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1.2ℓNA4気筒グレードを試乗評価 スズキ・スイフト 手ごろなドライビングファン

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1.2ℓNA4気筒グレードを試乗評価 スズキ・スイフト 手ごろなドライビングファン

もくじ

どんなクルマ?
ー スズキが期待を寄せる1.2ℓ自然吸気4気筒
どんな感じ?
ー 小さなマスが生むコーナリング性能
ー インテリアに不満はあるも、扱いやすいパワー特性
「買い」か?
ー 運転の楽しさを手ごろな価格で
スペック
ー スズキ・スイフト1.2デュアルジェット・アティテュードのスペック

国内試乗 マツダ3(新型アクセラ) 1.8ディーゼル/セダン2.0ガソリンを評価

どんなクルマ?

スズキが期待を寄せる1.2ℓ自然吸気4気筒

スズキは今回追加となった新グレード、スイフト1.2デュアルジェット・アティテュードにかなり期待を寄せているようだ。スズキにとって、A-Bセグメントに相当するスーパーミニと呼ばれるカテゴリーでの特別仕様車には、文字通り特別な意味が込められている。それは前例での大きな成功が深く記憶として刻まれているためだろう。メーカーによれば、アティテュードの英国での来年度までの販売割合は、スイフト全体の40%を占めるだろうと予測している。

1万4599ポンド(211万円)のプライスタグを下げるアティテュードのベースとなっているのは、中間グレードのSZ-Tがベース。しかしスポーティな雰囲気のボディキットに16インチ・アルミホイール、フロントバンパー下のスプリッターやメッシュ状になったフロントグリルなどが追加されている。シンプルで美しいスイフトに、適度なランニングウェアをまとったような容姿だと思う。

一方で、標準のSZ-Tグレードの場合、1.0ℓのターボ加給される3気筒ターボエンジン、通称「ブースタージェット」が搭載されていた。しかし新グレードのアティテュードに搭載されているのは、1.2ℓの自然吸気4気筒エンジン「デュアルジェット」。エントリーグレードのSZ-3にも採用されているものとなる。フロントタイヤを駆動し、5速マニュアルが組み合わされる。

ブースタージェットが111psを発生させるのに対し、デュアルジェットは90ps(日本仕様では102psと91ps)。最大トルクも12.1kg-mとなっており、額面上はだいぶ差があるように思える。一方で車重は980kgに抑えられており、ターボモデルより軽量に仕上がっている。

期待のグレードの仕上がりを確かめてみよう。

どんな感じ?

小さなマスが生むコーナリング性能

スズキ・スイフトといえば先代からドライビングファンなクルマなことで定評がある。軽量で過度に熱くなりすぎない、程良さが魅力で、それはアティテュードでも変わらない。しかし、シャシーやサスペンション、ステアリングレシオなどのメカニカル部分では変更も加えられていないから、当然ながら新しい驚きがあるわけでもない。

ステアリングは程よい軽さがあり、特にコミュニケーション性が優れているわけではないものの、レスポンスはいい。ステアリングを切るほどに、心地よくフロントタイヤが進路を変えていく。短いホイールベースに軽量な車重が組み合わさり、単に俊敏性で優れているだけでなく、思わず走りに夢中になれる素質を持っている。

小さなマスのおかげで、コーナリング性能はとても高い。コーナーを回り込んでいく中で、最後の切り増しも受け入れてくれるし、積極的にクイックなステアリング操作を加えても、しっぺ返しを食らう不安も少ない。運転スタイルには好みがあるとは思うが、楽しいと感じられるものだと思う。

ただし、アティテュードはホットハッチではない。限界領域の高さや、磨き込まれたダイナミクス性能とう点では、フォード・フィエスタには及ばないことは確か。しかし、ずっと手軽に郊外のカーブが続く道を飛ばして走る楽しさを味わえるコンパクトカーであることは間違いない。

インテリアに不満はあるも、扱いやすいパワー特性

1.2ℓの自然吸気だから、流石に直線のダッシュ力は心もとない。0-100km/h加速に要する時間は11.9秒。だが実際にフルスロットルを与えて加速させると、明確に力不足を感じるほどではないところが面白い。1tを切る軽量な車重が与えてくれるアドバンテージが感じられる。現実環境においては、1.2ℓターボから同等の動力性能を得ようとすると、それなりに一生懸命な操作が求められるところだ。

特に低回転域での力強さは、ターボエンジンでは得られない特性。活発に走らせようとするとマニュアルのシフトノブを頻繁に操作し、思っている以上に長めにアクセルペダルを踏んでいる必要がある。デュアルジェットのピークトルクは4400rpmに設定されているが、ずっと扱いやすい。

フォルクスワーゲン・ポロ1.0エボに搭載されているユニットのような、明確な性格を持ち合わせていない自然吸気エンジンの場合も、パンチ力に欠けることが原因でフラストレーションが溜まるものではある。充分に引き出すには、ドライビングスキルもそれなりに求められる。しかしスイフトの場合はパワー感がちょうど良く、遊び心を充分に満たしてくれる性格付けになっている。また4000rpmを超えたあたりからのパワー感にも感心する。味わえる時間は短時間だが、スルスルとクルマを引っ張ってくれるのだ。

従来どおり、インテリアに高級感というものは備わっていない。硬質で暗い配色のプラスティックに溢れ、ルックスも美しいとはいえない。インフォテインメントシステムのソフトウエアも、先出の2台のライバルと比較すると見劣りする部分ではある。

ステアリングコラムのテレスコピック方向の調整しろの少なさは、改善を求めたい部分。乗り心地の面では、確かにポロやフィエスタと並ぶレベルの洗練性を得ているとはいえない。だが、目くじらを立てるほどでもないし、リアシートの広さは満足できるものだ。

「買い」か?

運転の楽しさを手ごろな価格で

コンパクトカーながら、ブランド力やプレミアムな雰囲気を求めているのなら、スズキ・スイフト・アティテュードから得られるものは少ないだろう。その条件ならフォルクスワーゲン・ポロをお勧めするところだが、その分の価格もしっかり上乗せされていることをお忘れなく。

一方でクルマとしての純粋な魅力や、毎日運転する楽しさという点を重視するのなら、スイフトは検討候補にぜひ加えたいモデルだ。確かにフォード・フィエスタほどドライビングの楽しさが得られるわけではないのだが、その分価格も高い。最も安価なグレードであっても、フィエスタはスイフトより1100ポンド(16万円)ほど追加資金が必要となる。

また3年間/5万8000kmの残価設定リースでの契約の場合でも、毎月の支払額は40ポンド(6000円)ほど違ってくる。毎月のガソリン代が浮くかもしれない。スーパーミニと呼ばれるカテゴリーでは、この価格差は小さくないのだった。

スズキ・スイフト1.2デュアルジェット・アティテュードのスペック

■価格 1万4599ポンド(211万円)
■全長×全幅×全高 3840✕1735✕1495mm
■最高速度 178km/h
0-100km/h加速 11.9秒
■燃費 18.2km/ℓ(WLTP複合)
■CO2排出量 124g/km(WLTP)
■乾燥重量 980kg
■パワートレイン 直列4気筒1242cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 90ps/6000rpm
■最大トルク 12.1kg-m/4400rpm
■ギアボックス 5速マニュアル

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