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【単なるデートカーの焼き直しではない】6代目ホンダ・プレリュードは、新たなハイブリッドスポーツの『前奏曲』だった!

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【単なるデートカーの焼き直しではない】6代目ホンダ・プレリュードは、新たなハイブリッドスポーツの『前奏曲』だった!

2ドアクーペに相応しい、細やかな気配り

9月4日に発売となった6代目となる新型ホンダ・プレリュードの先行試乗会が行われたのは、伊豆にあるサイクルスポーツセンターの5kmサーキット。

【画像】新たなハイブリッドスポーツの前奏曲!6代目ホンダ・プレリュード 全160枚

もともと自転車のためにデザインされたコースはアップダウンが多いほか、低速コーナーから中速コーナーまでバランスよくレイアウトされているが、路面は全般的に平滑なため乗り心地を厳密に評価するのは難しい。この点を考慮したうえで、以下の試乗記を読み進めていただきたい。

まずは運転席に収まり、ドライビングポジションを調整する。新設計のシートは、日本車にありがちな薄っぺらい印象とはまるで異なるもので、しっかりとして重厚感溢れる座り心地を味わえる。

また、サイドサポートはスポーツモデル並みに深いが、自然に着座しただけではその存在がほとんど感じられない。上半身を意識して傾けたときに身体をしっかりとサポートしていることが初めて感じられる、そんな着座感だ。

なお、新型プレリュードでは運転席と助手席でシートの機能をそれぞれ最適化しているという。試しに座り比べてみたが、なるほど、前述したサイドサポートは運転席側のほうがよりソリッドで、助手席はこれに比べるとソフト。これも2ドアクーペに相応しい、細やかな気配りといえるだろう。

タイプRに比べて格段にスムースにストローク

まずはコンフォートモードとDレンジを選び、ゆっくりと走り始める。先ほど、このコースは乗り心地の評価には不利と記したが、それでも路面に残るわずかな段差から、シビック・タイプRに比べて足回りが格段にスムースにストロークしていることが感じられる。タイヤの路面への当たり方もソフトだ。

ちなみに、試乗車が装着していたタイヤはコンチネンタルのプレミアム・コンタクト6。決してスポーツ性能一本槍とはいえないこのタイヤをチョイスしたことにも、新型プレリュードのキャラクターが表れている。

キャビンが際立って静かなことも、新型プレリュードの特徴のひとつ。ゆっくりと走り出せばエンジンは始動せず、モーターの力だけで走行することもその一因だが、コンフォートモードでは電子的にエンジン音をチューニングするASCが動作しないことも、そうした印象を強めている。

そのままロードコースを走り続けても乗り心地は良好なまま。それどころか、GTモードやスポーツモードを選択しても乗り心地が悪いと感じることは皆無だった。それも、ボディがフワフワとして落ち着かないタイプの快適性ではなく、ほどよいフラット感で節度ある乗り心地を実現している点に、新型プレリュードの真骨頂はある。

現行型シビックもそうだが、ボディのしっかりさと足まわりの上質な印象という点において、世界中のどんなCセグメントモデルと比較しても引けを取らないというか、むしろCセグメントをリードする存在のように私には思える。

モードはひとつだけでもよかったかも

一方で、ドライビングモードを切り替えた際のサスペンションセッティングの変化は、ごくごく小さいように感じられた。たしかにスポーツモードでは操舵時のレスポンスがわずかに鋭くなるほか、タイヤから伝わるゴツゴツ感もほんの少しだけ強くなる。

しかし、それらは神経を研ぎ澄ませてようやく感じられる程度のもの。もしかすると、一般道を走ればその差がもっと明確に感じられるのかもしれないが、私のセンサーではこれが限界。少なくともこのコースで走る限り、「モードはひとつだけでもよかったかも」と思えた。

こう書くとネガティブに響くかもしれないが、裏を返せば、快適性と操縦性を絶妙にバランスさせたこの足回りこそが新型プレリュードにとってはベストともいえる。とりわけターンインの素直な反応、そしてハードコーナリング時にもしっかりとロールを抑制し、そこからステアリングを切り増しても的確に反応してくれる点は見事としかいいようがない。

S+シフトの効果も文句の付けどころがなかった。GTモードもしくはスポーツモードを選ぶとASCが起動。軽やかで抜けのいい快音が耳に届くようになるが、そのレベルはどちらかといえば控えめで、うるさいと感じることはないはず。

それでもエンジン回転数の高まりが聴覚からも認められて、高揚感が何倍にも増幅される。加速時にはステップドギアボックス風にシフトアップしていく様子も、思わず頬がゆるむくらい痛快だ。

しかし、S+シフトが本当にその存在感を発揮するのはコーナーに向けて減速するとき。シフトパドルでダウンシフトすれば『ワン、ウワン、ウワーン』と段階的にエンジン音が上昇。

続いてアペックスに向けてステアリングを切り込めば狙い通りのタイミングでノーズはインを向き、そこからスロットルペダルを踏み込めばもどかしさを一切感じることなく加速に転じて小気味よくコーナーをクリアできる。そこで得られるクルマとの一体感は、一般的なハイブリッドカーではなかなか見出せなかったものといって間違いない。

新型プレリュードは、かつて流行ったデートカーの単なる焼き直しではない。上質さと操る喜びをこれまでにない次元で両立させた、新しい価値観の2ドアクーペというべきだろう。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

1件
  • BULLTORA
    ホンダさん
    半額のトヨタプリウスがいかに良く出来た商品か
    再認識させてくれてありがとうw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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