2026年7月4日、愛知県岡崎市乙川河川緑地にて、俳優・哀川翔が総監督を務める「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」をはじめ、TOYO TIRESサポートチームによる2026年シーズンの体制発表と公開合同テストを実施した。
三菱トライトンをベースとした「FLEX Rally SPEC」は新たなブルー基調のカラーリングを纏い、8月のASAMA ATTACK、そして9月のラリー北海道へ向けて仕上がりを確認する一日となった。市民が自由に立ち入ることができるかつてのラリージャパンSSS会場ということもあり、多くのラリーファンが詰めかけ、大きな歓声に包まれた。
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冒頭、フレックスの新田本部長の「今日が初のラリー現場で右も左も分からない状態だったが、非常にいい雰囲気でやれている」というコメントで記者会見は幕を開けた。マイクを握った哀川翔総監督は「昨年は悔しい思いをしたが、今日のテストの限りは結構いい線をいっているんじゃないか」と手応えを口にし、「タイミングさえ合えばトップは十分に狙える」と力強く宣言した。
俳優としての現場感覚を随所に滲ませながら、「本番はリハーサルよりもテンションが上がる。そのドキドキをいかに平常心に抑え込むかが走りの積み重ねで身についてくる」という言葉は、まさに芸能界とモータースポーツ両方の舞台に立ってきた「翔さん」だからこその、重みのある発言として伝わってきた。
ドライバーの川畑真人は、2月のブリザードラリー2026でXC-2クラス2位という好結果を残した経験を踏まえ、「コースサイドの雪壁に当たらないよう、道の綺麗なところを丁寧に走ることを意識した」と振り返った。この日のテストについても「前回乗った時よりもスムーズで、クルマが手足のように感じられる」と満足げにコメント。その背景には、三菱自動車の協力によるECU最適化やサスペンションのアップデートが、着実に行われていることも荒チームディレクターから報告があった。
川畑が終始口にした「丁寧さ」という言葉はとても印象に残った。ドリフトの最高峰D1GP常連チャンピオンとして君臨してきた彼にとっても、オフロードラリーではまったく違う走りを要求される。
タイヤのグリップや車両の力を頼りアクセルを踏み込むことで悪路を突き進むのではなく、赤土や砂埃、あるいは泥沼の路面グリップを探りながら走る。その点ではドリフトでの繊細な車両コントロールと共通し、彼の真骨頂を活かせるところだろう。
余談ながら、川畑がオフロードラリーデビュー戦を飾った2019年のアジアクロスカントリーラリーにおいて、筆者はスタートのタイ・パタヤからゴールのミャンマー・ネピドーまで帯同した。当時のがむしゃらなチャレンジ精神や素直に語る反省のコメントとも違う今回のテストでの彼の姿勢からは、明らかな経験値の違いがはっきり伝わってくる。今季のさらなる進化も予感させる。
そしてこの日、もっとも熱を帯びていたのがタイヤの話題だった。TOYO TIRESグローバルマーケティング部門の吉川部長は「ラリー北海道は、わだちのある林道や砂利道を100km/h超で駆け抜ける過酷な競技環境。高い走破性、耐久性、安定したパフォーマンスの両立が、我々のOPEN COUNTRYに求められる使命」とタイヤ供給サイドからのコメントを述べた。川畑も「コントロール性が非常に良く、天候や路面条件が変わってもグリップ力を探りながら早いところ、滑らないところを選んで走れる。全開でいける、心強いタイヤ」と太鼓判を押した。
哀川総監督も「川畑君の横に乗ると絶対に曲がるという安心感がある。ギリギリを攻めてもきちんとコントロールされているのが分かる」とタイヤへの信頼を口にした。ラリーというシビアな環境でこそ磨かれるOPEN COUNTRYの実力が、市販タイヤの性能向上にも直結していることを改めて感じさせた。
この日は同じくTOYO TIRESがサポートする、圭ラリープロジェクトの竹岡圭、BAJA参戦を続けるTEAM JAOSの能戸知徳、K-one Racingの松山北斗、ハセプロRacingの長谷川智秀ら、個性豊かな顔ぶれが揃い踏みとなった。それぞれが未舗装路を攻略するための機材とドライビングを磨き上げ、地域の協力があってこそ成り立つラリーというスポーツへの感謝を語る場面も印象的だった。
最後に川畑は「浅間戦(ASAMA ATTACK/8月1~2日)で実戦テストを積み、ラリー北海道(9月4~6日)で優勝を獲りたい」と改めて決意表明。哀川総監督も「今年こそトップを」と力を込めた。それを支えるTOYO TIRES OPEN COUNTRYとともに、彼らの進化も目が離せない。心からそう実感させる合同テストだった。
[オートスポーツweb 2026年07月18日]
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