2022年6月22日、マツダは、去る4月7日に日本仕様を公開したクロスオーバーSUV「CX-60」の予約受注を6月24日から開始すると発表。新世代ラージ商品群第一弾となる注目モデルの販売開始は、9月が予定されている。
パワートレーンは一挙に4タイプ。PHEV、MHVもラインナップ
マツダの新たな戦略として注目を浴びるラージ商品群第一弾となるクロスオーバーSUV「CX-60」。欧州に続いて日本仕様が2022年4月7日に公開されたが、いよいよ6月24日より予約受注が開始される。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
日本のマーケットに投入される「CX-60」は、デビュー直後から一気に、4種類のパワートレーンが設定されている。それぞれに意のままの走りと環境性能の進化を追及したものだが、注目の直列6気筒ディーゼルターボは、プリミティブなICEと48Vシステムの「M Hybrid Boost」付きを選択できる。ガソリンモデルのICE、PHVは2.5L 直列4気筒だ。
プラットフォームは、縦置き高出力パワーユニットに対応した、新開発の「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」が用いられ、より大きなパワーを思い通りに操る感覚を提供してくれるという。
サスペンションは前輪にダブルウィッシュボーン、後輪にマルチリンクを採用。人間中心の開発思想に基づき、サスペンションをスムーズに動かすことで、日常の様々なシーンにおいてしなやかな乗り心地の実現が図られている。
ロードスターで高い評価を得ている、人馬一体の走りの楽しさをさらに高める「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」も装備される。日常域でスムーズに動くサスペンション構造を活かしながら、ハイスピードのコーナリングにおいてもより一体感があり、より安定した旋回姿勢を味わうことができる。
ヒルディセントコントロールをマツダ車として初採用
トランスミッションは、新開発のトルコンレス8速AT。多段化による滑らかで応答の良い変速とワイドレンジ化により、走りと環境性能の両立を目指してのことだ。
シートは、前後左右のGに対して乗員がバランスを取りやすいよう、骨盤を立たせるサポート構造。バネとウレタンもクルマからのフィードバックを感じやすい特性に進化させることで、よりシンクロした人とクルマの動きに注視してのことだ。
駆動形式はFFと4WDを選択できる。4WDは新開発の後輪駆動ベースのi-ACTIV AWDが採用される。減速時には回生協調ブレーキと連携し、前後の回生配分を最適化することで、効率的で安定した制動姿勢を実現してくれるそうだ。
「マツダインテリジェントドライブセレクト (Mi-Drive)」では、新たにEVモードとトーイングモードが追加される。オフロードを含めたさまざまな走行シーンに最適化した「人馬一体の走り」を大いに期待してもいいだろう。
■Mi-Drive 走行シーンに応じて選択できる5つのモード
【NORMAL MODE 】
燃費と走行性能のベストバランス。 日常ユース全般において快適な乗り心地を提供。
【SPORT MODE】
応答性の向上など、ダイナミクス性能のポテンシャルを最大限に発揮。 あわせてAWD機能を活用して操舵安定性を向上する。
【OFF-ROAD MODE】
未舗装路や深雪を走行する際に最適なモード。 AWD やトラクションコントロールシステム (TCS) をトラクション重視の特性に変更する。スタック脱出をサポートする 「オフロード ・ トラクション ・ アシスト」 機能も装備。
【TOWING MODE】
「トーイング(牽引)」する際に使うモードを新設定。パワートレインの出力特性を重量増加状態に最適化することで、走りのゆとりを確保してくれる。 AWDの制御も最適化されるので、直進安定性などが向上する。
またトレーラー牽引状態にAWDを最適化することで直進安定 性を向上し、 長距離走行をより快適にします。
【EV MODE】
PHEVモデルにのみ設定。環境性能に優れるだけでなく、 閑静な住宅街などで周囲に配慮した走行を可能にする。
「ヒルディセントコントロール」が、マツダ車として初採用されたのも話題のひとつだ。ドライバーがブレーキを踏み続ける必要がある急な下り坂で、ドライバーが任意に設定した車速を維持し、安全な降坂走行をサポートしてくれる。
「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」にも注目したい。ドライバーの体格に合わせて理想的なドライビングポジションを自動調整する自動ドライビングポジションガイドなど、クルマとの一体感、安心・安全をご提供してくれるシステムだ。パッケージオプションとして5万5000円(税込)で設定されている。
4つの世界観が生み出すエクステリア&インテリアのオリジナリティ
デザインは、「ノーブルタフネス(Noble Toughness)」がコンセプト。その狙いのとおり、エクステリアは堂々とした風格のあるフロントフェイスと、ロングノーズ/ショートデッキの力強く動きのある骨格が印象的だ。
魂動デザインの真髄である、生命体が地面に踏ん張り、後ろ足で前に向かって跳躍するような生命感も巧みに表現されている。骨格の動きに連動する大胆な光の魅せ方によるエレガントな面質も魅力だ。
インテリアは、インストルメントパネル、サイドルーバーからドアトリムへ連続する造形でワイドでリッチな空間を演出。前後を貫く大型コンソールは、FRらしいたくましいトランスミッションとその先にある縦置エンジンの存在を感じさせ、構造的な強さを感じさせてくれる。
ボディカラーに、第三の「匠塗カラー」で禅の世界の「無」から着想した「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」が初採用されたのもの話題だ。ちなみに、エクステリアとインテリアを貫く固有の価値観の根拠として、マツダの開発陣はCX-60に以下の4つの世界感を描いている。
■CX-60の4つの世界観
【プレミアムモダン】自然がもたらす変化に美を見出し、きめ細やかにしつらえる日本人の精神を表現>
【プレミアムスポーツ】成熟した大人の遊び心を揺さぶり、心昂らせる、上質なスポーツカーのような質感と大胆さを表現
【ギャラント】丈夫なSUVでありながら、各部の質感を高めて大人の魅力を演出
【アクティブ】丈夫で気兼ねなく使え、大切な人と共に過ごす相棒のような存在
先進安全技術をはじめ、ドライバーファーストの装備が充実
先進安全技術の充実も怠りない。ドライバーの異常を検知し、事故の回避・被害低減を図る、高度運転支援技術のひとつとして「ドライバー異常時対応システム(DEA)」が初採用となった。さらに、交差点右左折時の事故回避をアシストする機能など、マツダ初採用の先進安全技術(i-ACTIVSENSE)も複数搭載される。
視認性にもこだわりをみせる。狭い場所でも周囲の状況を確認できる、360度ビューモニターに加え、シースルービューが採用される。TFT画面は12.3インチのフル液晶メーターとなり、センターディスプレイも12.3インチと大型なものが配される。
衝突安全技術は、マルチロードパス、軸圧縮フレーム、骨格のストレート化により、エンジン縦置レイアウトでありながらクラストップレベルの歩行者保護性能と前面衝突安全性能を達成。強度の異なる高張力鋼板を効率的に組み合せたBピラーも新たに採用されている。また、製造時・走行時の温室効果ガスの低減を図りながら、側面衝突時の必要性能も向上させているという。
心地よい室内空間への配慮もある。マツダ・ハーモニック・アコースティックスを進化させ、より上質なサウンドを再現するとともに、開放的な視界と明るさを実現する幅950mm×長さ1021mmの大型パノラマサンルーフの採用、前後ドアトリムに白色のアンビエントライト採用によるインテリア素材の色味の良さの強調などだ。
そして、遮音(透過損失)と吸音技術の向上により不快な音はカットしながら、エンジンサウンドなど心地よい音はしっかり届くマツダらしい上質な静粛性実現の試みも忘れてはいけない。
CX-60の車両価格帯(税込)は299万2000円から626万4500円からとなっている。
マツダ CX-60 XD エクスクルーシブモード 主要諸元
●全長×全幅×全高:4740×1890×1685mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:1890kg
●エンジン:直4DOHCディーゼル
●総排気量:3283cc
●最高出力:170kW(231ps)/4000-4200rpm
●最大トルク:500Nm/1500-3000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:軽油・58L
●WLTCモード燃費:18.3km/L
●タイヤサイズ:235/50R20
●車両価格(税込):471万3500円
[ アルバム : マツダCX-60 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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