現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【今あらためて試乗】トヨタ・ソアラ2.0GTツインターボ(Z20) 白いソアラで青春は取り戻せる?

ここから本文です

【今あらためて試乗】トヨタ・ソアラ2.0GTツインターボ(Z20) 白いソアラで青春は取り戻せる?

掲載 更新 21
【今あらためて試乗】トヨタ・ソアラ2.0GTツインターボ(Z20) 白いソアラで青春は取り戻せる?

白い2代目ソアラ、色褪せない美しさ

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)2代目ソアラといえば白いボディ、スーパーホワイトのイメージが強い。

【画像】取材した2代目トヨタ・ソアラ【懐かしのディテール】 全35枚

今回撮影したソアラは昭和62年式(1987年)の2.0GTツインターボというグレードで、神奈川県厚木市にあるショップ、ZOOMが販売していた車輛である。

取材した時にはすでに売れてしまっていたのだが、「若い頃憧れたソアラにもう一度乗ってみたい」といってこのクルマを手に入れたオーナー氏は快く撮影を許可してくれたのだった。

走行距離はたったの4万8000kmで、しかも内外装ともフルオリジナルの状態という珍しい個体である。

80年代~90年代は、現在よりもはるかにドレスアップやチューニングが盛んだった。ソアラのような国産スペシャリティカーといえばステアリングやホイールがアフターのものに変わっていて当たり前のような風潮があった。

2代目ソアラは4スポーク型のステアリングが一般的だが、2.0GTツインターボだけは3スポークのスポーティなタイプが標準だった。

また少し高すぎるように見える車高も、足回りが純正状態にあることを表している。

2代目ソアラは、同じ時代のトヨタ・マークII(6代目、X80型)をクーペ化したようなボディを与えられているが、現代の眼で見ても端正で美しい。

一方インテリアは茶色のモケットで、こちらは80sの日本車らしさが香る。さっそく走り出してみよう。

80sを感じさせるターボの高まり

こげ茶色のダッシュボードは樹脂の成型部品だが、ドアの内張まで続くラップアラウンドデザインでスポーティさが漂う。

センターコンソールに並んだスイッチ類は80年代に流行したステカセ風の大きなもの。メーターは当時最新のスペースビジョンメーターと呼ばれるデジタル表示、メーターの右にターボのブースト、左にシフトインジケーターが来る配置も実にまとまりがいい。

興奮が最高潮に達したところで走りはじめると……これがフツーなのである。

目をつぶっていたら、これが80年代のクラウンなのかカローラなのかわからないくらいに穏やかな乗り心地でクセがない。

見た目のかっこよさからスポーティな走りを想像していると、少し面食らってしまうかもしれない。

一方2Lツインカム、ツインターボの1G-GTEUは、過給が始まる3500rpmあたりまでは少し心許ないが、そこから急激に圧が高まっていく様子がわかる快速ユニットだ。

シフトアップの度にドラマがあるので、現代のエンジンよりもよほど個性的といえる。

ガツンと来るパワーを受け止めるボディの方はフワフワしたままなのだが、それが返って80年代の日本車らしい懐かしさに繋がっている。

白いソアラで青春をもう一度

2代目ソアラでしばらく走っていると、「スポーティ」とは言いにくい柔らかな乗り心地にも慣れ、これが快適に思えてくる。

ステアリングは少しも敏感ではないがリニアに切れてくれるし、ボディの見切りもよい。車幅は1695mmなのでちゃんと5ナンバー枠に入っているというのも80sを感じさせてくれる。

交差点で信号待ちをしていると、横断歩道を渡るオジサンや、隣のトラックのオジサンがみんなこちらを見ている。逆の立場だったら、筆者もソアラのことを穴が開くほど見つめていただろう。

まだ32のGT-RもNSXもセルシオもいない時代において、2代目のソアラの求心力は圧倒的だったのである。

しかもクルマ自体が高級、カッコイイ、速いというだけでなく、それをドライブしているオーナードライバーの品格をあげてくれるような一面が、このハイソカーにはあった。

筆者のまわりには親のクルマを借り出してきたような友達がいたがそれだって心の底から羨ましかったのを覚えている。

今回試乗したことでソアラのことが気になって中古車サイトで調べてみると、思ったより出物が多くて驚かされた。初代が20台、2代目は56台も販売されていたのである。

時計の針を戻すことはできないが、若い頃に憧れたソアラを今手に入れれば、忘れかけていた青春を取り戻すことができるかもしれない。

こんな記事も読まれています

BYDが都内屈指の自動車ディーラー激戦区に「BYD AUTO 目黒」を開店
BYDが都内屈指の自動車ディーラー激戦区に「BYD AUTO 目黒」を開店
グーネット
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
ベストカーWeb
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
乗りものニュース
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
AUTOSPORT web
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
ベストカーWeb
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
Auto Messe Web
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
AUTOSPORT web
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
AUTOCAR JAPAN
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
乗りものニュース
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
AUTOSPORT web
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
AUTOSPORT web
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
AUTOSPORT web
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
くるまのニュース
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
AUTOCAR JAPAN
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
Auto Messe Web
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
Auto Messe Web
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
AUTOCAR JAPAN
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い  1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い 1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
乗りものニュース

みんなのコメント

21件
  • 20ソアラがデビューした時、マークⅡはまだ70系。

    80系が登場するのは88年。

    よって「80マークⅡをクーペ化したようなボディ」という表現に強い違和感を覚える。80マークⅡよりも先に20ソアラが存在してたわけだから。
  • 今の若い子が乗ったら、
     ・狭い
     ・シートポジションが低くボンネットが長いから運転しにくい
     ・バックモニターが無いからバックがしにくい
     ・カーナビがないなんてあり得ない
    と文句垂れまくりそう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

630.0661.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

33.2525.0万円

中古車を検索
ソアラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

630.0661.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

33.2525.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村