■誰もが驚いた「オートフリートップ」
マツダ「ボンゴフレンディ」とは、「ミニバンに“泊まれる”という付加価値を、メーカー純正の品質で提供する」という唯一無二の価値を追求した一台です。
【画像】超カッコいい! これがマツダの「大人4人“寝られる”ミニバン」です! 画像で見る(30枚以上)
気ままな車中泊旅やキャンプがブームとなっている今、再び評価が高まっているといいます。
1995年、セミキャブオーバー型の3列シートミニバンとして新たに誕生したボンゴフレンディ。
発売当初の価格は、最も手頃な2リッターガソリン・ノーマルルーフ仕様で約180万円からと、新たなライフスタイルへの入り口として魅力的な設定でした。
最大の特徴は、電動でルーフが持ち上がり、大人2人が就寝可能なテントになる「オートフリートップ」にありました。
デザインは、フロントマスクとスクエアで実用的なボディ形状が特徴です。
メカニズムはFR(後輪駆動)レイアウトを基本とし、信頼性の高い2リッター直列4気筒、力強い2.5リッターV型6気筒の各ガソリンエンジン、経済的な2.5リッターディーゼルターボを選択でき、ディーゼルにはフルタイム4WDの設定もありました。
ボディサイズは仕様により異なり、全長は4620mm-4655mm、全幅は1690mmで、基本的には5ナンバー枠に収まります。
全高はノーマルルーフで約1960mmですが、オートフリートップ装着車は2090mmに達し、3ナンバー扱いとなっていました。
スクエアなボディを活かした室内は広々とした空間を有し、高い実用性を備えていました。
シートをフルフラットに倒せば室内側でも大人2名が余裕で就寝できる空間となり、オートフリートップとあわせて家族4人の車中泊も可能なほどでした。
1998年には内外装をリフレッシュし、1999年にはディーゼルエンジンを改良。2001年にはオートフリートップを全面刷新するなど改良を重ねています。
2005年11月に生産を終了し、翌2006年4月までに販売を完了したことでその歴史に幕を下ろしました。
ボンゴフレンディの生産終了の理由について、マツダから明確な公式発表はありません。しかしその背景には、時代の変化とマツダ自身の経営戦略という複数の要因が、複雑に絡み合っていたと考えられます。
最大の要因は、2000年代に入り、ミニバン市場の主役が商用バンに近いセミキャブオーバー型から、より乗用車に近いFF(前輪駆動)レイアウトのスタイリッシュなモデルへ完全に移行したことです。
トヨタ「エスティマ」やホンダ「オデッセイ」などが市場を席巻する中、フレンディは旧態化が否めませんでした。
また2000年代初頭のマツダは経営改革の最中にあり、「Zoom-Zoom」をスローガンに掲げ、スポーティでデザイン性の高い乗用車の開発に経営資源を集中しました。
コンパクトカー「デミオ」やセダン&ワゴンの「アテンザ」が生まれる一方で、当時としてはまだまだニッチな市場向けのフレンディは、そのブランド戦略の方向性と合致しなくなっていたのです。
さらに、年々厳しくなる排出ガス規制や衝突安全基準への対応も課題でした。とくにディーゼルエンジンは、次世代規制をクリアするために莫大な開発コストが必要となります。
販売台数が限られるボンゴフレンディのために、その投資を行うことは経営的に困難だったと推測されます。
■デビュー後30年を経過してもなお中古車人気を維持!
現在、ボンゴフレンディの中古車は、その特殊な成り立ちから希少な状態にあります。
流通台数は全国でも100台以下と非常に少なく、特に後期型で状態の良い個体を見つけるのは困難です。
中古車の相場は、おおむね35万円から200万円近くと幅広く、中心価格帯は100万円前後。大手中古車検索サイトにおける平均価格も95万円から110万円で推移しています。
特にオートフリートップ付きの4WDモデルは人気が高く、同条件の2WDに比べて20万円から30万円ほど高値で取引される傾向があります。
SNS上では、その唯一無二の個性から今なお根強い人気を誇っています。「こんなクルマ、もう出てこないだろうな」「最高のファミリーカーだった」といった、そのコンセプトを再評価する声が数多く見られます。
特にオートフリートップは「秘密基地みたいでワクワクする」「子どもが大喜びした」など、単なる移動手段を超えた体験価値を提供していたことが、多くのユーザーの心に深く刻まれています。
なおマツダでは、ボンゴフレンディ販売終了後、2008年に実質的な後継ミニバン「ビアンテ」を投入しました。
ただしオートフリートップ仕様は設定されないまま、2018年に生産を終了しており、その後マツダはミニバン市場自体から撤退しています。
※ ※ ※
マツダは現在、上質感を追求する「ラージ商品群」のSUVラインナップ拡充に注力しており、ボンゴフレンディのような実用的なモデルがブランド戦略に組み込まれる余地は乏しいのが現実です。
可能性があるとすれば他社のミニバンOEMモデルという選択肢ですが、最大の個性であるオートフリートップを独自で架装し、量販価格設定で販売しようとするのはかなり厳しいでしょう。
再び潜在的な需要が高まっているとはいえ、ボンゴフレンディ復活の可能性は、残念ながら低いといわざるを得ません。(佐藤 亨)
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みんなのコメント
バカなのか?
そして、ちょうど良いサイズでもねーんだよ!
本当、見出し詐欺ばっかだな!
昭和の人なのかなぁ