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究極の308 GTB 2005年まで継続のアヴァンティ 無名から伝説まで FRPボディの珍車・名車(3)

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究極の308 GTB 2005年まで継続のアヴァンティ 無名から伝説まで FRPボディの珍車・名車(3)

フェラーリ308 GTB ヴェトロレジーナ(1975~1977年)

スポーツカー・ブランドの頂点に輝くフェラーリだが、308 GTBの究極といえるのが、初期に提供されたFRP製ボディの「ヴェトロレジーナ」だろう。1977年にスチール製ボディへ変更されるまでの2年間に、808台が提供されている。

【画像】コルベットにRS 200、BMW M1 無名から伝説まで FRPボディの珍車・名車たち 全107枚

2+2のグランドツアラー、ディーノ308 GT4に対する市場の冷淡な反応を挽回すべく、生み出されたのが流麗なスタイリングの308 GTBだ。FRP製ボディは、ミドシップ・クーペを短時間で実現する、好適な手段になった。

製造品質は高かったものの、スチール製やアルミ製ほど高級感はなく、パネルの軋む音へ不満を寄せる顧客は少なくなかった。錆びにくく、150kgも軽く仕上がっていたが。ちなみにドライサンプ・エンジンは、後期型より約10psほどパワフルでもあった。

★マニアな小ネタ:308 GTB ヴェトロレジーナは、FRP製ボディを持つ唯一の量産フェラーリ。その後、FRP製ボディのレプリカにフェラーリは強硬な姿勢で対応している。

アウトビアンキ・ステリーナ(1963~1965年)

小さな2シーター・バルケッタが、ほぼ無名のアウトビアンキ・ステリーナ。フィアット・グループだけでなく、イタリア車としても初のFRPボディ・モデルだった。エンジンは767ccで、発表は1963年のイタリア・トリノ。1964年に発売されている。

スタイリングは、ファビオ・ルイージ・ラピ氏とトム・ジャーダ氏によるもの。アウトビアンキはFRPの剛性を不安視し、ボディシェルは必要以上に強固に作られている。シャシーはフィアット600Dの改良版で、最高速度は114km/hが主張された。

ステリーナの価格は極めて高く、生産は2年間で終了。502台しか販売されていない。安価で美しい、フィアット850 スパイダーの発売がとどめを刺したといえる。

★マニアな小ネタ:アウトビアンキは1955年創業のイタリア・ブランドで、フィアットにとっての実験部門的な立場にあった。前輪駆動モデルも、ひと足先に量産している。

ボルボP1900(1956~1957年)

1950年代初頭に、アメリカでのブランドイメージ向上を目的に作られたのが、オープン・スポーツカーのP1900。FRP製ボディへの造詣が深かったビル・トリット氏によるスタイリングが、スチール製シャシーを覆った。

1956年に生産は始まるが、FRP製ボディは製造品質の管理が難しく、問題が多発。1.4Lエンジンは、充分な動力性能を発揮しなかった。ベースはボルボPV444という名のサルーンで、1957年までの生産数は67台に留まり、殆どがスウェーデンに納車された。

★マニアな小ネタ:P1900を提案した人物は、シボレーの工場を訪れた経営者の1人、アッサー・ガブリエルソン氏。FRPボディのコルベットを目撃したことが、きっかけだったという。

スチュードベーカー・アヴァンティ(1962~1963年)

今はなきアメリカのスチュードベーカーは、1961年に経営不振へ陥り、ブランドの再起が求められた。そこで新社長へ就任したシャーウッド・エグバート氏は、数週間という短時間で、まったく新しいグランドツアラーの構想を練りあげる。

このアイデアを共有した友人の工業デザイナー、レイモンド・ローウィ氏は、1か月で美しいクーペを創出。1/8スケールのモデルはすぐに承認され、1962年のニューヨーク・モーターショーでお披露目されると、大きな注目を集めた。

未来的なFRP製ボディのアヴァンティには、処理しきれない注文が殺到。当初は社外へ生産を委託していたボディは、すぐに自社生産へ切り替えられた。

しかし、納車の遅さを理由にキャンセルは止まらなかった。スチュードベーカーは資金繰りが悪化し、クリスマスが目前に迫った1963年12月、約4650台がラインオフした時点でアヴァンティは生産中止に。インディアナ州の工場も、閉鎖に至った。

★マニアな小ネタ:スチュードベーカーのディーラーだった2社が協力し、1965年からアヴァンティは再生産されている。断続的に、2005年まで提供は続いた。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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