フィスカーの市販EV第二弾
米カリフォルニア州のEVメーカー、フィスカーは、同社初の市販EVオーシャンの生産を来年早々にオーストリアで開始する予定だが、すでに次なる新製品の開発に重点を移している。このモデルは、ビジネスを成長させる上で極めて重要であるとしている。
【画像】小型EVで市場開拓できるか?新興EVメーカー、フィスカー【新型オーシャンなどの写真を見る】 全28枚
フィスカー・オーシャンは、テスラ・モデルYなどと同クラスの電動SUVで、欧州では2023年に発売される予定である。全長4.64m、全幅1.93mと比較的扱いやすいサイズで、航続距離は最大560kmとされる。
一方、同社2台目の市販EVであるピア(Pear)は、もっとコンパクトで手頃な価格帯のモデルとなる見込み。同社CEOのヘンリック・フィスカーはAUTOCARに対し、ピアは「2027年に年間販売台数100万台を達成するためのモデル」と語っている。
生産は台湾の大手フォックスコンに委託される。フィスカーによると、生産は米オハイオ州で行われ、年間少なくとも25万台を生産する計画だという。
これまで公開されたティーザー画像からは、そのデザインはほとんど掴めないが、フェンダーやライトバーはオーシャンと共通と見られる。
主に都市部での使用を想定し、ルノー・ゾエやフィアット500といったAセグメントの小型EVがライバルとなりそうだ。フィスカーは、「スポーティな走り」と「スマートな収納」がピアの特徴になると述べている。
400万円以下の小型EVへ
プラットフォームは、オーシャンのアルミニウム製スケートボード・プラットフォームよりも安価なスチール製プラットフォームを採用する予定。開発における最大の焦点は、「3万ドル(約400万円)以下のプレミアムカー」として販売できるように、製造コストを合理化することだ。
フィスカーは、米国でBMWの生産ラインのゼネラルマネージャーを務めていたアルペイ・ウグズ氏を「製造マイスター」として起用し、フォクスコンと協力しながらラインのコスト効率を向上させようとしている。
ヘンリック・フィスカーは、「自動車製造とサプライチェーンに革命を起こす」としている。どのように実現するか詳細はまだ不明だが、車内の部品点数を極限まで減らすことにこだわるとのこと。
ピアについては「型破りなもの」と表現し、セグメントに当てはめるのは難しいという。「クロスオーバーと呼べるかもしれませんが、SUVには見えません。未来的で、小さなスペースシャトルのようなもの……そう表現するのが一番しっくりきますね」とフィスカーは語る。
そのため、世界の主要市場以外でのベンチマークは困難で、「これまでにないユニークな機能をたくさん備えている」ことから、「少しリスキーかもしれない」としている。
詳細については言及しなかったが、例えばトランクは従来のハッチではなく「非常にユニーク」なものであり、キャビンには革新的な収納ソリューションが多数用意されているという。
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