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【12月発表&先行予約開始!】新型ヤリスの走りはどう変わったのか!?

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【12月発表&先行予約開始!】新型ヤリスの走りはどう変わったのか!?

 2019年10月16日に世界初公開された、トヨタの新たな世界戦略車「ヤリス」。12月中旬に正式発表がなされ、2020年2月中旬発売開始となる。価格はまだ非公開だ。

 トヨタが「ヴィッツ」という車名を捨ててまで挑んだ新型車。最大のライバルである、ホンダの新型フィット(2020年2月発売予定)とはカテゴリーでも、発売月でもガチンコ対決となるので、注目している人も多いだろう。

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 今回は、そのプロトタイプモデルに試乗する機会を得たのでレポートしたい。チェックしたのは松田秀士氏。サーキット走行ではあったが、パワートレーンによる走りの違い、おすすめ具合までチェックした!

文/松田秀士
写真/平野学、TOYOTA

【画像ギャラリー】発表まで待てない! 新型ヤリスプロトタイプの内外装を詳しくチェック!!

■試乗したのは新開発の1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッド

 新型「ヤリス」の試乗会は、袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された。まだプロトタイプなのでクローズドのコースでの試乗だ。

 新型ヤリス、エンジンのラインナップはすべて3気筒で3種類。まず自然吸気1.0Lの「1KR」。こちらはパッソなどにも搭載されているエンジンだ。トランスミッションはCVT(FF)。

 次に、自然吸気の1.5L「M15A」で唯一直噴だ。トランスミッションは、発進ギヤを備えたCVT(FF/4WD)と6速MT(FF)が設定されている。

 そして1.5L+モーターのハイブリッドでベースは同じ1.5Lだが、こちらは直噴ではなくポート噴射(FF/4WD)。4WDはリヤモーターのE-Fourだ。また1.5Lエンジンはすべてアトキンソンサイクル+EGRを採用する。1.0LエンジンにはEGRのみが採用されている。

 とまあ、4気筒エンジンはなくなりすべて3気筒エンジンとなったわけだ。3気筒エンジンはバランスに問題があって振動が出がち。確かに4気筒ほどスムーズではないが、気にならないほどに気持ちよく回るエンジンだ。特に1.5Lエンジンは、6速MTだと7000rpm近くまでストレスなく回る。

 ところで、用意された試乗車は1.0Lエンジンを除く、自然吸気1.5と1.5ハイブリッド。

躍動感、軽快感に踏ん張り感も兼ね備えたスポーティなエクステリアデザイン

ヴィッツ(旧型)。上のヤリスと比較すると、そのデザインの違いがよくわかる

■意外にもコンパクトに感じるボディサイズと、視認性のいいコックピット

 初対面のヤリスで驚いたことは、予想よりもコンパクトだったこと。衝突安全面などからモデルチェンジのたびに太ってゆくモデルが多いなかで、このこじんまり感は意外だった。特にリヤは寸詰まりのようにカットしたデザインなので、より小さく見える。

 実際には全長(3940mm)は5mm短くなっていて、ホイールベース(2550mm)は40mm延びている。全高(1470mm)は30mmも下げられているのだ。全幅は1695mmだ。

旧型に比べて、ホイールベースは40mm延長されている。車重はグレードによるが、ハイブリッドの量販モデルでは従来比50kg、ガソリンモデルでは20~30kgの軽量化を実現した

世界初公開時の取材で判明していた新型ヤリスのスペック(※全高のみ、最新情報に更新)

 インテリアは前席を優先した作りとなっている。そのため後席のスペースはそれほど広くはないが、前席シートバックの形状やボトムエンドを削って足を入れる構造を採用してるので、足元を少し伸ばすことができる。これだけでもかなり余裕ができるもの。後席の居住性もそれほど悪くはないのだ。

 ラゲッジスペースは若干容積が減っているのだが、スペース内の出っ張りがなくなりかえって使いやすくなっているように感じる。

 まずシートに納まり前方を眺める。ダッシュボードが低く前方視認性がかなりいい。最近のモデルは衝突安全や歩行者保護障害対策などが相まって、ダッシュボードの位置が高く特にフロント左端の位置がわかりづらいことが多いもの。

 しかし、新型ヤリスはダッシュボードが低いのだ。もしやシートを高くセッティングしているのでは? と、そんなことはなく逆に35mm下げられ50mm後退しているのだという。つまり、この前方視界の良さはダッシュボードを含めた設計の妙なのだ。

メーターフードを小さくすることでスッキリ感と視界のよさを実現。ステアリング径も小径化している。シフトは誤操作しにくい前後に動くタイプを採用している

 フロントガラス投影式のヘッドアップディスプレーを備えたモデルでも、このダッシュの低さはそのままに低く出っ張りも最小限だ。新開発の双眼メーターは新鮮で、センターのTFTディスプレーよりも双眼メーターの文字を大きくするなど、高齢者でも視認しやすく思いやりを感じる。

 安全装備はトヨタサーフティーセンスを装備。これはACC(レーダークルーズコントロール30km/h以上)に、LTA(レーントレーシングアシスト)の組み合わせに、プリクラッシュセーフティーに新しく追加された交差点右折時の対向車や横断歩道の歩行者を検知するトヨタ初の機能が追加されている。リヤクロストラフィックも採用されている。

 そして高度駐車システムのアドバンストパークは、ブレーキ操作とステアリング操作の両方を自動的に行うもので、こちらも実際に試乗して体験したが、白線のない自宅駐車場にも一度設定すればとてもスムーズで正確な位置に駐車してくれる。駐車速度も3段階に設定できる高度なものだった。

トヨタ初の高度駐車支援システム「Advanced Park」。駐車枠の横に停めてスイッチを押すだけで、カメラが駐車スペースを認識、ハンドル・アクセル・ブレーキを制御(シフト操作は手動)し、自動で駐車する

■シャシー性能が大幅向上! 試乗してわかった2つのパワートレーンの違い

 では、1.5Lハイブリッドモデルから試乗しよう。走り出し感じたのはモーターアシストも相まってとても軽々と加速して行くこと。低中速は本当に扱いやすく、ストレスを感じない。3気筒エンジンの振動も気にならず、アクセルを踏み込めばかなり力強い加速が得られるのだ。

 しかし、驚いたのはコーナーへのアプローチだった。コーナー進入時にはアクセルをOFFにして、そのタイミングでステアリングを切り込むのだが、FFは駆動輪と操舵輪が同一なので、タイヤのキャパをすぐに使い切りアンダーステアーになり駆動もコーナリングもロスを起こしがち。FFのコーナリングでキーとなるのがターンイン初期。コーナリングの始まりで、いかに高いスピードでいかに早く向きを変えるかだ。

新開発の1.5L直3ダイナミックフォースエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドは、モーター出力を30%向上し、伝達損失を30%低減している

 一般的にはここでブレーキを使ってフロント荷重にするのだが、それではタイヤの縦方向のグリップを使いすぎてしまう。そこでタイミングよくブレーキをリリースしながら、まだ前荷重が残っているタイミングでステアリングを切り込む。しかし前荷重の持続性がないので初期はよくても、そのあとイン側フロントタイヤの荷重は抜けがち。

 ところが、ヤリスハイブリッドはバッテリーへの電気の出し入れ効率が上がったことで、これまでの約2倍の回生ブレーキを発生させている。つまりアクセルOFF時に、前輪だけにかかる減速効果が大きくなり、しかも持続性のある前輪荷重が可能となるのだ。

 ブレーキング前荷重にこだわらなくて済むので、横方向のタイヤグリップ(コーナリング)に余裕が生まれ、舵の効きがよくなる。これにはステアリング系(電動パワステ)の剛性アップを見越した進化も見逃せない。これによって初期の向きが変わり、しかもAペックスまでの追舵にもしっかりと反応している。Aペックスまでのコーナリングでクルマの向きがしっかりと変わるので、コーナー出口ではステアリングを戻しながら早くアクセルを開けることが可能だ。

 これに対して、1.5Lモデルではそれほどターンインでの吸い込まれるような軽快感はないけれども、それでも気持ちよく曲がる。特に6速MTモデルは、フロントがより軽いので応答性がいい。

 プラットフォームは、TNGA第4弾となるコンパクト専用プラットフォームの「GA-B」を新開発。車体重量もマイナス50kg。ねじり剛性30%以上アップなど、ドライブし始めてすぐに感じるほどに進化している。

コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム「GA-B」。主要な骨格を連結させることで、クラストップレベルの剛性を実現

 そのサスペンションは実にしなやかに動く。それでいてロールそのものは大きすぎない。具体的には重心高を約10cm下げていて、フロント:ストラット式/リヤ:トーションビーム式(4WDは独立式)のバネ定数をソフトに設定しスタビを強化。サスペンションの摺動抵抗を大幅に低減している。

 新型ヤリスは、これまでのヴィッツに比べて大きく進化している。お薦めのグレードはというと、ハンドリング楽しみたい派には断然1.5Lハイブリッドだろう。けれども、普通に足として使うのならば1.5L仕様で十分だろう。

グレード体系表。1.5Lガソリンエンジンには、iMT(6速MT)が設定される ※ガソリン車の4WDは2020年4月発売予定


WRCベース車であることをアピールするラリー仕様やGRMN仕様の発売が予想される

【画像ギャラリー】発表まで待てない! 新型ヤリスプロトタイプの内外装を詳しくチェック!!

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