程よいサイズの車体に、扱いやすい700ccツインエンジンを積むヤマハXSR700。スタイリッシュなデザインで人気の高このモデルに、身長“ちょっと低め”のオヤジライダーが乗ってみた。
2輪のスペシャルティモデル
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「20cmなんて、広げた手の親指と小指の間くらいなものなのに、それが身体のこととなると……」と、深夜のサービスエリアでコーヒーを飲みながら、自分のアシの短さを呪うわけです。視線の先のバイク駐輪スペースには、ヤマハXSR700。スタイルを愛でようと意識的に停めたので、キレイに明かりが当たっている。
XSR700は、スポーツネイキッドたるMT07の、いわばスペシャルティモデルである。「軽量シンプル」を旨とするMT07の前後ランプやタンク、シート、各部ステーやカバー類を専用品に変えて、ググッとスタイリッシュに装っている。バイクに興味がない人なら、両車が基本的なコンポーネンツを共有しているとは気づかないかもしれない。見た目にはまったく別モデルに仕上がっている。
Dan AOKIDan AOKIベースとなったMT07のライディングポジションも乗りやすい自然なものだが、XSR700ではさらにグリップの位置をライダーに近づけ、シート高は805mmから835mmに上げられた。ツーリング時の快適性を考慮してか、よりリラックスした姿勢を取れる。シートは、前後セパレートタイプのMT07と異なり、フロントとリアが穏やかに繋がる一体型となった。レザーとバックスキン調の洒落たコンビネーションで、クッション厚め。座り心地がいい。
なろうことならスッと跨って両足がべったり地面に着くとカッコいいのだが、悲しいかな身長165cm(短足)の昭和体型では、両足の親指の腹が接地するくらい。実用上は問題ないけれど、「これだけスタイル優先のバイクだと、ねぇ……」と年甲斐もなく自意識過剰にさせるのが、XSR700のニクイところだ。
Dan AOKI眺めて嬉しい、走って楽しい
価格は、手の届きやすい大型バイクを目指したMT07の79万2000円から10万円以上アップの91万6300円となる。とはいえ、バイク全体のデザインはもとより、外装品それぞれの質感が高くてつくりも凝っているので、グリップを握って走っていても、離れて眺めても嬉しいイケメン/イケジョバイクである。プラスの購入費を払っても「買ってヨカッタ!」感は強いと思う。
外観上は違うバイクになっているとはいえ、「乗ってしまえば大差ないのでは……」とうっすら予想しながらいざXSR700を走らせると、「オオッ!」。なんというか大人な乗り味ですね。車重は、MT07から3kg増しの186kg。それ以上に、わずかにキャスター角を増してホイールベースを延ばしたのが利いているのだろう。走りが落ち着いて感じられる。とにかく曲がりたがる性格で、キーを捻るたびに峠に行きたくなるMT07と比較すると、XSR700はスペシャルティらしく、もうすこし余裕ある2輪生活が送ることができそうだ。スポーティなハンドリングマシンの一面は残すものの、これなら周りの景色を眺めながらのロングツーリングも楽しかろう。
Dan AOKIDan AOKI前120/70、後ろ180/55、いずれも17インチのタイヤサイズは両車共通だが、ミシュランの「Pilot Road4」を履くMT07に対し、XSR700はピレリの「Phantom Sportscomp」。1980年代テイスト溢れる幾何学模様のトレッドデザインが特徴で、穏やかな性格も手の込んだルックスもXSR700にピッタリ。これだけ考えられていると、オーナーの人は、次のタイヤを何にするか選択の余地がないような……って、余計な心配ですね。
Dan AOKIカスタムする楽しみもあり
XSR700は、688ccのパラレルツイン搭載。「ナナハンといえばマルチ(4気筒)」が常識だった世代には、排気量のわりに気筒数が寂しく感じるかもしれないが、スロットルを捻ったとたん、そんな気持ちはスッ飛んでいく。いかにもシリンダーあたりのキャパが大きい、と感じさせる出足の力強さ、パンチの利いた加速に驚かされる。さすがはMT(マスター・オブ・トルク)07と共通のエンジンである。73ps/9000rpmの最高出力と、68Nm/6500rpmの最大トルクは、MT07と変わらない。
ボア×ストローク=80.0×68.5mmの直列2気筒は、ヤマハ自慢のクロスプレーンエンジン。クランクがクロスするタイミングで点火されるユニットで、不等間隔燃焼ゆえトラクションのかかりがいいとか、4ストローク間の回転差を平準化するのでトルクのゆらぎが少ないとかの利点があるようだが、凡百のライダー(←ワタシのことです)にとっては、「Vツインみたいなビートが嬉しい!」のが最大のメリット。乗っていて飽きない。
Dan AOKIDan AOKI都会でさりげなく見せびらかすのもよし、“映える”XSR700で、各地にマイバイクの写真を撮りに行くもいい。その際、どんなツーリングバッグが似合うか迷うのも、オーナーならではの特権だ。コンベンショナルなスティールフレームはカスタマイズも考慮された構造になっているから、たとえばショートテイル&シングルシートにして、よりスポーティに演出するのもあり、かも。趣味を反映させやすい。自分の場合、まずはロウダウンシートの検討だな。
Dan AOKI文・青木ヨシユキ
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