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信頼関係の深さはCSL以上 BMW M4 CS(2) サーキットで顕になるコンペとの差

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信頼関係の深さはCSL以上 BMW M4 CS(2) サーキットで顕になるコンペとの差

スーパーカー級の加速 8速ATの厳選ギア比

BMW M4 CSLと同じ、550psと66.1kg-mを得たM4 CS。0-100km/h加速は、われわれの計測で3.1秒を記録した。数字通り、速さは衝撃的。四輪駆動システムも、圧倒的な動力性能へ大きく貢献している。

【画像】CSLと同じ550psに−50kgのボディ BMW M4 CS 競合クラスの有能クーペたち 全139枚

48km/hから112km/hへの中間加速は、2.5秒とスーパーカー級。ポルシェ911 GT3より、0.2秒鋭い。1.8t近い車重を感じさせないほど。ジャイアントキラーと呼ぶには大柄で高価だが、まさにそんな印象を与える。

ZF社製の8速ATはギア比が厳選され、印象的な加速に繋げている。システム任せでも軽快で巧妙に変速を処理し、シフトパドルを弾けば即座に応えてくれる。レッドラインの7200rpmまで引っ張っても、勝手にシフトアップしないのもうれしい。

ステアリングホイール上には、赤く塗られたM1とM2のスイッチ。シャシーとパワートレインの特性を任意に登録でき、状況に合わせて即座にモードを切り替えられる。狙い通りの変速制御も、一発で呼び出せる。

M4 CSL以上に信頼関係を築きやすい

ブースト圧が上昇した直列6気筒エンジンは、リニアでレスポンシブ。2500rpm以上でターボが威力を発揮し、本格的にパワーが湧出する。ただし、個性は若干希薄。サーキットでは、911 GTSに載る3.6L 水平対向6気筒の方が、充足感は高いだろう。

タイヤは、コース上を意識したミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2も指定できるが、試乗車はパイロットスポーツ 4Sを履いていた。よりロードカー寄りのチョイスで、公道での扱いやすさを高めていた印象。

滑らかな路面なら、足さばきは驚くほどしなやかで、積極的にコーナーへ突っ込める。ボディロールは限定的でありつつ、荷重移動を捉えやすく、M4 CSL以上に信頼関係を築きやすい。公道をこれ以上迅速に処理できるモデルは、極めて限られるはず。

反面、劣化したアスファルトでは、M4 コンペティション以上に乱れがち。チャレンジングな区間での敏捷性を求めると、サスペンションを引き締めたくなるが、代償として落ち着きは低くなる。それでも、ボディの上下動が完全に鎮められるわけではない。

サーキットで顕になるコンペとの違い

運転体験は、総じてグランドツアラー寄りで、速度域の高いルートとの相性が優れる。稀に現れるタイトコーナーでは、アクセルペダルの踏み込み次第でシャシーの余力を引き出せる。これは、M4 コンペティションでも同様だが。

サーキットへ足を進めれば、見事な操縦性と落ち着いた身のこなしで、M4 CSとしての違いが顕になる。BMWの意図通り、シリアスなインテリアへふさわしく、後輪駆動モードの能力が引き出される。

フロントタイヤはしっかり路面を捉え、驚くほど滑らかにテールスライドを誘いやすい。とはいえ、パイロットスポーツ 4Sはすぐに熱ダレしてしまう。この環境では、耐性の高いカップ2タイヤへ履き替えたい。

燃費は、高速巡航で11.5km/Lに届いていた。英国ロンドンからドイツ・ニュルブルクリンクまで、無給油で目指すことも不可能ではない。

サーキットで楽しめ、全天候へ対応できるクーペ

振り返ってみると、先代のM5 CSはM5 コンペティションをあらゆる面で凌駕していた。より高速で柔軟で、コミュニケーション力に長けた、画期的なスーパーサルーンだった。新しいM4 CSも、概ねその期待へ応えている。

直6ツインターボエンジンは凄まじく強力ながら、求めれば優しくも反応してくれる。とてつもなく速く、M4 CSLよりシャシーの挙動は予想しやすい。ただし、部品の総和以上の体験という、M5 CSのようなマジックまでは叶えられていない。

英国価格は、カーボンセラミック・ブレーキが標準だったM4 CSLへ迫り、M4 コンペティションより30%お高い。だが、公道との親和性が高くサーキットでも楽しめ、全天候へ対応できるクーペは、高度な911を除いて極めて珍しい。

◯:スーパーカー級に速い 安定した走りで公道とサーキットに対応するエンターテインメント性 優れた人間工学 大人4名で移動できる
△:M4 コンペティションと公道での違いは限定的 お高めのお値段 小物入れに乏しい車内 通常のM4より落ち着かない乗り心地

BMW M4 CS(英国仕様)のスペック

英国価格:12万2685ポンド(約2392万円)
全長:4801mm
全幅:1918mm
全高:1388mm
最高速度:302km/h
0-100km/h加速:3.1秒
燃費:9.9-10.0km/L
CO2排出量:19-23g/km
車両重量:1760kg
パワートレイン:直列6気筒2993cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:550ps/6250rpm
最大トルク:66.1kg-m/2750-5950rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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