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知ってたら博士級? パンダがベース:ランチア Y10 小さなロールス・ロイス:パンサー・リオ 小さな高級車(1)

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知ってたら博士級? パンダがベース:ランチア Y10 小さなロールス・ロイス:パンサー・リオ 小さな高級車(1)

各メーカーが向き合ってきた小さな高級車

フルレザーの内装に最先端の装備、特別塗装といったオプションを指定できるなら、大型車を検討できる予算をお持ちなはず。質実的な小型車とは、合致しない嗜好といえる。だが、小さな高級車という考えは、以前から各メーカーが模索してきたものだ。

【画像】知ってたら博士級? 小さな高級車 ランチア Y10にラドフォード・ミニまで ベースモデルも 全109枚

欧州では特に、裕福な人へ見られることを好まない富裕層は少なくない。小さなボディならではの、市街地での取り回しの良さは、お金持ちでもうれしいメリットになり得る。結果的に、欧州ブランドを中心に古くから生み出されてきた。

今回ご紹介する例の多くは、一般的なモデルの最上級グレードとは異なる、独立した存在。かの名門ブランドが手掛けた例も存在した。今では斬新なクラシックとして興味が湧くモデルたちだが、新車時は成功作と評価されたわけではなかったのが面白い。

アウトビアンキ/ランチア Y10(1985~1994年)

イタリアではアウトビアンキ、それ以外の市場ではランチア・ブランドで販売されたのが、ハッチバックのY10。コンセプトは「アーバン・ラグジュアリー」で、ベースはフィアット・パンダだ。エンジンの排気量は拡大され、燃料タンクは7L大きかった。

上質なインテリアにオートエアコン、パワーウインドウ、集中ドアロック、タコメーター、分割可倒式リアシートなど、当時の小さなフィアットでは選べない装備が標準。追加費用で、アルカンターラ張りのダッシュボードも指定できた。

ソフトに調整されたサスペンションが、高級志向であることを主張した。特別仕様の「エゴ」では、高級家具メーカーのポルトローナ・フラウ社とのコラボで、ブルガリアンレッド・レザーのインテリアを得ていた。ファッションブランドとの共作もあった。

★マニアな小ネタ:リアサスペンションは、新設計のオメガアクスル。これは後に、パンダにも採用されている。

パンサー・リオ(1975~1977年)

パンサーは、ジャガーをベースにした独自モデルを提供していた英国ブランド。オイルショックでガソリン価格が高騰すると、創業者のロバート・ボブ・ジャンケル氏は、小さな高級車の必要性へ注目した。

ベース車両は、4気筒エンジンのトライアンフ・ドロマイト。コノリー・レザーの内装と、大きなラジエターグリルを備えたアルミニウム製ボディで、豪華に仕立てられた。その品質は高く、新車時は小さなロールス・ロイスと例えられたこともあったほど。

しかし手作業による製造コストは小さくなく、お値段へ反映され、38台しか生産されていない。1976年当時、リオ・スペシャルの英国価格は9445ポンド。V12エンジンを積んだジャガーXJは、7436ポンドだった。

★マニアな小ネタ:オプションで、冷蔵庫とテレビ、ドリンクキャビネットなどを装備できた。内容によっては、リオは1万ポンドを軽く超えたとか。

ルノー・クリオ(ルーテシア)・バカラ(1991~1997年)

1980年代は、スポーティなコンパクト・ハッチバックが花盛りといえた。そこに高級という考えを持ち込んだのが、ルノー。1987年には5(サンク)がベースのシュペルサンク・バカラが投入され、1991年にクリオ(ルーテシア)・バカラが発売されている。

ワイヤー風アルミホイールと、コノリー・レザーの内装でコーディネートされ、左ハンドル車には標準でエアコンが装備された。エンジンは1.7Lか1.8Lの4気筒で、1.4L以下が中心の通常のクリオと差別化。オートマティックも、高級車を意識したものだった。

ターゲットは、セカンドカーを求める富裕層や、早くに成功した若者。2代目クリオでは、バカラからイニシャルに改名されている。

★マニアな小ネタ:クリオの前世代、シュペルサンク・バカラの英国仕様は「モナコ」と呼ばれた。バカラは、あまり魅力的なワードではないと判断されたためだ。

この続きは、知ってたら博士級? 小さな高級車(2)にて。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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