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500馬力の3リッター「直6」ツインターボ搭載! もう“最後”!?「ALPINA B4 グランクーペ」がスゴイ! 2025年末で消える「“正統派”スポーツクーペ」は語り継がれる「不朽の名作」

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500馬力の3リッター「直6」ツインターボ搭載! もう“最後”!?「ALPINA B4 グランクーペ」がスゴイ! 2025年末で消える「“正統派”スポーツクーペ」は語り継がれる「不朽の名作」

■2025年12月末でBMWとのパートナーシップを解消する「アルピナ」

 ドイツの「ALPINA(アルピナ)」は2022年3月、長年にわたってパートナーシップを結んできたBMWにALPINA商標権を譲渡すると発表しました。車両開発と生産は2025年末までおこなうとし、アルピナはエンジニアリングと開発分野にシフトしていくといいます。
 
 大きな事業再編のなかで、アルピナにとってもほぼ最後といえる市販モデル「アルピナ B4グランクーペ」に乗り、独自の「味」について改めて試してみることにしました。

【画像】超カッコいい! これが500馬力の「“正統派”スポーツ」です! 画像で見る(30枚以上)

 BMWには、BMWのレーシング部門が結集して設立された「BMW Motorsport社」が手がるハイパフォーマンスモデルの「M」があります。

 過酷なレースの現場で鍛えた技術とノウハウに裏付けされた、さまざまなスポーツモデルを世に送り出しているBMW直属のブランドとなっています。

 一方でアルピナは、アイディアと探究心、情熱にあふれた創業者ブルカルト・ボーフェンジーペン氏が、1960年代に自らが開発したパフォーマンス向上システムを投入するための最適なモデルとして、当時最先端だったBMW1500を選択したところから始まりました。

 システムを搭載した市販車はドイツの専門家たちに絶賛され、ほどなくしてBMWからもお墨付きを獲得。モータースポーツでも、スパ・フランコルシャン24時間レース優勝をはじめ多くの栄光を手にし、あくまで独立したブランドとして、アルピナの名を世界に轟かせていくのです。

 以来50年以上にわたり、互いの技術への信頼と信念のもとにBMWとのパートナーシップが続き、少数生産によるクラフツマンシップを大切にした数々のラグジュアリー・ハイパフォーマンスカーを生み出してきたアルピナ。

 しかし世界的な電動化・安全・環境性能への規制強化の波は、少数生産のメーカーに苦渋の決断を迫りました。

 創業家ボーフェンジーペン家がつくるアルピナは、2025年いっぱいをもって終了することがアナウンスされ、その後はBMW社に商標権を譲渡。BMWがどのようにアルピナを継続していくのか、詳細はまだ明らかにされていない状況です。

 そんなわけでポーフェンジーペン家のアルピナに乗れるチャンスは、もうそうそう巡ってこないと覚悟していましたが、今回、幸運にもアルピナ B4グランクーペに試乗することができました。

 なお2025年4月現在、同モデルはさらにアップデートを図った後継モデル「ALPINA B4 GT」(車両価格1710万円/消費税込み、以下同)にバトンタッチしていることを先にお伝えしておきます。

■さりげなく、でも特別な「世界に1台だけ」の佇まい

 アルピナ B4グランクーペは、 BMW「M440i xDriveグランクーペ」をベースに、エンジニアリングから内外装のカスタマイズに至るまで、アルピナによる独自のチューニングが施されているモデルです。車両価格は1495万円。

 搭載される3リッター直列6気筒ビターボ(ツインターボ)エンジンは、最高出力495ps・最大トルク730Nmと圧倒的な性能を誇ります。

 ただ、外観上でアルピナを主張するのは、フロントバンパーに控えめに入るALPINAのロゴと、ボディサイドにお馴染みのピンストライプ。足元にはALPINAのエンブレムを中心に20スポークが繊細かつ気品のあるオーラを放つ、クラシックホイールを装着しています。

 リアにまわると、専用となる4本出しマフラーがあるものの、目立つところといえばこれくらい。

 それでも、ロールスロイスなどにも通じる特別な風格が感じられるのは、オプションで約47万円というボディカラーのアルピナ・グリーンだったり、フロントフードの中に秘める圧倒的なスペックをもつパワートレインの静かなる迫力なのでしょうか。

 ドアを開けると、ハンドルは左側。右ハンドルは40万円のオプションで選ぶことができます。

 コクピットをはじめ、インテリアはクラシックな正統派ラグジュアリーと呼びたくなる、新しすぎず古すぎないディスプレイやレバー、スイッチ類が配置されています。

 センターコンソールには、アルピナのブッフローエ工場で生産された証であるシリアルナンバーが刻まれており、このナンバーはエンジンルームにも。

 乗るたびに必ず目に入る、この「世界に1台だけ」という特別感は、オーナーとしての歓びを高めてくれるもののひとつでしょう。

 ハリのあるクッションとサイドサポート形状で身体を包み込むシートに身を預け、握りの太いステアリングに手を添えると、とても崇高な気持ちがヒタヒタと押し寄せてくるのを感じます。

■今後も語り継がれていく「不朽の名作」

 そっとアクセルに力を込めていくと、四輪がガッシリと接地している感覚が足裏から手のひらから、瞬時に伝わってくるよう。

 BMWでいうところの「xDrive」である4WDを採用しているアルピナ B4グランクーペは、走行状況によって前後の駆動力配分を最適に可変するシステムを搭載します。

 速度を上げていくにつれてFRかと思わせるようなリアからのトラクションが強まり、グッと着座位置が路面に近づきそうな低重心感が大きくなってきます。

 とくに、ドライブモードでスポーツを選ぶとその傾向が強くなりますが、決して猛々しい音や荒っぽい挙動を見せることはなく、あくまで落ち着いた中に静かな興奮が宿っていく感覚です。

 何度も“正統派”という言葉を使ってしまいますが、これぞ正統派4ドアスポーツなのだとあらためて心に刻みながらドライブを楽しみました。

 コンフォートモードにすると、さらに上質な乗り心地を優先しながら走ることができます。

 アルピナ独自のチューニングだというスポーツサスペンションは、他のクルマで通った同じ路面が「舗装したばかり!?」と疑いたくなるほどの懐の深さで驚きました。

 まるで3人がけのソファのようにゆったりとした後席も心地よく、ショーファーカーとドライバーズカーの両方を望む人にも響くのではないでしょうか。

※ ※ ※

 かつて、世界の多くの輸入ブランドが「東京モーターショー」から撤退した時、アルピナだけは日本のオーナーのためにブースを出展し続けてくれたことを思い出します。

 アルピナにとってドイツ、アメリカに次いで重要な国だという日本。

 身振り手振りの身体全体で感情を外に出すのではなく、平静を装いながらも、内心では感情を爆発させることも多い日本人の気質に、アルピナは少し親しみを覚えるところがあるのかもしれません。

 今後も語り継がれていく不朽の名作。そんなタイトルを贈りたくなる1台です。

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みんなのコメント

1件
  • *****
    何か、マセラティみたいなグリルになってきたね💦
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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