徐々に情報が出てきたトヨタのTjクルーザー。本格的4WD+ミニバンというデリカのようなコンセプトを持つこのクルマ。
道具のように使えて、アウトドア派にもウケがよさそうな1台だ。そんなこんなで「欲しい!!」という声も多く聞こえるこのクルマ。
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最新の情報がベストカースクープ班にまた入ってきた。ベストカーWeb独占でお伝えしよう。
文:ベストカースクープ班/写真:トヨタ、編集部
■TjクルーザーはFJクルーザーの後継車種ではない
「Tjクルーザー」、SUVファンにとってはたまらなくいい響きじゃないですかぁ。
一昨年の東京モーターショーで公開され、すぐにでも発売されそうなほど、そのコンセプトカーの出来栄えがよかったし、人気のFJクルーザーが中止されるというアナウンス直後とあって、期待感は増すばかりだった。
タフに使い倒せるクルマの存在はいまの若者からも多く支持を受けるコンセプトだ。Tjクルーザーに胸躍る人も多いだろう
その注目のTjクルーザーについて、あるトヨタの開発関係者から直接話を聞くことができた。それによれば、どこも報じていない驚くべき証言が隠されていた。
まず、Tjクルーザーだが、FJクルーザーの後継車かというと少し違う。見かけによらず硬派な4WDのFJクルーザーと、ミニバンライクなTjクルーザーでは性格が異なる。そもそもFJクルーザーの生い立ちはランクル系にある。
1951年に登場したトヨタジープBJ型に続き、1953年の20、30型、そして実質的にランクルの原点とも言える1960年のFJ40系がある。
このFJ40が白いフロントグリルを採用していたことから、そのイメージを踏襲して誕生したのがFJクルーザーだった。
こちらが40系ランドクルーザー。FJ40と呼ばれたこのモデルのグリルこそが、後のFJクルーザーへと受け継がれるもの
ただTjクルーザーも共通するコンセプトがある。FJクルーザーは昔のFJをオマージュとしていたが、アメリカマーケットで若い世代に向けた新しい道具としての提案があった。
ここがFJクルーザーと同じなのだ。日本では、Fjクルーザーが昔からのランクルファンやマニアに向けて販売されたが、当初の狙いは新しいマーケットの開拓だった。その点がこのTJクルーザーも同じというわけだ。
それを証明したのが今回の証言だった。
■Tjクルーザーは北米専用車種としてデビューする!?
「FJクルーザーと同じように、当面は北米専用と聞いてます。直接の部署ではないので詳しいことはわかりませんが、日本仕様はもっと先になるのではないでしょうか? 来年登場することは間違いありません」
理由は1990年代のハイラックス以降、北米の若い世代に向けての成功作が少なく、FJクルーザーに代わるSUVが早急に必要ということだ。
北米でも成功を収めたFJクルーザー。RAV4も大健闘しているものの本格的4WDを備えるSUVの座は空いてしまっている
北米向けとしては小さすぎるのではという質問に、逆に今の日本のマーケットで小さめのSUVが飽和状態で、日本に投入するのはC−HRがもう少し落ちてきてからではないかというのだ(編註:RAV4の発売でC-HRの販売台数はやや落ち着いている)。
今、トヨタの2リッタークラスのSUVはC−HRとRAV4がある。そして近くダイハツと協同開発のコンパクトSUVが加わる。
トヨタはC−HRの開発の時に日産ジュークの動きを相当研究したといい、新しいデザイン、コンセプトのSUVは時間経過とともに飽きが早い、と見ているという。
もしやすると北米専売車種となる可能性もあるTjクルーザー。日本では別の形で登場するかもしれない
つまり、今後C−HRの動き次第で日本の投入時期を決めていくのではないかというのだ。
その開発関係者自身も北米用としては小さいし、何より東京モーターショーで見せているので、日本仕様があるのは間違いないのではないかという。
もしかしたら、東京モーターショー前の4月に行われたニューヨークショーで公開された「FT-4X」と呼ばれた少し大きいコンセプトカーも別にあるのではないかという。
これがFT-4X。白いグリルはまさにFJを意識してのもの。Tjとはコンセプトが異なるSUVである
ホワイトグリルでまさにFJクルーザーの後継のようなSUVが存在していることも否定できない。
FT-4Xも新しい世代のクロスオーバー。東京モーターショーで公開されたTJクルーザーと同じコンセプトだ。
それを北米ではTjクルーザーとして売り、日本ではこれを売ることも考えられる。あるいは北米向けはもっとワイド仕様があるという可能性もある。
■日本仕様登場の可能性は非常に高いから心配無用だ!!
2017年の東京モーターショー公開時のTJクルーザーのサイズは全長4300mm、全幅1775mm、全高1620mm、ホイールベースが2750mm。
ちょうどC−HRの全高を70mm高く、ホイールベースを60mm伸ばしたサイズ感だ。スタイリッシュなデザインながら、実用性という点で使いづらいC−HRの対極にあるのがこのTJクルーザーということになる。
やや武骨だがキリっとした印象のTjクルーザーコンセプト。フルフラットになる後席シートなど実用性抜群なのも関心が高まった理由だった
ミニバンのように広い室内、フルフラットとなるシートアレンジメント、SUVに求められる走破性、そして若い世代に受けいれられそうな新しいデザイン。どうみても日本のマーケットでも成功しそうではある。
エンジンについては2リッターのガソリンと1.8リッターのハイブリッドと予想されている。
これは実質的にC−HRと同じパワートレーンだが、北米専用車なら、RAV4のように2.5Lハイブリッドの方が自然だ。このことからも、日本デビューは遅れることがあっても日本仕様はあるとみていい。
トヨタ開発関係者の、「北米専用車」という情報は信用できるが、だからと言って日本仕様がないということは、まず間違いなさそうだ。
コンセプトカーでは4人乗りだったが、日本のミニバン市場を考えると、5人乗りは当然、7人乗り仕様も考えられる。ノア系よりホイールベースは100mm短いが、シエンタの7人乗りと同じホイールベースだ。
コンセプトモデルからややブラッシュアップされた市販モデルのベストカー予想CG。うーん、日本仕様も欲しいです……
日本の新しいファミリー層をターゲットとするなら、コンパクトで多人数乗車、エコノミー、そしてユニークなデザインとコンセプト、どれを取ってもヒットの条件を揃えている。
価格を含め2021年以降最も気になる存在となるのは間違いない。期待しよう!
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