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カギを差してエンジンをかける車が激減! プッシュスタート式が主流になった理由とは

掲載 更新 8
カギを差してエンジンをかける車が激減! プッシュスタート式が主流になった理由とは

■持っているだけでOK! スマートキー&プッシュ式のメリットとは?

 現在販売されているクルマのほとんどがスマートキーを採用し、持っているだけで施錠・開錠が可能です。

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 さらに、運転席側のインパネ周辺にあるスタートボタンを押すことでエンジンが始動できる、プッシュ式が主流になりました。

 一方で、以前まで主流だった、カギをシリンダーに差し込んでから回すタイプは激減し、古い中古車で見かける程度です。なぜカギを差して回すタイプは廃れて、プッシュ式が増えたのでしょうか。

 国産車ではじめてプッシュ式が採用された市販モデルは、1999年に登場したホンダのFRスポーツ「S2000」といわれています。

 実際にはカギをシリンダーに挿入し、イグニッションまで回してからスタートボタンを押すという方式となり、スポーツカーらしい演出でフォーミュラーレーシングカーを彷彿させるものでした。

 その後、カギは差し込まずにシリンダーを回す「キーレスエントリー」を経て、2003年の2代目トヨタ「プリウス」から現在主流になっているキーレスタイプのプッシュ式を採用。その後、一気に普及しました。

 このプッシュ式の最大のメリットは、とにかく手軽なことです。スマートキーを持っていればドアロックを解除でき、ボタンを押すだけでエンジンが始動するので、以前のキーシリンダー式のようにエンジンがかかるまでセルモーターを回し続ける手間が省けました。

 一方、従来からのキーシリンダー式は、ドアのロックを解除するためにカギ穴に差し込み、左右に回してロックを解除。ハンドル付け根にあるキーシリンダーにカギを差し込み、シリンダーを回してセルモーターを作動させエンジン始動、といった一連の作業が必要でした。

 とくに乾燥する秋や冬には静電気とも戦う必要があり、スマートキーはそういった心配からも解放されるという点でもメリットがあります。

※ ※ ※

 わざわざポケットやバッグからカギを取り出す必要がなく、ボタンを押せばエンジンが始動するスマートキー&プッシュ式スターターは、その利便性の良さから多くの車種に採用されるようになりました。

 いまでは軽自動車でもスマートキー&プッシュ式スターター採用車が増えており、今後はスマホとIOTで連動するタイプや、体内に埋め込まれたICチップで施錠・開錠、エンジンの始動までできるようになるのではないかといわれています。

■便利な一方、電池切れや新たな車両盗難手口が心配…

 便利なスマートキー&プッシュ式にもデメリットがあります。まず考えられるデメリットは、「スマートキーの電池切れ」です。

 スマートキーが作動するには電源が必要で、電池の寿命は1年から2年程度といわれています。電池切れになる前に交換すれば問題ありませんが、気づかないうちに電池が切れてドアの開錠ができなくなることもあります。

 万が一電池が切れたときは、どう対処すればよいのでしょうか。

 たいていの場合、スマートキー本体のなかに「メカニカルキー」と呼ばれるカギが内蔵されています。スマートキー採用車にもドアノブ付近にカギ穴があるので、ここにメカニカルキーを差し込んで回すとドアを開錠できます。

 エンジン始動に関しては、スマートキー本体をスタートボタンに接触させることでエンジンがかかる車種もあります。電池切れ時のエンジンスタートに関しては車種ごとに違いますが、取扱説明書で確認することができます。

 電池残量が減ると、ドアロックの反応が悪くなったり、メーター内に警告が表示されます。車検や点検などで販売店やディーラーを訪れたついでに電池交換を頼むこともできますが、電池はコンビニやホームセンターなどで購入できますし、特別な工具がなくても交換できるので自分でやっても良いでしょう。

 もうひとつのデメリットとして挙げられるのは、スマートキーの機能を応用した車両盗難「リレーアタック」という手口が増えていることです。

 スマートキーからは、暗号化された微弱な電波が常に発信されています。スマートキーとクルマ双方に電波を感知する送受信機があり、通常はこの電波を認識することでエンジンがかかるシステムです。

 この方式を逆手に取った盗難手口が、リレーアタックです。特殊な受信機でスマートキーの電波を拾いつつ、受信機自体を中継地点としてクルマに電波を発信することで、あたかもスマートキーがそばにあるかのように認識させて車上狙いやクルマ自体を盗むといった手口が横行しています。

 もっとも手軽で有効な防犯対策といわれているのが、電波を遮断できるケースにスマートキーを格納することです。遮断機能を持たせた「スマートキーケース」や「遮断ポーチ」などが販売されています。

 また車種によっては、スマートキー自体に「節電モード」と呼ばれる機能を搭載している場合もあります。

 これは特定の操作をすることで施錠しつつ、スマートキーの微弱電波をオフにする機能で、いずれかのボタンを押せばモード解除できる優れものです。

※ ※ ※

 スマートキーは、所持しているだけでドアロックの施錠・開錠だけでなくプッシュ式エンジンスターターで手軽にエンジンスタートできる便利な機能です。

 しかし、電池切れやリレーアタックなど、新たなリスクも気をつけなければいけません。

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みんなのコメント

8件
  • いたちごっこ。
  • 去年 知り合いのレッカー屋が車のドアが開かないとの要請があり現場に駆けつけるとスマートキーの電池切れだったのだが持ち主はメカニカルキーの存在を知らず、レッカー屋がカギの説明をしたものの純正のメカニカルキーが合わず開錠出来なかった事が有ったそうです。(結局購入したディーラーに持ち込み鍵を交換してもらったようです)
    それ以降メカニカルキーが合うかどうか確認するよういろんな人に言ってましたね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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