ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのニック・タンディは、キャデラック勢が1月21日の予選で見せたアドバンテージを週末のデイトナ24時間レースにも引き継ぐことができると予想しているが、GTPクラスの4つのマニュファクチャラーのポテンシャルは「かなり近い」と述べている。
■「ブレーキングが最悪」だった6号車ポルシェ
キャデラックが新レコードで予選1-2。GTDでは宮田組レクサスがクラス最速に【デイトナ24時間】
この英国人ドライバーは、プロトン・コンペティションを除くすべての車両がオリバー・ジャービスの2019年のラップレコードを塗り替えたハイペースな予選セッションで、ペンスキーの6号車ポルシェ963をドライブし7番手となった。
キャデラックVシリーズ.Rは、ピポ・デラーニとセバスチャン・ブルデーによるフロントロウ・ロックアウトで予選ワン・ツー。タンディの姉妹車である7号車のフェリペ・ナッセが3番手、BMW Mチーム RLLの25号車BMW Mハイブリッド V8を駆るコナー・デ・フィリッピが予選4番手となり、その後ろには2台のアキュラARX-06が続いた。
タンディは、首位と9番手の差が1秒未満だった予選の接戦具合が、現在のクラスの勢力図を反映していると指摘した。
「正直に言うと、かなり近いように見える」とタンディは語った。
「特定のクルマが良くなったり悪くなったりするさまざまな状況があった。僕らは全員が、戦いのフィールドにいると思う」
「現時点で僕らが24時間全体にわたってベストな状態にあるとは思えないが、昨年のようにテスト全体を通して圧倒的なシャシーが見られたわけではないので、楽観視しているよ」
4つのGTPマニュファクチャラーのうち、レーストリムで優位に立っているのはどこかとの質問に、タンディは「昼夜を含む幅広い条件で、キャデラックだ」と答えた。
タンディは21日の予選セッションでも2台のキャデラックが「一歩先を行っていた」と認めたが、6号車ポルシェ963についてはセットアップの方向性を失っていたことが、さらに状況を悪化させたという。
「僕らにとって、それは困難なものだった」とタンディは振り返った。
「インフィールドでは良かったけど、高速のところではまったくマシンをウインドウに入れることができなかった。ターン1と(バックストレートエンドの)バスストップでのブレーキングが最悪だったんだ」
「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの2台両方の良い部分を組み合わせていたら、予選で良いクルマができたかもしれない。けど、昨年のここ以来、デイトナの予選トリムでマシンをテストしたことは一度もなかったので、最善の推測を立てて最善の結果を期待する必要があった」
「今回はうまくいかなかったけど、レースペースはかなり良くなったように見えるね。今週は全体的にハッピーだったよ」
■「12カ月前よりもはるかに優れたチームになった」AXR
ポールポジションを獲得したアクション・エクスプレス・レーシングのデラーニは、予選でのキャデラックのパフォーマンスについて、2年目のシーズンに向けてダラーラ・シャシーをベースとするキャデラックVシリーズ.Rに対する理解レベルが高まった結果だと述べている。
「明らかにコンディションが助けになったが、例年通り、この時期のデイトナはかなり寒いので、多かれ少なかれ予選には完璧なコンディションだ」とデラーニは語った。
「だけど、他のみんなはそれぞれのツールと、このような難しいマシンからラップタイムを引き出す方法を、もっと理解していると思う」
「少なくとも僕らの側では、エレクトロニクスとハイブリッド・レースカーの複雑さに関して、12カ月前よりもはるかに優れたチームになったと言える」
「正直に言うと、僕らは何が可能なのかについてはあまり話し合っていなかった。僕らはただ、自分たちが持っているツールを最大限に活用しようとしていたんだ」
「プラクティスで(予選)シミュレーションを行ったとき、ほぼ目標に到達していることが分かった。だけど、以前のプラクティスよりも1秒近く速かったのには正直かなり驚いた」
「でも、コンディションも完璧だったと思う。寒かった。タイヤはうまく機能していた。もちろん、予選では(プラクティスより)燃料も少ない状態だったりするしね」
「ラップタイムには、ちょっと驚いたよ」
■「風向きが逆だったらもっと酷かった」とデ・フィリッピ
予選4番手となったBMWのデ・フィリッピは、これまでのラップレコードが破られたことに驚きの反応を見せたが、新たなベンチマークタイムが出る可能性は高かったと付け加えた。
「明らかに、誰もが昨年よりも少しパワーを持っているので、(レコードが)破られることはある程度予想していたけど、そのギャップはとても印象的だった」とデ・フィリッピは述べている。
「これは、どのメーカーもクルマやシステム、セットアップなどにおいて大きな進歩を遂げたことを示していると思う」
「僕は間違いなく、僕らのスタッフたちを誇りに思っている。パーセンテージ的に見ても、ライバルとの差を縮めることができた。これは素晴らしいことだ」
デラーニと同様、デ・フィリッピも予選中のコンディション、とくに気温と強風が重要な役割を果たしたと指摘した。
「バスストップの終わりで向かい風が吹いている方が、追い風よりもずっと助けになるのは明らかだ」と彼は言う。
「風向きが逆だったら、おそらくもっとひどい状況だったと思う。この涼しいコンディションは、タイヤにとって最適とは言えなかったかもしれないが、全員がタイヤを作動させることはできたようだね」
「もう少し暖かかったら、おそらくもう少しペースが上がっていたと思うけど、全体的にはかなり理想的なコンディションだった」
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