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小型バスに中国の影? LG ファーウェイEV参入?? クルマの近未来情報3選

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小型バスに中国の影? LG ファーウェイEV参入?? クルマの近未来情報3選

 ベストカー本誌にて、ハイテクから新サービスまで、あらゆる最新技術を解説している人気連載記事「近未来新聞」。

 今回はこちらから、BYD製ポンチョ登場? EVにLGファーウェイが参戦!!?、エネオスが水素価格を1/3に!? などの話題をご紹介!

日進月歩 切磋琢磨! 各メーカー自動運転技術ランキングを独断で選んでみた 2021年夏版

●トピック 
・小型バスにも中国の影? BYD製ポンチョ登場
・LGにファーウェイもEV参入!? 新規プレイヤーが増加中
・水素価格を3分の1に エネオスの意欲的挑戦
・【番外コラム】アップルカー・自動運転の行方 ウィラーの新しい試み… 20秒ニュース×3

※本稿は2021年5月のものです
文/角田伸幸 写真/Adobe Stock、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年8月10日号「近未来新聞」より

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■小型バスにも中国の影? BYD製ポンチョ登場

 短い移動を担う小型バスとして、あちこちで見かけるようになった日野のポンチョ。このポンチョにZEV(ズィーイーブイ)という電気自動車仕様が登場した。

 正確にいえば、過去にもポンチョのEVは存在したのだが、あくまでディーゼル車を改造したコンバージョンモデル。

 バッテリー容量も小さく、実験的な意味合いが強かったから、今度のZEVこそが初のEV仕様といえるだろう。

日野ポンチョZEV。全長6990mm、全幅2090mm、全高3060mm。定員はシートレイアウトにより約30人。充電はCHAdeMOの急速充電に対応

 それにしても、顔つきからしてポンチョと違うなと思ったら、なんとこのZEV、中国でバッテリーやEVの製造を手掛けるBYD製だった。

 BYDはすでにさまざまな電動バスを販売しているのだが、ポンチョZEVのベースとなったのは「J6」というモデル。ボディサイズのほか、バッテリー(容量105kWh)やモーター(出力161kW)が、ポンチョZEVと共通のようだ。

BYDのJ6。サイズや定員はポンチョZEVとまったく同じだが顔つきが無機質。日本でも販売中だ

 ここまでの経緯から、筆者などは「とうとうポンチョも中国製に……」と早合点してしまったのだが、どうやら日野は、独自のEVポンチョも開発しているらしい。

  ではこのZEVはなんなのかといえば、公共交通機関のCO2削減を急ぎたい自治体向けの応急措置的モデルなのだ。いまや脱炭素は市や町のイメージ作りにも影響するだけに、EVバスの需要は予想以上に高まっているのだろう。

 それにしても乗用ばかりか商用でも中国製EVの存在感が高まっている。日本勢の巻き返しはいかに!?

■LGにファーウェイもEV参入!? 新規プレイヤーが増加中

 EV市場への新規参入が加速している。なかでも大きな流れといえるのが、スマホメーカーの転身だ。

 当連載では過去にもアップルやフォックスコン、シャオミのEV参入を伝えてきたが、ここへきて韓国のLG電子がスマホから撤退し、EVのコンポーネンツ製造に軸足を移すことが明らかになった。

 同社は近くカナダのマグナ・インターナショナルと合弁会社を作り、ドイツのボッシュや日本のデンソーに並ぶ巨大サプライヤーを目指すという。

 確かに同社は、世界屈指の電池メーカーであるLGエナジーソリューションを傘下に持つし、GMのEVプロジェクト「アルティウム」にも深く関わっている。動き方次第では、侮れない存在となることは間違いない。

 もう1社、恐ろしいのが中国のファーウェイだ。昨今の米中分断の余波を受け、スマホではアンドロイド市場から駆逐された同社だが、そこで培った技術をそっくりEVに持ち込み、市場への浸透を図っている。

 ファーウェイは現在、中国のさまざまな自動車メーカーと組み、自動運転やインフォテインメントといった領域をそっくり請け負う戦略をとっている。

 同社はこれを「HI(ファーウェイ・インサイド)」と呼んでいるのだが、すでに複数のクルマが試作段階にあるようだ。

 ますます混迷を深めるEV産業。はたして勝者は?

写真はHI(ファーウェイ・インサイド)の「アークフォックス・アルファS」。上海モーターショーに出展

■水素価格を3分の1に! エネオスの意欲的挑戦

 スーパー耐久の富士24時間レースに水素カーも参戦し、注目が集まる水素。その水素の普及を加速させようとエネオスが動き出した。

 プラント建設の千代田化工と組んで水素製造プラントを作り、価格を劇的に下げようというのだ。

 そもそも水素の作り方なのだが、現在は石油や天然ガスに含まれる炭化水素を水蒸気と反応させて作る手法が一般的。ところがこれだと水素といっしょにCO2が生成されてしまい、脱炭素に逆行してしまう点が問題だった。

 いっぽうエネオスは、トルエンと水を電気分解してMCH(メチルシクロヘキサン)という液体を作る手法に挑む。

エネオスの水素ステーション(Dr. Drive セルフ潮見公園店)。水素カー普及に水素の価格破壊は必須

 MCHは常温輸送ができるため、水素のようにマイナス253度まで冷やさず輸送ができるうえ、消費地で水素を取り出すことも容易。電気分解に再生可能エネルギーの電力を使えば、CO2も排出しないのだ(このためグリーン水素と呼ばれる)。

 現在、水素価格は1kgあたり1100円程度だが、エネオスは前述の手法で、330円程度まで引き下げることを狙う。この価格はズバリ、菅内閣が掲げた2030年の水素目標価格でもある。

 エネオスは太陽光発電が盛んなオーストラリアに水素製造プラントを作り、MCHを日本に輸入する計画とのこと。こいつは期待できそうだ。

■【番外コラム】20秒ニュース×3

●アップルカーの行方が気になる人も多いだろうが、バッテリーの供給元を巡って、「アップルがCATLおよびBYDと交渉中」とロイター通信が報じた。どちらも頻繁に登場する中国企業で新鮮味はないが、両者が同じ仕様のバッテリーを作るかどうかは不明。筆者は「CATLが大容量ハイグレード品、BYDはスタンダード向け」と勝手に予想するが、はたしてどうか?

●各地で先進的な取り組みを行っているIT系バス事業者「ウィラー」が、月5000円で使い放題という乗り合いサービス「mobi(モビ)」を始めた。 このサービス、コロナ禍で増えた自宅周辺の「チョイノリ移動」を補助しようというもの。専用アプリから呼び出せば、10分以内に車両がやってくるという。今のところ京都の京丹後市、東京の豊島区と渋谷区という限定営業だが、全国展開に期待しよう。

●自動運転の先駆者、グーグル系のウェイモが、自動運転トラックの実験を加速させている。これまでも米アリゾナやテキサス、ニューメキシコといったルートでテストを行ってきたが、今度は全米で最も交通量が多いといわれる州間高速45号線(ヒューストン~フォートワース間)で実験を行う。しかも実際に貨物を積んでの運行だ。運転に使われるのはレベル4の自動運転に対応した「ウェイモドライバー」というシステム。頻繁に渋滞も起きる45号線での自動運転トラックの走りが気になる。

ウェイモが走らせるJBハント社のトレーラー

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みんなのコメント

1件
  • 話題が古いよな。日野のポンチョの代わりにBYDのJ6が導入されるケースが増えている。
    日野のは顔を変えたJ6で中国製。ポンチョの酷い騒音とガクガクした乗り心地に比べるとJ6は夢のように静かでスムースな加速だからCO2以外に乗り心地でも選ばれるだろう。それでは日野が困るから日野版J6を作ってもらった。
    それとスマホメーカーがEVに乗り出すのは前から分かっていたこと。FOXCONNなどの今までは自動車とは異業種の参入はEVならではだろう。エンジンが無いだけで敷居が下がった。車体は既存の自動車メーカから買ってきても委託製造でもいいのだから。いずれ自前でも作るようになるかも知れないし。今後車の開発に必要なのはハードでは無くソフトのほうが重視されるだろう。車体などはコモディティ化していき自動運転や車内サービスなどのソフト面の充実が車選びのポイントに変わるだろうから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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