メルセデスGLEのフェイスリフトから数か月後、AMGのトップモデルにも改良が施された。刷新されたフロントフェイスに加え、新しいエンジンも採用している。
改良を受けた「メルセデスAMG GLE 63 S」のフロントマスクは、一目でその存在感を主張する。「道を空けろ!」と言わんばかりの迫力だ。通常のGLEでも十分な威圧感を持つが、600馬力を超えるトップモデルは、さらに攻撃的な印象を与える。
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見渡す限りのスリーポインテッドスターその理由は大型化されたエアインテークだけではない。縦ルーバーを採用した新デザインのイルミネーション付きパナメリカーナグリルと、大型センタースターが圧倒的な存在感を放っている。
迫力のフロントマスク。「GLE 63 Sクーペ」には、新たな「ナイトパッケージII」が装着されており、グリルフレームや各部トリムは「ダーククローム」仕上げとなる。ボディカラーの「アイルランド ミッドグリーン メタリック」とも見事に調和している。ツインスターグラフィックを採用した新型ヘッドライトは、すでにGLEのフェイスリフトモデルで導入済みだ。
五つ星デラックスリアビューも同様のデザインコンセプトが採用されている。左右分割式の新型テールランプにはスターグラフィックが組み込まれ、従来型に代わって装着された。これによりGLEはフロントとリアの両方に「五つ星」を備えることになった。
AMGではこれを"Aシェイプラジエーターグリル"と呼ぶ。スターグラフィック入りヘッドライトは通常のGLEでも採用されている。その下には新開発のAMGパフォーマンスエグゾーストシステムを装備。ダーク仕上げのテールパイプを採用し、標準装備の可変バルブによって本物のV8サウンドを響かせる。AMGファンにとって、このサウンドは年々希少な存在になりつつある。
V8ツインターボは継続だからこそ、「GLE 63 S」と「GLS 63」が人気の4.0リッターV8ツインターボを維持したことは歓迎すべきニュースだ。もっとも、そのためにはアファルターバッハで大幅な改良が施された。
最高出力612PS、最大トルク850Nm(2,500~4,500rpm)という数値だけを見ると従来型と変わらないように思える。しかし改良内容は非常に大規模だったため、このV8エンジン「M177」は新たに「Evo」の名称が与えられた。
V8エンジンはアップデートされて「M177 Evo」となった。具体的には吸気側カムシャフトの変更、燃料噴射システムの刷新、フラットプレーンクランクシャフトの採用、さらに数多くの細かな改良が施されている。
その目的は、アファルターバッハ製V8エンジンを将来にわたって存続させること。メルセデスAMGによれば、この「M177 Evo」は今後さらに高性能かつ高効率な新世代V8エンジン群の基盤となるという。
0-100km/h加速は3.9秒GLE 63 Sは従来どおりマイルドハイブリッドを採用する。ISG(スタータージェネレーター)は23PSと205Nmを追加で発生する。動力性能は従来型から変わらず、「GLE 63 S 4MATIC+」は0-100km/h加速3.9秒、最高速度は電子制御によって280km/hに制限される。
GLE 63 Sには新デザインのホイールも設定される。写真のホイールは従来から採用されているタイプ。スチールブレーキ用キャリパーにはブラックもオプション設定された。電子制御技術も充実している。トップモデルには電動アクティブスタビライザーによるアクティブロールスタビライゼーションと、リアアクスル電子制御LSDを標準装備。さらにAMGライドコントロール+エアサスペンションも追加費用なしで備わる。
写真:12.3インチディスプレイを3枚並べた「スーパースクリーン」がGLE 63 Sでは標準装備となる。AMGシリーズにもスーパースクリーンを標準装備インテリアに大きな驚きはない。ダッシュボードいっぱいに広がるディスプレイ構成は通常のGLEと共通だ。好みの分かれるデザインではあるが、3枚のディスプレイを区切る太いブラックベゼルはやや野暮ったく見える。一方で最新のMB.OSを標準装備し、短時間の試乗ではレスポンスも速く、動作は非常に安定していた。AMG専用表示も用意され、駆動力配分などをリアルタイムで確認できる。
クローム処理された"Aシェイプラジエーターグリル"が目を引く。個性的ながら魅力的なボディカラー「アイルランド ミッドグリーン メタリック」。新採用となるAMGパフォーマンスステアリングは複数仕様を設定。試乗車にはカーボンとアルカンターラ(メルセデスでは「Microcut」と呼ぶ)のコンビネーションが装着され、高級感だけでなく手触りも非常に優れていた。おなじみのディスプレイコントロールボタンも備えられ、車内全体の仕上げ品質は相変わらず非常に高い。
当然ながら、その品質には相応の価格が伴う。フェイスリフト前モデルではSUVが約16万8,000ユーロから、クーペは17万8,000ユーロ以上という価格設定だった。
AMG GLEフェイスリフトの価格は未発表メルセデスAMGは2026年第3四半期から受注開始予定となるフェイスリフトモデルの価格をまだ公表していない。しかしSUV、クーペともに数千ユーロの値上げとなることは容易に予想できる。さらに「MANUFAKTUR」プログラムで好みの仕様に仕立てれば、車両価格は20万ユーロを超えるだろう。
まさに「五つ星デラックス」である。
GLE 63 Sと同時にGLS 63もフェイスリフトを受けた。結論:数多くのスターを散りばめた新しいエクステリアも、インテリアのスーパースクリーンも好みが分かれるだろう。しかし私にとって、それ以上に重要なのはひとつ。メルセデスAMG GLE 63 SがV8ツインターボエンジンを守り抜いたことだ。
Text: Jan GötzePhoto: Mercedes-Benz AG
【編集後記】今回のフェイスリフトで最も注目すべきポイントは、やはり4.0リッターV8ツインターボが生き残ったことだろう。電動化が加速する現在、高性能SUVの世界でも大排気量エンジンは年々姿を消しつつある。その中でメルセデスAMGは、環境規制に対応するためエンジンを大幅に改良しながらも、ブランドの象徴とも言えるV8を継続するという決断を下した。
一方で、フロントグリルや灯火類に採用された"スター"モチーフは賛否が分かれそうだが、デザイン以上にAMGファンが歓迎するのは、612PSを発生するV8ツインターボが健在であるという事実だろう。今後、この「M177 Evo」が次世代AMG V8の礎になるという点も非常に興味深い。V8の鼓動を味わえる時間は決して永遠ではないだけに、このモデルの存在価値はこれまで以上に大きいと言える。
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みんなのコメント
次期型デザインとのニコイチになる事が多い。
モデルチェンジのタイミングだろうけど
先代なんて途中からエンジンをV6→直6に変更してたな。