日産アリアに注目 果たして価格は?
text:Kenji Momota(桃田健史)
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editor:Taro Ueno(上野太朗)
2021年は、日本でも新型EVが続々登場し、一気にEVシフトが進むという見方がある。
その一方で、「EVの早期普及はまだまだ難しい」という意見を持っているユーザーも少ないのではないだろうか?
本当に日本で、EV普及は進むのか?
メーカー側の思惑と、EVに関するユーザー向け最新アンケート調査の結果を照らし合わせながら、EV普及の可能性について考えてみたい。
新型EVの筆頭は、2021年秋に発表・発売開始予定の日産「アリア」だ。
すでに「ほぼ量産」の状態で、横浜の日産グローバル本社ギャラリーに展示され、車内に乗り込むこともできる。
日産は「アリア」を旧ゴーン体制を刷新した事業再生計画「ニッサン・ネクスト」の目玉として位置づけており、日本を含めてグローバルで積極的に販売促進活動をおこなう。
普及させるためには当然、価格がリーズナブルである必要があるが、現時点で発売価格は未公開ながら、これまで公開されている「アリア」関連のデータを「リーフ」のスペックデータと照らし合わせると、「アリア」は「リーフ」の2倍相当の800万円前後を連想する人が多いのではないだろうか。
果たしてそんな高値でユーザーは納得するだろうか?
「アリア」のライバルになるであろう、米フォードの「マスタング・マッハE」のベースモデルが結構安い……。
軽EVでも250万以上? まだまだ高いEV
「マスタング・マッハE」エントリーモデルは満充電で約368km走行できて、価格が4万2895ドル(472万円)である。
そのため「アリア」はエントリーモデルで5万ドル(500万円前後)の値付けが予想され、そうなると「リーフ」の上位モデルとの棲み分けも必要になる。
また、日産の内田誠社長は2021年5月にオンラインで実施した決算報告で「軽EVを2021年中に発売する」と明言している。
2019年の東京モーターショーで世界初公開された「IMk」の量産モデルだ。
こちらも価格は未定だが、軽EVとして現在(2021年6月)に発売中の三菱「ミニキャブ・ミーブ」が243万円であるが、「IMk」が上質な軽EVというコンセプトを持つことから、日産の軽EVも250万円以下で価格設定をすることは難しいのではないだろうか。
日産のほか、日系メーカーで日本発売中のEVは、ホンダの「ホンダe」が451万円、マツダ「MX30 EVモデル」も451万円と、同クラスのガソリン車やハイブリッド車を比べるとまだまだ高値である。
こうしたEVの価格を含めたEVの現状について、ユーザーはどのような感想を持っているのか?
この点について、「タイムズ」ブランドで駐車場管理や、レンタカー事業(旧マツダレンタカー)を展開する企業として知られるパーク24が大規模なアンケート調査をおこなっている。
EVに関するアンケート PHEVよりEVに興味?
パーク24ではタイムズ事業を通じた872万人(2021年3月末現在)の会員に向けた会員制サービス「タイムズクラブ」を展開しており、その一環として会員に各種のアンケート調査を毎月おこなっている。
最新のアンケート調査は「EV」に特化した。
アンケート回答者で現状では自家用車を持っている(保有率)は58%。
そのうえで、保有車両の内訳は、ガソリン車が72%、次いでハイブリッド車が17%、そしてハイオクのガソリン車が15%となった。
次に、「(純)ガソリン車以外のクルマの購入を検討したことがある」と回答したのは、全体で55%とほぼ半数で、クルマを保有している人では61%、またクルマを所有していない人では47%となった。
では「購入を検討したことのある(純)ガソリン車以外のクルマの種類」を複数回答可として聞くと、全体では71%がハイブリッド車、31%がEV、プラグインハイブリッド車が14%、そして水素自動車(燃料電池車)が7%という結果になった。
自動車メーカーの技術者の多くは、クルマの電動化はハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、そしてEVという段階的な普及をイメージしてきたが、今回のアンケート調査では、ユーザーはプラグインハイブリッド車よりEVに対する関心が高いという興味深い結果となった。
EV いくらなら購入を検討する?
次に「EV(車体価格)がいくら以下なら購入を検討するか」と質問している。
これは、「EVがどのようになったら購入を検討するか」という問いに、「価格が手頃になったら」と回答者が対象だ。
その結果、トップは200万円以下(28%)で、ついで150万円以下(22%)、300万円以下(16%)、250万円以下(15%)、100万円以下(11%)、350万円以下(4%)、400万円以下(3%)とつづき、500万円以下と501万円以上は0%だった。
回答したユーザーの年齢層、性別、居住地、年収など特性は公開されていないが、日頃タイムズの各種サービスを使う幅広い層の人たちだ。
そうした人々がEVの価格に対して軽自動車やBセグメント(小型ガソリン車/小型ハイブリッド車)に相当する価格帯が妥当だと考えているという、貴重なデータだと思う。
一方で、テスラに代表されるプレミアムEVを好む富裕層が徐々に増えていることもたしかだ。
こちらのトレンドについては、ボルボが2030年、そしてジャガーが2025年に完全EVブランドに転身することを公表するなど、今後さらにEV専用の高級ブランドが登場する可能性がある。
こうした日本と海外のメーカーのEV商品戦略と、日本のユーザーの本音と照らし合わせると、EVは当面、大衆モデルと高級モデルの二極化が進むことが予想される。
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みんなのコメント
つまり日本人は貧乏になったって事。
それを無視して、現状、EVは、まだ金持ち用だから、購入希望価格を聞いてもムダだろう。