現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ミッションH24が3代目水素FCVプロトタイプを発表。2025年初頭のテスト開始を目指す

ここから本文です

ミッションH24が3代目水素FCVプロトタイプを発表。2025年初頭のテスト開始を目指す

掲載
ミッションH24が3代目水素FCVプロトタイプを発表。2025年初頭のテスト開始を目指す

 ル・マン24時間レースの主催団体であるACOフランス西部自動車クラブと、グリーンGT社改めH24プロジェクト社の共同プログラムである“MissionH24(ミッションH24)”は10月11日、歴代3代目となる水素燃料電池プロトタイプカーを発表した。

 まだ名前のないこの新しいマシンは、先月日本で開催されたWEC世界耐久選手権第6戦富士の会場にも展示された初代FCVプロトタイプ『LMPH2G』と、2代目の試作機として登場しミシュラン・ル・マン・カップの公式セッションに参加するなど、レースの現場で有益なデータを集めた『H24』の後継機だ。3台に共通するのは、水素と酸素を化学反応させて電気を生み出し、その電気でモーターを動かして走行する燃料電池車(FCV)であること。

ミッションH24、水素燃料電池車で時速290.8キロのレコード記録/ル・マン24時間

 引き続きトタルエナジーズやミシュラン、シンビオ、プラスチックオムニウム、リシャール・ミルなどの支援を受けるジョイント・ベンチャー・プロジェクトが11日に発表した新型マシンは、これまでのモデルとは大きく異なるスタイリッシュなデザインを持つだけでなく、パワートレインを構成する各コンポーネントについても過去の研究、開発、検証を得て進化を遂げている。

 具体的には、次世代のマルチスタック技術を用いて小型軽量化されたシンビオの水素セルシステムを搭載することで、出力密度が従来型の5割増しとなり、同時に最高出力は300kWに到達した。

 水素タンクはプラスティックオムニウム製で、国際規格ECE R134の認証を受け気体水素の貯蔵に関する安全規制のもっとも厳しい仕様への適合が保証されたものだ。車両には700気圧で7.8kg(3.9×2)の水素を貯蔵するタンクがふたつ搭載され、これらの総重量は約100kgであると発表された。このタンクを満タンにした状態からレーシングスピードで25~30分のスティントをこなすことがターゲットとなっている。

 電気モーターはリヤアクスルに1基搭載。従来モデルのH24では前後2モーター式を採用していたため、この分野でも前進が見られる。また最高出力650kW(約884ps)を発生するモーター自体の軽量化も図られ、目標値は従来より18kg軽い30kgとなっている。最高400kWを出力するリチウムバッテリーに関しても従来比マイナス12kgとなる80kgがターゲットに。駆動力をシャフトに伝えるミッションは1速のみだ。

 大幅にデザインが変わったボディについては、従来モデルと同様にアデスがシャシーを供給。各コンポーネントと同じく軽量化が行われておりH24の車重1450kgに対して3代目は1300kgという目標値が掲げられた。コクピット部の幅が狭いのはエアロダイナミクスと冷却性能の改善を見越してのものだ。

 今回の発表では、GT3上位のペースを目指すこのクルマの開発ロードマップも示された。まず、来年3月までにデザインが最終決定される。続いて6月にモックアップが発表され、10月以降パワーユニットの組み立てとベンチテストが開始される予定だ。車体の組み立て、および最初のトラックテストは2025年1月以降となっている。

こんな記事も読まれています

レトロな三輪EV 英モーガン「XP-1」コンセプト公開 量産化に向け試験中
レトロな三輪EV 英モーガン「XP-1」コンセプト公開 量産化に向け試験中
AUTOCAR JAPAN
ポルシェ911 詳細データテスト 精密さ極まるシャシー レースカー並みの空力 積載能力はほぼ皆無
ポルシェ911 詳細データテスト 精密さ極まるシャシー レースカー並みの空力 積載能力はほぼ皆無
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデのハイパワーEV『アイオニック 5 N』がトップ・ギア・カー・オブ・ザ・イヤー2023を受賞
ヒョンデのハイパワーEV『アイオニック 5 N』がトップ・ギア・カー・オブ・ザ・イヤー2023を受賞
AUTOSPORT web
電動化初年度の2024年STCCカレンダー発表。6月開幕のヨーテボリ市街地“デュエル”含む全6戦に
電動化初年度の2024年STCCカレンダー発表。6月開幕のヨーテボリ市街地“デュエル”含む全6戦に
AUTOSPORT web
F1、FIA、エクストリームHが水素ワーキンググループ結成へ「モータースポーツには短時間で新技術を広める伝統がある」
F1、FIA、エクストリームHが水素ワーキンググループ結成へ「モータースポーツには短時間で新技術を広める伝統がある」
motorsport.com 日本版
ローディン、F1超えの性能目指すハイブリッドハイパーカー“エフゼロ”の初テストを完了「他にはないクルマだ!」
ローディン、F1超えの性能目指すハイブリッドハイパーカー“エフゼロ”の初テストを完了「他にはないクルマだ!」
motorsport.com 日本版
レトロスタイルの次世代EV 一部公開 ルノー5 Eテック、航続距離400km
レトロスタイルの次世代EV 一部公開 ルノー5 Eテック、航続距離400km
AUTOCAR JAPAN
『ニッサンR86V』ル・マンへの第一歩を歩み出したニッサンの記念碑【忘れがたき銘車たち】
『ニッサンR86V』ル・マンへの第一歩を歩み出したニッサンの記念碑【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
ブリヂストンのタイヤ供給が決定。2026/27年導入予定のフォーミュラE“Gen4”サプライヤーが発表
ブリヂストンのタイヤ供給が決定。2026/27年導入予定のフォーミュラE“Gen4”サプライヤーが発表
AUTOSPORT web
トヨタ・ハイラックスが電動化 2.8Lディーゼルに「ハイブリッド」 燃費と走破性向上へ
トヨタ・ハイラックスが電動化 2.8Lディーゼルに「ハイブリッド」 燃費と走破性向上へ
AUTOCAR JAPAN
【トヨタの近未来EV戦略】トヨタが電気自動車攻勢を開始 2026年までに少なくとも6台の電気自動車を投入
【トヨタの近未来EV戦略】トヨタが電気自動車攻勢を開始 2026年までに少なくとも6台の電気自動車を投入
AutoBild Japan
650馬力の新型「アイオニック5 N」2024年に登場! 日本向け“専用”セッティングも実施! 国内ユーザーのための特別な取り組みとは
650馬力の新型「アイオニック5 N」2024年に登場! 日本向け“専用”セッティングも実施! 国内ユーザーのための特別な取り組みとは
くるまのニュース
トヨタがヤリスクロスサイズの「新型SUV」を世界初公開! 斬新フェイスに「コの字ライト」採用で24年に発売!? 欧州イベントで展示
トヨタがヤリスクロスサイズの「新型SUV」を世界初公開! 斬新フェイスに「コの字ライト」採用で24年に発売!? 欧州イベントで展示
くるまのニュース
【スクープ】トヨタのBEV「bz」シリーズの最大級SUV「bZ5X」市販型を大予想!スバルバージョンも登場か!?
【スクープ】トヨタのBEV「bz」シリーズの最大級SUV「bZ5X」市販型を大予想!スバルバージョンも登場か!?
LE VOLANT CARSMEET WEB
不可能と言われた「防弾」EV テスラ・サイバートラック、ついに納車開始
不可能と言われた「防弾」EV テスラ・サイバートラック、ついに納車開始
AUTOCAR JAPAN
ホンダ まったく新しいデザインの次世代EV群を導入 1月9日初公開へ
ホンダ まったく新しいデザインの次世代EV群を導入 1月9日初公開へ
AUTOCAR JAPAN
トヨタ新型「和製スポーツカー」実車公開! めちゃ「低く」「ワイド」なフォルムに“熱視線”! 欧州で初展示
トヨタ新型「和製スポーツカー」実車公開! めちゃ「低く」「ワイド」なフォルムに“熱視線”! 欧州で初展示
くるまのニュース
メルセデス・ベンツ、2代目『GLC』にプラグインの“350e 4MATIC Sports Edition Star”を追加
メルセデス・ベンツ、2代目『GLC』にプラグインの“350e 4MATIC Sports Edition Star”を追加
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村