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【国内試乗】「マクラーレンGT」マクラーレン初のグランドツーリングカーが上陸!

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【国内試乗】「マクラーレンGT」マクラーレン初のグランドツーリングカーが上陸!

マクラーレンGTはスポーツ、スーパー、アルティメットに続く第4のプロダクションシリーズだ。圧倒的な動力性能を持つスーパーカーでありながら、快適性や利便性も徹底追求。そんな国内導入間もないGTを公道に連れ出してお手並み拝見!

運動性能はキープしつつ優れた快適性と積載性を

マクラーレンの国内累計販売が1000台を突破

マクラーレンとしては初となるグランドツーリングカー、その名もずばり「マクラーレンGT」が日本上陸を果たした。同社は「アルティメット」、「スーパー」、「スポーツ」と、これまで3つのシリーズを展開してきたが、GTはここに第4のシリーズとして加わり、今後さらにバリエーションを拡充させて行くのだという。

もっともマクラーレンはこれまでにもスポーツシリーズで「570GT」をラインナップしており、これがもっともベーシックな存在かつ、日常性能を満たす立ち位置に居た。具体的にはリアハッチを横開きさせ、220Lのツーリングデッキを用意し、フロントボンネット下と合わせて合計370Lの荷室容量を得ていた。

これに対して新生GTは、ボンネット下の容量は150Lと同等ながら、今回から跳ね上げ式としたリアゲート下には420Lと、倍近い荷室スペースを確保した。
実際それは機内持ち込み用のスーツケースが置けるほどの広さであり、ある種言い訳がましく聞こえた570GTの詰め込み感はかなり薄まった。ガラス越しに荷物が見えてしまうあたりはエレクトロクロミックガラスの設定が欲しいところだが、伴侶とふたりの小旅行であればスーツケースはフロントに収納し、リアに手荷物を置いて後方視界は良好、という使い方が十分にイメージできる。

そう。このマクラーレンGTは、どうしてもマクラーレンに乗りたいエンスージャストが、ワイフを説得するためにある一台。ラゲッジ用のリアシートとトランクを持つフロントエンジンのライバルや、どでかいSUVを相手にして奥方に「こっちがいいわ」と言わせないための、最後の砦なのである。
そんなマクラーレンGTで、次期オーナーが一番気になるのは、荷室を得たことによる動力性能の低下ではないだろうか?

全長4683×全幅2045×全高1213mm。ホイールベースは2675mm。このサイズは現行モデルにおいてスピードテールに次ぐ大きさ。ちなみに車重はDINウェイトで1530kgとなる。
この数値を570GTと比べると全長は153mm長く、全幅は50mm狭く、全高は12mm高い。ホイルベースは5mm長くて車重は32kg重たい、と言うことができる。

レーシングテクノロジーをフィードバック

GTに搭載されるエンジンは4Lの排気量を持つV8ツインターボで、その出力は620ps/630Nmにも及ぶ。対して570GTのV8ツインターボは3.8Lの排気量から570ps/600Nmのパワー&トルクを発揮するから、パワーウェイトレシオ的に見てもマクラーレンGTは2.46kg/ps、570GTが約2.63kg/psと、これをわずかに上回っているのである。

パワーウェイトレシオ2kg台の動力性能といえば、それはもうレーシングカーの領域だ。
そのハンドリングもマクラーレンがこの10年で積み上げてきた、レーシングスペックを市販車へとキャリブレーションする技術の結晶そのものであり、少なくともタイヤのグリップが全てを支配するオープンロードでは、そこにアンダーステアやオーバーステアを語る余地はない。極めてドライバーの操作に忠実な、オンザレールのハンドリングとなっている。

プロアクティブ・ダンピング・コントロールシステムはその設定を3段階に可変するが、むしろ一番ソフトな「C」モードが日常的な路面にはベストマッチで、おまけにこれが、恐ろしく乗り心地がいい。そして速度が上がるほどに車体は路面へ吸い寄せられ、タイヤがそのグリップを高めて行く。

V8ツインターボのサウンドは、官能的とは言えない。しかしアクセルを踏み込めば空気を思い切り詰め込んでいるのがはっきりとわかる回転上昇感。これを閉じたときの排圧の高さ。そしてパーシャル領域からの鋭いピックアップを味わうと、このユニットがいかに真面目に作り込まれているのかを思い知らされる。7速DCTの途切れないシフトワークを介して、バカみたいなパワーをどこからでも引き出すことができる喜び。走り込めば走り込むほど、その質感が体に染み渡ってくる感じがする。

車体中央にV8ユニットを低くマウントするレイアウトの素晴らしさは、これこそがマクラーレンを手に入れる最大の理由であり、その恩恵はGTにもきっちりと受け継がれていた。そしてカーボン製バスタブシャシー「モノセルII-T」の堅牢さが、620psのパワーを完璧に受け止めた上で、そのピュア・レイアウトの美点を余すところなく動きに変換してくれた。720Sなどはここからさらに異次元の俊敏性を上乗せし、ワープするような身のこなしを披露してくれるが、「GT」の名を冠するのであればここで寸止めするのもアリだろう。むしろ鋭利過ぎないハンドリング、その動力性能をトゥーマッチに感じさせない抑え込みが見事だと思う。

だからマクラーレンGTを運転していると、戦慄こそ覚えないがどこまでも走り続けたくなる。速さの中にも乗り手を陶酔させる走りの上質感は、まさにマクラーレンが作るGTカーだと言えよう。
まだまだ室内でレザー張りがきしむなど市販車としての洗練を得ていない部分もあるが、果たしてそれを得たときに、今の狂気を保っていられるのか? そう考えると、このままでも良い気がする。
私がこれを手に入れたら、恋人を連れずにまずひとりで遠方を目指すだろう。それほどマクラーレンGTの走りはスウィートだ。ハイエンドカーは速くて当たり前。いかに贅沢な時間を過ごせるかが、何より大切なのである。

【Specification】マクラーレンGT
■全長×全幅×全高=4683×2045×1213mm
■ホイールベース=2675mm
■トレッド=前1671、後1663mm
■車両重量=1530kg
■エンジン種類=V8DOHC32V+ツインターボ
■総排気量=3994cc
■最高出力=620ps(456kW)/7500rpm
■最大トルク=630Nm(64.2kg-m)/5500-6500rpm
■燃料タンク容量=72L(プレミアム)
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=前Wウイッシュボーン/コイル、後Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前後Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前225/35R20(8.0J)、後295/30R21(10.5J)
■車両本体価格(税込)=26,450,000円




お問い合わせ
マクラーレン東京03-6438-1963/マクラーレン麻布03-3446-0555/マクラーレン名古屋052-528-5855/マクラーレン大阪06-6121-8821/マクラーレン福岡092-611-8899

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