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ERC第7戦はマッズ・オストベルグ勝利も、アンドレアス・ミケルセンが初のチャンピオンを獲得

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ERC第7戦はマッズ・オストベルグ勝利も、アンドレアス・ミケルセンが初のチャンピオンを獲得

 10月22~24日にハンガリー北東部ニーレジュハーザのターマックロードで争われた2021年ERCヨーロッパ・ラリー選手権第7戦ラリー・ハンガリーは、レグ1を通じてほぼラリーを支配したニコライ・グリアシン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5/スポーツ・レーシング・テクノロジーズ)がまさかのペナルティに沈み、代わってマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2/TRTシトロエン・ラリーチーム・ハンガリー)がERC初優勝を達成。そして総合6位でフィニッシュした選手権リーダーのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ/トクスポーツWRT)が、先週のWRC2タイトル獲得に続き、ノルウェー出身ドライバーとして初の欧州選手権チャンピオンの称号を手にしている。

 ハイスピード&ナローの高難度セクションを特徴とする舗装路で始まった勝負は、金曜夜のスーパーSS(SSS)からロシア出身の”ヤングガン”がスパート。これが同ラリー初挑戦ながら、明けた土曜早朝にも連続ステージベストを叩き出したグリアシンが、2番手に続いた地元出身ノルベルト・ヘルツェグ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)に対し、7SSを経て25.8秒ものリードを築いた。

首位快走のダニ・ソルドはトラブルに散る。アンドレアス・ミケルセンが盤石の連勝劇/ERC第6戦

「僕らは懸命に仕事を続けなければならないけど、パンクを喫するのは一瞬で本当に簡単だ。だからセーフティサイドに留まる必要があるし、ステージをよく知る必要もある。プッシュしすぎてコース外側の”何か”にわずかでもタッチすれば、すべてを失うからね。最速である必要はなく、一貫性を保つのが重要だ」とグリアシン。

 一方、この日の午前からシュコダのパワーダウンに悩まされたチャンピオン候補のミケルセンは、SS7で右フロントタイヤの損傷にも見舞われさらにタイムを失い、総合7番手で夜を越すこととなった。

「ウェイストゲートになんらかの問題が発生し、ワイヤーハーネスが断線したみたいなんだ」と明かしたミケルセン。「なぜそれが起こったのかはわからないけど、基本的に走れないほどではなく、SS3とSS4ではローパワーながらなんとか競技を続行できて幸運だった」

「僕らの優れたエンジニアが最高の動画を送ってくれたので、リエゾン区間で何を修正すべきかは理解できたが、手持ちの道具での完全リペアは難しかった。明日以降も選手権に向けては良い落としどころを探る必要がありそうだ」

■「このチャンピオンは間違いなく僕のキャリア・ハイライトのひとつ」とミケルセン

 明けた日曜はオープニングのSS8で総合2番手にいた地元ヘルツェグが大クラッシュを喫し、いきなり戦列を去る波乱で幕を開けると、総合首位のグリアシンも「その事故現場でステージサイドにいたマーシャルの指示に従わず、スローダウンの要請を無視した」として15分ものタイム加算ペナルティを課され22位に降格。

 代わって首位に立ったのは、土曜午前には側溝に足元をすくわれ高速スピンを喫しながらも、SS6とSS7の連続トップタイムで総合3番手までカムバックしていたオストベルグで、日曜にもパンクを喫しながらSS10~11、そして最後のSS13~14も連続ベストをマークし、思わぬかたちで自身ERC初優勝を飾ることとなった。

「僕らには終始スピードがあったし、いくつかのステージに勝つこともできたが、それと同じだけ問題も発生した。すべては僕のミスによるもので、取り戻すのは本当に大変だったよ」とオストベルグ。

 そのオストベルグと同郷のWRC世界ラリー選手権通算3勝のミケルセンは、エフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ/ラリーチーム・スペイン)やシモン・カンペデッリ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)に次ぐ6位でフィニッシュ。その結果、ノルウェー出身者として初のERCチャンピオンに輝いた。

「もちろん、シーズン前の目標はERCチャンピオンシップを勝ち獲ることだったから、とてもうれしいよ」と喜びを語った2021年FIA WRC2王者でもあるミケルセン。

「すべてのドライバーにとって非常にハイレベルで厳しい選手権であり、簡単でないことは理解していたが、僕らは良いシーズンを過ごし、非常にスマートにドライブし、必要なときにポイントを獲得することができた」と勝因を明かすミケルセン。

「世界選手権以外で手にすることができる最高峰のタイトルであり、このチャンピオンは間違いなく僕のキャリア・ハイライトのひとつだ。知る限り、同じ年にこのふたつのタイトルを獲得したドライバーはいないと思うよ」

「シーズン前は、WRC2よりこのERCでタイトルを獲ることの方が難しいだろうと考えていた。実際、ERCのペースとスピードは本当に高く、勝利のために戦いたいのなら本当に限界までプッシュする必要があったからね。長い間これらのラリーやシリーズを戦って来た面々と勝負するのは本当にタフだったね」

「2021年はふたつのビッグタイトルを獲得して、また将来的にWRCへ挑戦するチャンスを得ることが目標だった。簡単なことではないけれど、まずはダブルタイトルの目標を達成できた。とても助けになるだろうし、来年がどうなるか楽しみにしているよ」

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