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ホンダ「X-ADV」「ADV150」キャンプツーリング・インプレ|ATアドベンチャーバイクが叶える快適・気軽なキャンプ旅

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ホンダ「X-ADV」「ADV150」キャンプツーリング・インプレ|ATアドベンチャーバイクが叶える快適・気軽なキャンプ旅

四輪には「キャンピング・カー」が定着しているが、バイクにはない。AT限定大型二輪免許で乗れる「X-ADV」と、AT限定普通二輪免許で乗れる「ADV150」。この2台はキャンピング・バイクと呼んでもいいのではないだろうか? そう思う理由を2台の特徴と共に詳しく解説しよう!
文:西野鉄兵/モデル:葉月美優/写真:松川 忍

ホンダ「X-ADV」「ADV150」がキャンプツーリングに向いている理由
キャンプに特化させたとしか思えない装備と仕様

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完全防水のラゲッジスペースが備わったスクーターは、ツーリングに向いている、というのが僕の長年の持論だ。僕は学生時代、普通二輪免許を取得し、ホンダ「フュージョン」を愛車に選んだ。理由は旅がしやすそうだったから。ポジションはゆったりしていて、ギアチェンジも不要なので、とにかくラク。操作がシンプルな分、安全で、景色を眺める余裕もある。初心者の頃から安心して旅を満喫できていたのはフュージョンのおかげだったと思う。

ただひとつ、同志が少ないことは、少し寂しかった。バイク乗りの多いキャンプ場へ訪れてもビッグスクーターに出会うことはまれで、ほとんどが荷物を山積みにしたミッション車ばかりだった。

2017年4月、ホンダがX‐ADVを発売する。これは衝撃的だった。僕が昔から思い描いていた理想のパッケージだったからだ。

ラゲッジスペースが備わり、シフト操作不要のDCTを搭載。そしてこれまでのビッグスクーターとは決定的に考え方が異なるアドベンチャー・テイスト。ちょっとした未舗装路を走る想定もされ、必要充分な走破性を持っている。キャンプ・ツーリングでは、必ずといっていいほどフラットダートを走ることになる。そこをカバーしているのが猛烈に魅力的だった。

そして、2020年2月には排気量149ccのADV150がリリースされた。

2台はスタイリングのイメージこそ共通しているものの、乗り味はまるで異なる。X-ADVは、高速道路でのロングクルーズを大得意とするツアラー的な要素が強い。税込価格が126万3000円~というのも納得できるラグジュアリーさが魅力だ。一日500kmを走るような旅も平気でこなせる。

対してADV150は、PCX150をベースとしていて、コミューターとしての性能に優れる。街中でもキビキビと走れるのが特長だ。

だから、兄弟車というより、親子のようだと思った。「2台持ち」をしても面白いバイクライフが送れると思う。

ちなみに、どちらも免許は「AT限定」でもOK。ADV150は、AT限定普通二輪免許、X-ADVは、AT限定大型二輪免許で乗ることができる。AT限定大型二輪免許は、2019年12月から排気量の制限がなくなった(それまでは650cc以下のAT車両に限られていた)。

言ってみればいずれもオートマ車。だけど、スタイリングや車名から分かるように、アクティブなファン要素を持つ。どちらも不思議なことに乗っていると、オートマ車ではなくミッション車を運転しているときと同じ高揚を感じる。幅広なバーハンドルは完全にアドベンチャーモデルのそれで、メーター周りのデザインはラリーマシンのようだ。

日常から便利に使えて、旅では頼もしいことこの上なし。ADV150も排気量以上に高速巡航は得意。もしいま僕が学生だったら、ADV150を選んでいただろうなあ、と強く思う。

キャンピングカーという概念は古くからあるが、この2台は「キャンピング・バイク」と呼びたい。荷物が積めて、電源も取れる。長距離が得意な上、運転が楽で、オフまで走れる。しかも燃費がいい。ノーマル状態でキャンプに特化した機能が詰め込まれているのだ。

ホンダ「X-ADV」車両解説
高速巡航もスポーツ走行も楽しい

車体の剛性が高く、高速道路を走っているとリッタークラスにも負けないほど快適だと感じた。スクリーンは手動で5段階の高さ調整が可能。もっとも高くすると、少しかがめば頭の高さまでカバーし、雨天走行でも安心。下半身も走行中はほとんど濡れないので、何日も走るロングツーリングでは非常にありがたい。

オートマチックでギアチェンジを行なう「DCT」の性能向上も感じた。ライダーに衝撃をほとんど与えることなくスムーズにシフトアップ・ダウンを行なってくれる。燃費のいいDモードでの時速100km時は3200回転ほど。高速域からの加速も鋭く、時速120km区間でも交通の流れを軽々とリードできる。燃費は、キャンプ道具を満載にして、高速&一般道を半々程度で約250km走り、約26km/Lだった。

ニーグリップはできないものの、くるぶしでがっちりとグリップでき、峠道も安心して走れた。DCTをSモードにすれば、高回転までひっぱりスポーツバイクのようなエキサイティングな走りも楽しめる。

ネガな点は、シート高の数値以上に足つきがキツく感じたことと、取り回し時の重さだ。運転にあまり自信のない方は、まず試乗してから購入を検討することをおすすめしたい。

ホンダ「X-ADV」主なスペックと価格
全長×全幅×全高:2230×910×1345mm
ホイールベース:1580mm
最低地上高:135mm
シート高:790mm
車両重量:238kg
エンジン形式:水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒
総排気量:745cc
ボア×ストローク:77.0×80.0mm
圧縮比:10.7
最高出力:54PS/6250rpm
最大トルク:6.9kgf・m/4750rpm
燃料タンク容量:13L
変速機形式:電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ(前・後):120/70R17M/C 58H・160/60R15M/C 67H
ブレーキ形式(前・後):ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格:マットビュレットシルバーは税込126万3900円/グランプリレッドとマットアーマードグリーンメタリックは税込129万6900円

[ アルバム : ホンダ「X-ADV」 はオリジナルサイトでご覧ください ]

ホンダ「ADV150」車両解説
ゆったり乗れて旅でも快適

発売と同時に年間販売計画台数を大きく上回り、早くも大ヒットとなっているADV150。エンジンは水冷単気筒149ccで、完全なオートマ車だ。最高速が気になり時速120kmの高速道路で試したところ、時速115kmでリミッターが働いた。それでも、時速110kmくらいまでの加速はスムーズで巡航する分には何の問題もない。燃費は、高速&一般道を半々程度で約250km走り、約37km/Lと、非常に経済的。

共有部品の多いPCX150との大きな違いは、サスペンション。フロントはクラス最長の130mm、リアは120mmのストローク量を確保し、リザーバータンクまで備わっている。ただ、荒れたダートをガンガン走れるというわけではなく、あくまでも軽い未舗装路を想定した仕様だ。

ハンドルの切れ角が大きく小回りも得意で、Uターンもラクラク。特筆すべきは、ポジションの快適さ。身長175cmの僕の場合、窮屈感はまるでなく、ハンドルの位置もフットボードの距離感もジャストフィットと思えるものだった。

収納スペースはX‐ADV以上の容量を誇り、さらにリアシートへの積載もしやすい。そして電源ソケットを標準搭載するなど、キャンプに役立つ装備が満載されている。

ホンダ「ADV150」主なスペックと価格
全長×全幅×全高:1960×760×1150mm
ホイールベース:1325mm
最低地上高:165mm
シート高:795mm
車両重量:134kg
エンジン形式:水冷4ストOHC2バルブ単気筒
総排気量:149cc
ボア×ストローク:57.3×57.9mm
圧縮比:10.6
最高出力:15PS/8500rpm
最大トルク:1.4kgf・m/6500rpm
燃料タンク容量:8L
変速機形式:無段変速式(Vマチック)
タイヤサイズ(前・後):110/80-14M/C 53P・130/70-13M/C 57P
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格:45万1000円

[ アルバム : ホンダ「ADV150」 はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:西野鉄兵/モデル:葉月美優/写真:松川 忍

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みんなのコメント

1件
  • PCX125や150だと、燃費が48㌔~55㌔程走るけれど、ADV150だと40㌔から43㌔位に落ちます。タイヤのせいですかね?
    リアがディスクなので、良く効きますが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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