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新しいトヨタ・ランドクルーザー70シリーズのメカニズムを徹底解剖!──レトロでモダンなヘビーデューティ4WDの特徴とは?

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新しいトヨタ・ランドクルーザー70シリーズのメカニズムを徹底解剖!──レトロでモダンなヘビーデューティ4WDの特徴とは?

日本再導入が発表された新しいトヨタ「ランドクルーザー70シリーズ」の特徴を、世良耕太が解説する!

パートタイム4WDを採用か

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8月2日、東京ビッグサイト南2ホールでおこなわれた「新型ランドクルーザーのワールドプレミア」で、新しいランドクルーザーが発表された。それが、2024年前半に発売が予定されている250シリーズだ。150系ランドクルーザー・プラドの実質的な後継である。

新しい250シリーズが発表される直前、「ランドクルーザー70シリーズの日本再導入」がアナウンスされた。1984年に40シリーズの後継として登場した70シリーズは2004年にいったん販売が終了。発売30周年を記念し、2014年に期間限定で再販された。70シリーズは2023年冬に再導入が予定されており、9年ぶりの復活となる。しかも、限定販売ではなく継続販売(カタログ)モデルだ。

トヨタはランドクルーザー300シリーズを、最新技術を導入したフラッグシップ、250シリーズを、悪路走破性をベースに快適性を付与し、人々の生活を支えるライトデューティモデル、70シリーズを、高い耐久性、走破性が求められるヘビーデューティーモデルに位置づけている。70シリーズの再々販が決まったことで、久々にランドクルーザーの全3シリーズが日本でそろうことになる。

再々販される70シリーズは、かつて販売していたクルマをそのまま復刻するわけではない。70シリーズの基盤技術を受け継ぎながら現代的にアップデートしている。

ボクシーなエクステリアの外板をそのまま使いながら、丸型のLEDデイタイムランニングライトを採用。2014年再販時のフロントマスクは当時のハイラックス風で、角型ヘッドライトを備えていたのとは違う。

パワートレーンも異なる。2014年の再販時は1GR-FE型の4.0LV6自然吸気ガソリンエンジンに5速MTを組み合わせていた。2023年冬に復活する新しい70シリーズは、250シリーズにも設定のある1GD-FTV型の2.8L直列4気筒ターボのディーゼルエンジンを搭載。最高出力は150kW(204ps)、最大トルクは500Nmで、全開全負荷時の性能は250シリーズと同じだ。

ただし、トランスミッションは250シリーズの8速ATに対し、70シリーズは6速ATとなる。コストを優先したためだろう。とはいえパワートレーンは十分に現代的といってよく、走りも燃費も期待できそうだ。

ドライブトレーンの詳細は発表されていないが、発表会場に展示してあった実車から判断するに、トランスファーレバーによって駆動方式を切り換えるパートタイム4WDだ。

ATシフトレバーの右斜め前方にあるトランスファーレバーを操作することにより、2H(RWD)、4H(4WDハイ)、4L(4WDロー)に切り換えるシステムである。メーターコラムの近くにはデフロックのダイヤルが設置されていた。

また、現代の車両らしく、トラクションコントロールやヒルディセントコントロールのスイッチも確認できた。雪道などすべりやすい路面での使用を想定した「2nd START(2速発進)」のスイッチもある。

最新技術との融合プラットフォームは「ラダーフレームを継続採用」と、発表されている。タフな使い方に応える耐久性と信頼性を重視しての選択なのは間違いない。

サスペンション形式は発表されていないが、見たところ、リヤはリーフスプリングとリジッドアクスルの組み合わせだろう。フロントは未確認(コイルスプリング+3リンクリジッドだろうか)。ステアリングはいまとなっては大変貴重な、リサーキュレーティングボール式である(ボール・ナット式ともいう)。

本方式は現代の車両にとって一般的なラック&ピニオン式に対し、路面の凹凸によるキックバックを伝えにくく耐久性が高いのが特徴。ヘビーデューティ4WDの古典的な機構だ。スズキ「ジムニー」も継続採用する。

ドアの施錠/解錠をするキーが鍵穴に差し込んでひねるタイプなのは、「あえて」だろうか。当然のごとくエンジンの始動もステアリングコラム横にキーを差し込んでひねるタイプで、そのやり方が実体験として記憶に残っている層には刺さるかもしれない。バックライト式のメーターはレトロなグラフィック(40シリーズをオマージュか?)であるが、ただレトロなだけではなく、右端に多種の情報を表示するカラーディスプレイが配置してあり、現代の技術が裏で支えていることをドライバーに知らしめる。

外からフロントグラスを眺めると、ルームミラーのステー部分にはカメラが確認でき、先進運転支援システムを搭載しているのもわかる。

復活するランドクルーザー70シリーズは古いままよみがえらせるのではなく、懐かしさを感じさせるエッセンスを視覚と技術で残しながら、要所に最新技術を用いて一見そうとわからないように進化させている。そこがニクイ。レトロでモダンなヘビーデューティ4WDであるのだ。

文・世良耕太 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

4件
  • フレックスオートは
    法外な値段で売っている
    何十万キロも走った古い70の在庫をどうする気だろうね。
    レトロカスタムするにしても
    新型をベースにした方が
    安心安全だよね。
  • 排ガス規制を気にしないで
    ディーゼルの70に乗れるだけでも
    最高じゃん。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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