現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【アウディ A5】エンジンもまた本命だと確信するレベルアップ【石井昌道】

ここから本文です

【アウディ A5】エンジンもまた本命だと確信するレベルアップ【石井昌道】

掲載 6
【アウディ A5】エンジンもまた本命だと確信するレベルアップ【石井昌道】

新車試乗レポート [2025.05.06 UP]


【アウディ A5】エンジンもまた本命だと確信するレベルアップ【石井昌道】
文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス

アウディ 新型「A5/A5アバント」シリーズ日本導入!限定モデルも同時発売!

 今春から日本でのデリバリーが開始されたアウディA5は、従来のA4を引き継ぐモデルとされている。


2025年2月から適応されたモデルの命名ルール
 アルファベットと数字で構成されるアウディのネーミングは、ほんの少し前まで奇数がICE(内燃機関)搭載モデル、偶数がBEV(電気自動車)とされていたが、ユーザーやディーラーなどから“わかりにくい”という声があがったようで今年の2月からルールを変更。現在のところ1から8まで使用されている数字はパワートレーンの種類に関係なく、サイズと車格に基づいて統一された基準で分類されることになった。

 アルファベットのAはローフロア、Qはハイフロアというのは従来通り。さらに、ボディスタイルをAvant(アバント)、Sedan(セダン)、Sportback(スポーツバック)、パワートレーンをe-tron、TFSI e、TFSI、TDIが用いられるのも従来通りなので、数字だけがルール変更されたわけだ。新型A5はルール変更以前の2024年7月に本国デビューしていて、もとのA4に戻してもいいような気もするが、遡ってネーミング変更することはないという。


多彩なエンジンバリエーションには新機軸のMHEVも存在

アウディ A5 TFSI クワトロ 150kW Sライン
 とはいえ、プラットフォームを一新して大型化され、抑揚のあるダイナミックなスタイルとなった新型A5は、従来のA4に対して上級移行を果たしたとも言えるので、ネーミングチェンジに違和感はない。かなりEセグメント寄りのDセグメントと言って差し支えないだろう。

 日本市場に用意されるのは、まずは6種類。110kW(150馬力)の2.0L直列4気筒ターボを搭載したFFのTFSI、150kW(204馬力)とハイパワー版の2.0L直列4気筒ターボで4WDのTFSIクワトロ、270kW(367馬力)の3.0L V6ターボで4WDのハイパフォーマンスモデルのS5といったパワートレーンが、セダンとアバント(ステーションワゴン)に用意される。また、遅れて2.0L直列4気筒ディーゼルで4WDのTDIクワトロも導入される。


アウディ A5 TFSI クワトロ 150kW Sライン
 S5とTDIクワトロにはMHEVプラスと呼ばれる新しいMHEV(マイルドハイブリッド)が採用された。

 従来のアウディのMHEVは48V電源のBSG(ベルトドライブ・スターター・ジェネレーター)だったが、MHEVプラスはそれに加えてPTG(パワートレーン・ジェネレーター)を追加した。MHEVにもいくつか種類があり、例えばメルセデスはBSGとISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)が車種によって使い分けられていて、前者よりも後者のほうが、燃費改善やエンジンアシストの効果は高い。

 アウディのPTGはISGに相当するもので、2つのMHEVシステムを組み合わせたものだ。日本の軽自動車のように12V電源のままMHEV化したもっともマイルドなタイプもあるが、MHEVプラスはもっともストロングなタイプだ。今後の厳しい排ガス規制を鑑みればMHEVのストロング化はトレンドになりそうであり、アウディがBEVシフトを少し後倒ししてICE搭載モデルに再び力を入れた証とも言えそうだ。

 それはプラットフォームにも表れている。ポルシェと共同開発したPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)は今後のアウディのBEVの主流になり、以前のBEVシフトのスケジュール感ならばICE搭載モデルは既存プラットフォームで乗り切るところだったが、A5ではPPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバスチョン)を新たに投入。既存プラットフォームのままでは新しいサイバーセキュリティ法規に対応できないため新開発されたのだ。


エンジン縦置きFFベースの4WDが生み出す最高の安心感

アウディ A5 TFSI クワトロ 150kW Sライン
 さまざまな思惑や背景のもとに生まれてきた新型A5だが、走らせてみればプラットフォームの一新やパワートレーンの強化によって走りの質が大いに高まっていることが実感できる。

 従来のA4に比べるとホイールベースは70mm延伸されて室内空間に余裕が生まれているとともに、ピッチング(前後の動き)が抑制された落ち着いた乗り味となった。アウディは全般的にスポーティで、乗り心地はやや硬め、というイメージがあったが新型A5はゴツゴツ感などはほとんど感じられずしなやかさも手に入れている。


アウディ A5 TFSI クワトロ 150kW Sライン
 今回試乗したA5 TFSI クワトロはオプションでスポーツサスペンションを装備していたが、それでも嫌な硬さはなく快適だ。それでいてワインディングロードでは安定感の高さと機敏な動きのバランスが絶妙でコーナーを攻めたくなる気持ちを抑えられない。

 エンジン縦置きFWDベースの4WDは、コーナーでもっとも安心してアクセルを踏み抜ける最強の構成だということを再認識させてくれるのだ。これは高速道路での直進性、雨など滑りやすい路面でも威力を発揮する。

 エンジンは204馬力で車体にたいして飛びきりにパワフルと言うほどでもないものの、低回転域から豊かなトルクがあるうえに、高回転までシュンシュンと軽快に回っていくのが気持ちいい。以前に150馬力のモデルも試乗したことがあるが、それに比べればずっと頼もしく、新型A5にちょうどいい標準的なパワートレーンだ。 2.0L直列4気筒ターボにMHEVおよびMHEVプラスは用意されていないが、それによるネガはほとんどない。あえてあげれば、アイドリングストップからのエンジン再始動が通常のセルによるものなので、MHEVに比べれば音・振動がやや大きくなるということぐらいだろう。


アウディ A5 TFSI クワトロ 150kW Sライン

まとめ
 アウディらしいスポーティで安心感の高い走りにくわえて、快適な乗り心地も手に入れて走りの質を高めた新型A5。ICE搭載モデルの強化にも本腰を入れていることがひしひしと伝わってくるモデルなのだ。


自動車ジャーナリストの石井昌道氏
A5の新車情報を見る


【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

独自の世界観が光る高性能コンパクトカー3選!予算400万円で狙えるおすすめ輸入車
独自の世界観が光る高性能コンパクトカー3選!予算400万円で狙えるおすすめ輸入車
グーネット
ステーションワゴン熱上昇中! いまホットな3つの新型ワゴンをクローズアップ
ステーションワゴン熱上昇中! いまホットな3つの新型ワゴンをクローズアップ
グーネット
実際乗ったらいい意味でも悪い意味でも予想を裏切られた!? BMWモトラッドの漢気溢れる「R 1300 GSアドベンチャー」とは
実際乗ったらいい意味でも悪い意味でも予想を裏切られた!? BMWモトラッドの漢気溢れる「R 1300 GSアドベンチャー」とは
バイクのニュース
【台湾】7人乗りSUV! インフィニティ「QX60」 「3.5L V6から2.0L VCターボ」に! 何が変わった? 台湾で乗った印象とは【試乗記】
【台湾】7人乗りSUV! インフィニティ「QX60」 「3.5L V6から2.0L VCターボ」に! 何が変わった? 台湾で乗った印象とは【試乗記】
くるまのニュース
注目モデル最新購入情報《ステップワゴン》
注目モデル最新購入情報《ステップワゴン》
グーネット
文句ナシ!? 劇的進化したVWゴルフが最高だった件
文句ナシ!? 劇的進化したVWゴルフが最高だった件
ベストカーWeb
往年のメルセデス・ベンツを思わせる「極上の乗り味」 人気のミッドサイズSUV「GLC」の新グレード「コア」の存在価値とは?
往年のメルセデス・ベンツを思わせる「極上の乗り味」 人気のミッドサイズSUV「GLC」の新グレード「コア」の存在価値とは?
VAGUE
注目モデル最新購入情報《新型フォレスター》
注目モデル最新購入情報《新型フォレスター》
グーネット
直5エンジンを縦置きしたのにFFってどういうこと? ホンダらしい謎のこだわりが生んだ「アコードインスパイア」&「ビガー」
直5エンジンを縦置きしたのにFFってどういうこと? ホンダらしい謎のこだわりが生んだ「アコードインスパイア」&「ビガー」
WEB CARTOP
【最新モデル試乗】マツダ渾身のドライバーズSUVが完成度アップ! CX-60はより完成形に近づいた
【最新モデル試乗】マツダ渾身のドライバーズSUVが完成度アップ! CX-60はより完成形に近づいた
カー・アンド・ドライバー
フォルクスワーゲンのベストセラーSUV「ティグアン」はどう進化を遂げたのか?
フォルクスワーゲンのベストセラーSUV「ティグアン」はどう進化を遂げたのか?
@DIME
「2ペダルじゃもの足りない」って人に! BMW新型「M2」6速MTは“3ペダルMT×FR×ストレート6”で歓びを全身で味わえる一台です
「2ペダルじゃもの足りない」って人に! BMW新型「M2」6速MTは“3ペダルMT×FR×ストレート6”で歓びを全身で味わえる一台です
VAGUE
【ハイブリッドとターボの価格差、元を取るには】スバル フォレスター スポーツEXに試乗
【ハイブリッドとターボの価格差、元を取るには】スバル フォレスター スポーツEXに試乗
driver@web
デカくなったけど速い!! 「免許返納までに一度は乗っておきたい」スポーツカー4選
デカくなったけど速い!! 「免許返納までに一度は乗っておきたい」スポーツカー4選
ベストカーWeb
人気中古車実車レビュー【アルファ ロメオ トナーレ】走りも楽しいコンパクトSUV
人気中古車実車レビュー【アルファ ロメオ トナーレ】走りも楽しいコンパクトSUV
グーネット
【試乗】都会派も泥派も満足できる「クロスオーバーSUVの完成系」! 新型SUBARUフォレスターに乗ったら完成度に衝撃!!
【試乗】都会派も泥派も満足できる「クロスオーバーSUVの完成系」! 新型SUBARUフォレスターに乗ったら完成度に衝撃!!
WEB CARTOP
「ロータリーエンジンのための専用設計」リアルスポーツとして世界を魅了し欧米で大ヒット。一方で「プアマンズ・ポルシェ」という不名誉なあだ名で呼ばれることも…。
「ロータリーエンジンのための専用設計」リアルスポーツとして世界を魅了し欧米で大ヒット。一方で「プアマンズ・ポルシェ」という不名誉なあだ名で呼ばれることも…。
月刊自家用車WEB
7人乗りの新たな選択肢──新型ディフェンダー130 X D350試乗記
7人乗りの新たな選択肢──新型ディフェンダー130 X D350試乗記
GQ JAPAN

みんなのコメント

6件
  • パピポ
    インテリアが糞すぎる。
    なんであんなにモニターだらけにするんだろ。
    モニター見て運転する訳じゃないのに…
  • tak********
    現行A5のスポーツバックと比べるとぼってりしてる。
    セダンではなく、本来のスポーツバックを出してほしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

479 . 0万円 545 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

41 . 2万円 495 . 0万円

中古車を検索
ジープ コンパスの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

479 . 0万円 545 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

41 . 2万円 495 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村