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扱いやすいサイズ感とバランスのとれた走りがちょうどいいフォルクスワーゲンの新型「ゴルフ GTI」

掲載 更新 3
扱いやすいサイズ感とバランスのとれた走りがちょうどいいフォルクスワーゲンの新型「ゴルフ GTI」

 1970年代フォルクスワーゲンは「ビートル」に代わる量産モデルの開発に苦労していた。1974年「ゴルフ」が誕生し、ようやく「ビートル」の後継車が決まった。コンパクトな前輪駆動のハッチバックが新しいファミリーカーとして認知されたのだ。スポーツモデルの「GTI」はその2年後に誕生。正確には1975年秋のフランクフルトモーターショーで「GTI」が発表されたのだ。

 パワーユニットや足回りを強化し、フロントグリルに赤いラインを入れるデザインはこの時、採用された。「グランド・ツーリング・インターナショナル=GTI」は、たちまちその名称のとおり、世界中で人気モデルになり8代目の今日までラインナップに加わっている。

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 最初の「GTI」は、直列4気筒1.6Lガソリンエンジン、110PS、最高速180km/h。それが、今回はマイナーチェンジで直列4気筒2.0Lのガソリンターボは従来の「GTI」よりも20PSアップして265PS、最高速も250km/Lをキープしている。最新モデルは7速DSGだけ、MTの用意はない。しかし、DSGでも十分に速いスポーツドライビングは楽しむことはできた。

 8代目初期モデルよりも20PS向上したパワーユニットは265PSのピークパワーを5250~6500回転で発生するように改良された。初期型の5000~6000回転からより高回転型に進化。基本スペックを頭にたたきこんでから試乗車両に乗りこんだ。

「GTI」専用のタータンチェック柄のハイバック標準シートに座り、ポジションを決める。調整は手動式のレバーとダイヤルで行なう。インパネ、室内を見回わしてみて、標準装備はシートぐらいだ。インパネ中央の大型タッチスクリーンは12.9インチが装着されているが、これは「Discover」パッケージ(17万6000円)で、純正インフォテインメントシステムやコネクティビティ機能が含まれている。



 さらに詳しく調べると、ダンパーの減衰力や電動パワーステアリングの特性をコントロールするアダプティブシャーシコントロール「DCC」(23万1000円)、LEDマトリックスヘッドライト、コーナリングライト、ヘッドアップディスプレイ、アラウンドビューカメラ、リアLEDランプがセットになった「テクノロジー」パッケージ(20万9000円)も装着されている。しかもこれらのパッケージがセットオプションなのだ。



 オプション満載の「GTI」だが、それぞれの機能は要所要所で確実に働き、「GTI」の走りを助けてくれたのも事実だ。もちろん標準装備のメカニズムも走りを助けてくれる。例えば、電子制御油圧式フロントデファレンシャルロックは、ワインディングをスポーツ走行している時に左右のトルク配分を制御してくれる。電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」とビークルダイナミクスマネージャーの働きで、ハードコーナリングでもアンダーズテアを軽減させてくれる。



「GTI」のミッションは7速DSGだが、各ギアで5000回転まで回すと、1速45km/L、2速70km/h、3速で95km/h、4速で120km/hになる。ワインディングは3、4速をキープしていれば、かなりスポーツ走行ができる。いざとなれば直4、2Lガソリンターボは6000回転までキープしてくれるので、多少の無理は効く。

 高速道路では100km/hを7速1600回転、6速2000回転なので、あまり楽しいことはない。「GTI」はワインディングに入った途端にコーナリングマシンに変身するのだ。2,3速で3000~5000回転をキープしてのコーナーの走りは痛快そのもの。「GTI」の本領発揮だ。

 今回のビッグマイナーチェンジで、ハンドルやスクリーンの操作が変わった。それまでボタンに触れるだけで操作しづらかったが、今回からプッシュスイッチに替わった。タッチスクリーンの操作項目をわかりやすく、呼び出ししやすくなった。これはユーザーには朗報といえるだろう。

 走行シーンに合わせて、エコ/コンフォート/スポーツ/カスタムと並ぶドライブモードの操作もワンタッチ式になった。各モードでの走りの違いもあるが「コンフォート」モードでも路面のザラつきや細かい上下動は硬め、コーナーでのハンドルの戻しも強い。

 装着するタイヤはオプションの19インチ、235/35R19だが、乗り心地の点では、ノーマルの18インチのほうがいいかもしれない。「スポーツ」モードを選択すれば、さらに重く、硬くなり、コーナリングもハンドルのシャープさが際立ってくる。「GTI」はハイウェイクルーズよりもコーナリングマシンということがわかる。

 最近の人気車種の流れから、FF、2BOXスポーツというジャンルでのライバルは減ってきてしまったが、それだけに扱いやすいボディサイズと、バランスのとれた走行性能の「ゴルフGTI」は、いつまでもその良さを保ち続けてほしい。短期間の試乗ではあったが、あらためてそれを感じさせられた機会となった。

■関連情報
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/golf-gti.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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みんなのコメント

3件
  • ryu********
    最近のフォルクスワーゲンは価格が上がりすぎているから販売が低迷し、勢いが感じられない。ドイツ御三家に客が流れているので昔のフォルクスワーゲンに戻ることが必要と感じる。
  • こじろう
    この顔、デザイン見てるとオーリス思い出すな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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