登場以来、控えめな欧州での販売台数
執筆:Illya Verpraet(イリヤ・バプラート)
【画像】マイナーチェンジ トヨタ・カムリ 欧州のミディアム・サルーンと比較 全118枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
トヨタ・カムリは普段、ほとんど話題に上がらないかもしれない。現行型が欧州へ上陸してから数年が経つ。それ以来、トヨタの4ドアサルーンの販売台数は控えめなままだ。
もっとも、トヨタ自身も北米と同様の人気を、欧州市場で獲得できるとは考えていなかったはず。この地で大型サルーンが選ばれる場合は、基本的にプレミアム・ブランドが中心となる。
北米市場を前提に生まれたカムリとはいえ、新鮮さを保つためにトヨタはアップグレードを欠かさない。2021年に加えられた変更で、BMW 5シリーズ並みの支持を得ることはないにしろ、従来までの弱みを上手にカバーしている。
その中心といえるのが、中級グレード以上での、9.0インチという大画面タッチモニターの獲得。便利なショートカットキーも付いている。エントリーグレードでは7.0インチのままだが、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには対応した。
アダプティブ・クルーズコントロールと車線維持支援システムも搭載する。高速道路なら、半自律運転が可能となる。
見た目では、フロントグリルとヘッドライトの造形が新しくなった程度。アルミホイールも、新デザインが用意された。
今回試乗したのは、上級のエクセル・グレード。こちらにはベンチレーション機能付きのシートに、ヒーター内蔵のステアリングホイール、スマホのワイヤレス充電機能、360度カメラなどが装備される。
従来どおりコストパフォーマンスに優れる
パワートレインに変更はない。トヨタでは定番といえる、自己充電式のハイブリッドを搭載する。カムリの場合、2.5Lの4気筒ガソリンエンジンが178psを発生。遊星ギア付きの電気モーターがアシストする。
またハイブリッドシステムはCVTと一体になっており、前輪を駆動。システム総合での最高出力は218psで、充分な数字といえるだろう。
トヨタ・カムリは、コストパフォーマンスに優れることは従来どおり。エントリー・グレードの英国価格は、3万2260ポンド(490万円)から。エクセルの場合は、3万4830ポンド(529万円)からとなる。
同じ金額でBMWのサルーンを選ぶなら、非常にベーシックな320iが良いところ。装備は簡素なものに限られてしまう。
新しいインフォテインメント・システム用モニターは、ダッシュボードの上部へ誇らしげに据えられた。カムリのインテリア全体の眺めを、少し現代的に見せている。
正直、システムのソフトウエアは少々時代遅れな感じはある。それでも反応自体は軽快で、スマートフォンとのミラーリング機能に対応するから、多くの人はそれほど不便を感じないはず。
アップル・カープレイとアンドロイド・オートは、どちらも有線での対応。ワイヤレス充電パッドは、期待ほど効果的とはいえなさそうだ。
運転が好感触になるエコ・モード
車内の居心地は、従来から大きく進化はしていない。とはいえ、ベンチレーション機能の付くレザーシートは豪華。ヒーター内蔵のステアリングホイールは、冬場にうれしい。リアシートには、大人が2名快適に座れる。
荷室容量も大きい。インテリアの素材に安っぽいものが混在しているが、乗ってしまえばさほど気にはならないかもしれない。
燃費も、普通に走って16.0km/L前後が得られる。CVTには、トヨタのハイブリッドらしいラバーバンドが残っているが、燃費を考えれば納得するオーナーもいると思う。
市街地をゆったり流している範囲では、パワートレインのフィーリングは良く静か。それ以上のパワーを求めると、やや賑やかなノイズを放ってしまう。
エコ・モードが付いているが、カムリはそのボタンを押すと運転が好感触なものになる、数少ないモデルの1台。エコ・モードでは、遅いと感じさせないほどにエンジンが頑張らなくなるためだ。
ステアリングホイールには、シフトパドルが追加された。ドライバーが望めば、擬似的に6段階に設定されたギア比を選択できる。ただし、より効率的にカムリを走らせたいなら、CVT任せの方が良いはず。
シャシーの洗練度は今ひとつ。英国の路面状態では、やや浮ついたような感覚が強い。舗装の剥がれた穴の存在も明確に伝わり、ロードノイズも思ったより車内へ届くようだ。
風切り音の遮断は充分。若干スムーズさには欠けるが、アダプティブ・クルーズコントロールを活用すれば、リラックスして高速道路を巡航できる。
総合力で一考する価値はある
北米市場を強く意識した、トヨタ・カムリ。欧州市場で比べると、やや洗練度が劣るように感じられてしまう。しかし、この価格帯で選べる4ドアサルーンとしては特に車内空間が広く、標準装備も驚くほど充実している。
それでいて、ハイブリッドの燃費性能にも感心させられる。カムリを一考する価値はあるだろう。
マイナーチェンジの内容は、飛躍的とまではいえない。だがインフォテインメント・システムのアップデートは、トヨタ・カムリにとって大歓迎と呼べるものだと思う。
トヨタ・カムリ・エクセル 2.5ハイブリッド(英国仕様)のスペック
英国価格:3万4830ポンド(529万円)
全長:4885mm
全幅:1840mm
全高:1445mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:8.3秒
燃費:18.1km/L
CO2排出量:125g/km
車両重量:1595kg
パワートレイン:直列4気筒2487cc自然吸気+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:218ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT
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