モデルに期待の声も!
660ccのダイハツ「小さな高級車・タントエグゼ」に反響多数!「シートが最高!」「しかも燃費もいい」と絶賛! めちゃ上質な「オトナの軽自動車」は後継モデルに期待の声も!
くるまのニュース
「やっちゃえ日産」本当にやってくれた!心にグッとくる車中泊モデルは、まさに「マイルーム」。
「やっちゃえ日産」本当にやってくれた!心にグッとくる車中泊モデルは、まさに「マイルーム」。
月刊自家用車WEB
「広さ、積載力、強すぎる…」フルフラット最高、やっぱりトヨタ・ハイエース。最強の車中泊を楽しみたいキャンピングカー。
「広さ、積載力、強すぎる…」フルフラット最高、やっぱりトヨタ・ハイエース。最強の車中泊を楽しみたいキャンピングカー。
月刊自家用車WEB
【アップデート情報!】50年以上メルセデス・ベンツSクラスは威風堂々と街中を走り続けている 現行W223モデルの包括的な技術アップデート情報!
【アップデート情報!】50年以上メルセデス・ベンツSクラスは威風堂々と街中を走り続けている 現行W223モデルの包括的な技術アップデート情報!
AutoBild Japan
アメリカ生まれアメリカ育ち!! バイクの王様ホンダ「ゴールドウイング」 高速から長距離ツアラーへの華麗なる転身
アメリカ生まれアメリカ育ち!! バイクの王様ホンダ「ゴールドウイング」 高速から長距離ツアラーへの華麗なる転身
バイクのニュース
【台湾】リッター約58km走る! スズキ「SUI」に注目! カクカクデザイン×昭和レトロが最高! 「軽自動車」から“インスピレーション”を受けた「原付2種スクーター」とは
【台湾】リッター約58km走る! スズキ「SUI」に注目! カクカクデザイン×昭和レトロが最高! 「軽自動車」から“インスピレーション”を受けた「原付2種スクーター」とは
くるまのニュース
SUVのクラウン登場!! ついに発売のクラウンエステート! どんなクルマになった?
SUVのクラウン登場!! ついに発売のクラウンエステート! どんなクルマになった?
ベストカーWeb
ホンダ「リード125」【1分で読める 原付二種解説 2025年現行モデル】
ホンダ「リード125」【1分で読める 原付二種解説 2025年現行モデル】
webオートバイ
侮れない選択肢──新型スバル フォレスターSPORT EX試乗記
侮れない選択肢──新型スバル フォレスターSPORT EX試乗記
GQ JAPAN

みんなのコメント

3件
  • tom********
    子供の頃に空き地に放置車両のバモスがありました
    いつも乗って遊んでました
    もう50年ほど昔
    その頃ですでにボロボロで錆びだらけで幌はなくてタイヤは空気が抜けてペタンコでした
    今動いてる個体は凄いと思う
  • 藍流頓瀬奈
    実はハマる人にはハマるクルマ。
    果樹園で枝や果実にぶつけず乗り回すには良かった。
    同じように屋根を切り落とした軽トラを農園内だけで使っている例もあるがその形で市販しちゃったのは時代ゆえのおおらかさか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

132 . 0万円 151 . 4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4 . 8万円 188 . 9万円

中古車を検索
ホンダ バモスの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

132 . 0万円 151 . 4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4 . 8万円 188 . 9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村