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インディカー初テストを終えたヒュルケンベルグ、チームからは高評価「予想通り、全てにおいてかなりハイレベルなドライバー」

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インディカー初テストを終えたヒュルケンベルグ、チームからは高評価「予想通り、全てにおいてかなりハイレベルなドライバー」

 2019年末までレギュラードライバーとしてF1を走り、現在はアストンマーチンでリザーブドライバーを務めるニコ・ヒュルケンベルグは、バーバー・モータースポーツパークで行なわれたインディカーのドライバー評価テストにアロー・マクラーレンSPから参加。5台のマシンの中で最も遅いタイムでテストを終えたものの、チーム代表を務めるテイラー・キールはヒュルケンベルグに対し感銘を受けた同時に、F1ドライバーとしての才能を認めていたと語った。

「ひとつ、今日ニコにとっては108周を走るのは大変だっただろう」とキールはmotorsport.comの取材に対して語った。

■ヒュルケンベルグ、視線はF1からインディカーへ「F1という名の列車はもう出発してしまった」

「彼のトレーニングの成果だと思う。オープンホイールのマシンにしばらく乗っていなかったから、今回テストするのはかなりのチャレンジだったね」

「しかし、彼はこのチャレンジを受け入れ、1日を通じてミスすることもなく要求されたことをすべてこなした。我々はひとつひとつプログラムを進め、彼も一緒に仕事ができて良かったようだ」

「1日を通じてフィードバックをインカム越しに聞いていても、(走行後の)デブリーフィングでも彼はマシンを楽しんでいた。どう動かすか、どれほど身体に負荷がかかるかを楽しめたようだよ」

「逆に言えば、フィジカル面での大変さも彼にとって最初は少し驚いただろうし、それがおそらくテスト終盤の不安定さにつながったのだと思う。帰り支度している時でも23℃、太陽がコースを照らしている時で最高26℃だった。ただスタート時は18℃しかなかったから、色々なコースコンディションを体験できただろう」

「エアロスクリーンが導入された去年の初めの頃がフラッシュバックしたよ。『すごく暑いぞ。どうやって空気を循環させているんだ?』って彼は最初に言ったんだ。『そのままだよ! 今年はこの仕様でレースを走っていた』って伝えたら、彼は『冗談だろ!?』って言っていたよ」

「でも彼も大丈夫だったし、順応して乗り切ったんだ。暑すぎるなどの問題もなかった。特に、このサーキットは今年のカレンダーでも最もタフなコースであることを忘れてはいけない。だからこそ、彼がテストに挑戦し彼がやり遂げたことを高く評価したい」

 今回のテスト前半には、アロー・マクラーレンSPからインディカーを走るパトリシオ・オワードが参加した。オワードはアブダビでのF1テストに向けてマクラーレン・レーシングの本拠地があるイギリスでシート合わせを行なった後、F1第17戦アメリカGPに帯同していた。そしてヒュルケンベルグと共にアラバマ州バーミンガムまで飛び、マシン習熟をサポートした。

 キールはさらにこう続ける。

「ニコのように、国際的な高いレベルで長い間活躍してきたドライバーを(インディカーの)マシンに乗せると面白いもので、私たちのピットストップやマシンの動かし方、コントロールの仕方など基本的なところから教えていった。でも彼のような人には1度の説明で十分だ。記憶してすぐにそれを実行に移す。彼のようなレベルのドライバーにはそういうことが期待できる」

「使い切ったタイヤでのインラップや冷えたタイヤでのアウトラップ、それから予選シミュレーションやロングラン、燃料満タン状態から軽い状態まで……すべてを体験したことで、ニコはこのマシンの走らせ方や我々のチーム、シリーズ全体の雰囲気を理解することができた。我々としてはドライバーとしてのニコを理解する機会になった」

「私はラップタイムを見てすらいない。それぞれが独自のプログラムで走っているのだから、直接的な比較はできない。だから私は彼とチームのやり取りや彼からのフィードバック、マシンセッティングの変更に対する彼の反応を見ていた。予想通り、全てにおいてかなり高いレベルにあったよ」

 オフシーズン中に、アロー・マクラーレンSPがヒュルケンベルグにもう一度ドライバー評価テストの機会を設ける予定はあるかと尋ねられたキールは「正直なところ、それは疑わしい」と語る。

「基本的にインディカーでは、ドライバーをマシンに乗せ、それに慣れさせてから判断するものだ。私としてもそれが公平だと思っている。別日を設けるには、テキサスかゲートウェイのオーバルコースに連れて行って、彼の興味をそそる必要があるかな。ニコがどのようなタイプのドライバーで、どのような才能があるかは分かっているからね」

「正直言って、我々としては『OK!こいつは良い!』と判断するのには1日も必要なかったんだ。とどのつまり、前にも言っていた通りこの日は、彼がインディカーを知る機会になった。彼は今色々と考えて、整理しているところだろう。そこから話は展開していくのだ」

 アロー・マクラーレンSPが2022年の開幕戦を3台体制で迎える可能性は極めて低いが、早ければ5月に行なわれるインディ500より後に3台目をグリッドに並べ、シーズン後半を戦うことを検討している。キールはその点についてこう強調した。

「近々、我々は判断を下さなければならない」

「しかし、2023年までの(3台目マシンの)フルタイム参戦を計画していないので我々には猶予はある」

「今は3台目導入に向けた人材を評価する時間があるし、関心を寄せるドライバーも多くいる」

「2023年に向けて3台体制に移行しチームを強化するという点で、パズルを完成させるかどうかは我々次第だ」

 テスト後、ヒュルケンベルグはこう語った。

「インディカーに乗るのも、バーバー・モータースポーツパークに来るのも初めてだけど、全体的には上手くいった良い1日だったと思う」

「このモンスター級のマシンがフィジカル面でとても大変だということがよく分かったよ。午前中はフィーリングをつかむのに時間がかかったけど、午後はラップタイムやパフォーマンスも上がってきて、とても楽しかった」

「アロー・マクラーレンSPはこの機会をくれて、サーキットではとてもプロらしい働きぶりだったから、とても感謝しているよ」

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