新生アルピーヌの第2弾は電動ホットハッチ
マニアックなクルマ好きから、称賛を集めてきたアルピーヌ。2シーター・ミドシップのA110で21世紀に復活を果たし、第2弾として誕生したのが電動ホットハッチのA290だ。新時代へ対応しつつ、より幅広い層へ受け入れられるモデルが目指されている。
【画像】公道へドンピシャなシャシー アルピーヌ A290 A110とA390 電動ホットハッチたち 全132枚
A110の販売は、正直なところ低調といえる。だがA290は、ベースとなるルノー5 E-テックとの注文割合が、英国では6:1と堅調。バッテリーEVに対する政府の補助金、3750ポンド(約79万円)の対象になり、その割合が増える可能性は小さくない。
プラットフォームは日産と共同で開発され、小型・低価格モデルを想定したAMPRスモール。コストを抑えるべく、パワートレインも含めてシンプルな成り立ちにある。
シングルモーターの前輪駆動で176psか218ps
駆動用モーターはフロントに1基で、5 E-テックより強力な他励同期ユニット。重量がかさむ、永久磁石を必要としていない。最高出力は2段階あり、ベースグレードで176ps、上位グレードでは218psを発揮する。
駆動用バッテリーは52kWhの容量で、フロア下に搭載され、シャシー剛性も高めている。電圧400Vで制御される、NMC(ニッケル・マンガン・コバルト)ユニットだ。
アルミ製のフロント・サブフレームはA290の専用品で、駆動用モーターの搭載位置を落としている。サスペンションアームとホイールハブも通常の5 E-テックと異なり、トレッドは60mmも広く、ワイドなホイールに対応する。
サスペンションのスプリングやダンパー、アンチロールバー、油圧バンプストッパーも、通常より引き締められたA290の独自アイテム。スポーティなタイヤは、ミシュランと共同開発され、サイズは225/40の19インチが標準となる。
初代「5」を想起させるボディ
全長は3997mm、全幅が1820mmと、ボディは小柄。AUTOCARが計測したところ、車重はすぐに走れる状態で1479kgだった。さらに小柄なアバルト500eより約100kg重いが、ミニ・クーパー SEより200kg以上も軽い。
スタイリングは、初代ルノー 5 ターボを想起させるもの。フェンダーラインが膨らみ、フロントにはスポットライト風のデイライトが備わる。走行会で破片が飛ばないよう、ライトへX状にテープを貼ることがあるが、グラフィックはそれを模している。
特徴的なデザインのアルミホイールは、アイコニックと呼ばれるアイテム。1970年代のクーペ、A310が履いていたホイールをトリビュートしたものだという。
広くはない車内空間 回生ブレーキはノブで調整
運転体験を優先し、ホイールベースは短く、ルーフラインも低い。それと引き換えに、車内空間が広いわけではない。アルピーヌらしい、割り切り方といえる。
運転席の位置は、クーパー SEほどではないものの、充分低め。シートは座り心地が良く、サイドボルスターやヘッドレストの配置も好ましい。背もたれを適度に倒せば、快適な運転姿勢に落ち着ける。太もも部分は、もう少しサポート性が高くてもいいが。
リムの太いステアリングホイールには、回生ブレーキの強さを選べるノブ。パドルの方が良い、と感じる人はいるかも。その反対には、ドライブモード用のボタンがある。
メーターはモニター式。スピードやパワー、回生ブレーキなどの情報は、ピラミッド状のグラフィックで描かれる。センターコンソールの、D・N・Rのシフトセレクターは独立したボタン。異なるデザインなら、不足気味な小物入れを拡大できたかもしれない。
うれしい物理スイッチ 高級感ある内装
タッチモニターの下には、実際に押せる物理スイッチが並び、エアコンなどの操作はしやすい。ラジオのボリュームも、モニターパネル上部にあるボタンで調整でき、うれしい。前席側には、USBポートやスマートフォンの無線充電パッドも備わる。
内装の素材は、全体的に上質。価格が高めのハッチバックとして、納得できる高級感を漂わせる。しかし、ドアポケットは小さく、カップホルダーはそもそもない。
後席側は、ドアの開口部が狭めで、高身長の大人は乗り降りしにくいかも。空間も広いわけではなく、快適に長時間過ごせるのは中学生くらいまでだろう。荷室容量は277Lと手狭だが、後席を倒せば959Lまで拡大できる。
気になる走りの印象とスペックは、アルピーヌ A290 GT(2)にて。
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