フォルクスワーゲンジャパン主催の「TDI full line-up プレス試乗会」が行われた。最新の「ゴルフ ヴァリアント TDI R-Line」に続き「ティグアン TDI 4MOTION R-Line」に、『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキが乗った
新型フォルクスワーゲン ティグアン TDI 4MOTION R-Lineの特徴
カッコいい上に実用的──新型フォルクスワーゲン ティグアン TDI 4MOTION R-Line試乗記
1.“魔法の絨毯”のような乗り心地2.きらりと光る安心感3.まとめ1.“魔法の絨毯”のような乗り心地
出発地である「すきむらんど」(宮崎県小林市)周辺は、タイトなコーナーがいくつもある。新型ティグアンに搭載される2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、最高出力193ps、最大トルク400Nmを発揮する。
特筆すべきは、わずか1750rpmから立ち上がる強大なトルクだ。上り坂での加速もまったく不満はなく、7速DSGが即座に最適なギヤを選択し、背中を力強く、かつ滑らかに押し出す。
ティグアンで驚かされたのは、最新の「DCC Pro」(アダプティブシャシーコントロール)だ。従来の1バルブから2バルブ独立制御へと進化したこのシステムは、伸び側と縮み側の減衰力を個別に調整する。
荒れた路面の通過時、車体はフラットな姿勢を保ったまま、ショックだけをまるで魔法のように吸収する。R-Lineが履く大径タイヤであることを感じさせない乗り心地に驚く。
センターコンソールには、新しいダイヤル式の「ドライビングエクスペリエンスコントロール」が配置されたのもポイント。これひとつで、走行モードの切り替えやオーディオの音量調整、アンビエントライトの色変更などが直感的に行えるようになったので、使い勝手が大幅に向上した。
2.きらりと光る安心感
小林インターチェンジから宮崎自動車道へ。ここではフォルクスワーゲンが誇る運転支援システム「Travel Assist」の出番だ。
ステアリングにあるスイッチ操作で起動するTravel Assistは、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストし疲労を軽減させる。
実際に使うとレーンキープの精度が向上したことを実感。以前のモデルよりもさらに動きはナチュラルだ。車線の中央を維持する時、ステアリングが“カクカク”と動く微修正が大幅に減り、ベテランドライバーが操作しているような滑らかさで進むから安心感が高い。
静粛性も高く快適だ。100km/hでの巡航中、ディーゼル特有の音はしっかりと遮断されており、かつ風切り音も極めて小さく、車内では音楽を存分に楽しめる。
高速クルージングでの燃費は、カタログ値を上まわる20km/L近くをマーク。軽油の安さも相まって、ロングドライブがどんどん楽しくなる。
さて、ティグアン TDI 4MOTION R-Lineはライバルが多い。日本車だとまず思い浮かぶのはトヨタ「RAV4」だ。こちらは、ティグアンに対しタフな“道具感”があって、かつハイブリッドモデルを用意するのがポイント。高速道路での“ビシッ”とした直進安定性ではティグアンに軍配が上がるものの、新型の完成度次第ではティグアン、危うしかも……。
マツダ「CX-5」はコストパフォーマンスこそかなり高いものの、新型ティグアンの15インチ大型ディスプレイや、最新のデジタルインターフェース(Discover Pro Max)を前にすると、世代の差を感じざるを得ない。
3.まとめ
宮崎インターを降り、ヤシの木が並ぶ市街地へ。新型ティグアン TDI 4MOTION R-Lineをひとことであらわすなら、“プレミアムなオールラウンダー”か。
山道で見せた俊敏なフットワーク、高速道路での安定感、そして宮崎市内の渋滞でもストレスを感じさせないマッサージ機能付きのシートなどが、高い次元で融合するからだ。
ディーゼルエンジンと4WDの組み合わせは、電動化が進む現代においても合理的な選択肢かもしれない。それでいてフォルクスワーゲンの安心感とクオリティの高さも加わるのだから、これ以上のSUVはありそうでないと思う。
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