デジタル疲れによってアナログ回帰の動きがZ世代を中心に広がりつつある今日この頃。クルマもコネクテッドカーが当たり前の時代になったが、「なんか慣れないんだよねぇ」とお嘆きの人に告ぐ! いまや新車のラインナップから完全に姿を消した“ちょい古&5ナンバーセダン”でアナログ回帰してみない?
文:FK/写真:トヨタ、日産、ホンダ、三菱自動車、CarsWp.com
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弱冠21歳のレーシングドライバーの愛車は…なんと! 2001年式のトヨタ カリーナ
日本や世界のトップカテゴリーで活躍できるドライバーを育てるべく、優れた才能を発掘して磨き上げるだけでなく、次のカテゴリーにステップアップできるようなサポートを行っているTOYOTA GAZOO Racing。
TOYOTA GAZOO Racingの若手育成プログラムでスカラシップドライバーに選出され、現在はSUPER GT(GT500)と全日本スーパーフォーミュラ選手権という国内2大カテゴリーを中心に活動を展開している小林利徠斗選手は現在21歳の若手有望株として大きな注目を集めている。
が、ここで注目したのは小林選手の経歴ではなく“愛車”。というのも意外や意外、小林選手は自分の年齢よりも上となる2001年式のカリーナに乗っているのだ。
KeePer技研公式YouTubeチャンネル(https://youtu.be/R9s786omKiQ)でもチェックできる小林選手のカリーナはフルノーマル仕様。同チャンネルのなかで小林選手は「現代のクルマでは味わえないダイレクト感というか、楽しいクルマ」と語っており、お気に入りの様子もうかがえる。
ちなみに、小林選手が乗っているカリーナは1996年8月に発売された7代目。コロナ プレミオとともに初採用された新開発の衝突安全ボディ“GOA”や6代目では設定がなかったスポーツモデルの1600GTの復活などが話題となったが、2001年に生産・販売を終了。
1970年から続いた31年の長きにわたるカリーナの歴史にも同時に幕を下ろした。
俺たちにとって“渋いカローラ”といえば、やっぱりトヨタ アクシオでしょ!
多彩なシリーズラインナップを誇り、かつデザインもスタイリッシュで若者からも人気を集めている現行のカローラ。
しかし、怒られることを覚悟のうえで言うならば、オールドファンにとっては“カローラ=オジサンが選ぶ大衆車の代表格”だったといっても過言ではないはずだ。
そんな古き良きイメージを残したカローラこそ、2025年10月末をもって生産終了した4ドアセダンのカローラ アクシオではないだろうか。
2012年5月にカローラとして11代目、アクシオのサブネームを得たモデルとしては2代目としてデビューしたカローラ アクシオの最終モデル。
日本の道路環境にフィットするコンパクト車として、“ビッグスペースコンパクト”をコンセプトに小回りがきくコンパクトなボディに大人4人がゆったり過ごせる快適な室内空間と安心して運転できる広々とした視界を確保。
1.5リッターエンジンの大幅改良と新開発Super CVT-iなどの採用によって、走行性能と燃費も大幅に向上した。
そして、発売1カ月後の受注台数(ステーションワゴンのカローラ フィールダーとの合計受注台数)も7000台の月販目標台数に対して、約1万5000台という順調な立ち上がりを見せた。
2013年8月にハイブリッド車を追加、2015年3月に1.5リッター新開発エンジンやToyota Safety Sense Cを導入、2017年10月にフロントグリル周りのデザインを変更、2021年9月に安全装備を強化。
その後も2022年8月の一部改良でプロジェクター式LEDヘッドランプ、マニュアルエアコン搭載では初となるナノイーX、充電用USB端子(Type-C)が全車標準装備となるなど正常進化を遂げた。
そんなカローラ アクシオで記憶に残っているのは、2代目が発売される3年前の出来事。なんと! エー・ピー・アールが2009年シーズンのSUPER GT(GT300クラス)の車両として初代のカローラ アクシオを採用したのだ。
その採用の決め手になったのはカローラ アクシオがもつ空力特性とシャシーのバランスが優秀だったからに他ならないが、2010年5月のSUPER GT第3戦ではクラス優勝を飾るなどレースシーンにおいても大きなインパクトを残した。
カローラの最大のライバルとして熾烈な争いを繰り広げた日産 サニー
2004年に国内での販売は終了となったが、1966年に初代が誕生して以来、カローラとともに日本を代表するコンパクトセダンとして人気を獲得していたサニー。
マイナーツーリング(TSレース)、富士フレッシュマンレース、全日本ラリー選手権、JTCC(全日本ツーリングカー選手権)でも活躍した日産の歴史を語るうえでは絶対に外せないモデルでもある。
そんなサニーの最終モデルは、1998年10月に発売された9代目。
開発コンセプトに“新・世界基準セダンSunny”を掲げ、サニー伝統のアイデンティティを踏襲しながら社会の要請に応えることのできるクルマを目指した。
エクステリアは、サニーらしいトラディショナルなスタイリングを継承しつつも上質さと存在感のある表情に一新。
インテリアも“すべての人に使いやすく”というユニバーサルデザインの思想を基に幅広い層のユーザーに使いやすい装備が採用されていた。
9代目に搭載させるべく新開発した1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンは大幅な燃費の向上を実現するとともに、低中速トルクや静粛性を向上させて経済性、実用性、静粛性を高次元で融合。
32bitマイコンを採用した緻密な空燃比制御などで安定した希薄燃焼を実現したリーンバーン仕様においては、約20%の燃費向上と約17%のCO2削減も達成している。
また、大幅な燃費向上と高い出力を両立した1.8リッター直噴ガソリンエンジンも変速ショックのまったくない力強い加速と滑らかな走りを両立した無段変速機(HYPER CVT)との組み合わせで1クラス上の力強い走りを実現。
スポーティグレードのVZ-Rには吸排気バルブの開閉時期とリフト量を運転状態に応じて制御する可変バルブリフト&タイミング機構を採用した、175psを発生する1.6リッター直列4気筒DOHC16バルブ自然吸気エンジンを搭載するなどラインナップも充実していた。
ワゴンのイメージが強い三菱自動車 ランサー セディアはセダンもなかなかの個性派
1974年に初出場のサファリラリーで総合優勝を果たし、“ラリーの三菱”を印象づけたランサーもコンパクトセダンとして忘れてはならない存在だが、ここでは先述の2001年式カリーナとほぼ同時期に発売されたランサー セディアのセダンを紹介したい。
Century(センチュリー)とDiamond(ダイヤモンド)からなる造語を車名としたランサー セディアは、21世紀に向けて三菱自動車が提案する5ナンバーセダンの新しいスタンダードとして、さらにはランサーとミラージュ4ドアに代わる新しい5ナンバーセダンとして2000年5月に登場。
パリの街並みを颯爽と駆け抜ける姿がスタイリッシュな印象を与えたテレビCMの効果もあってか発売1カ月後の受注台数は4500台を超え、月間販売目標台数の約1.5倍を記録するなど好調な立ち上がりを見せた。
エンジンはクラストップレベルの低燃費を実現した1.5リッターと1.8リッターのガソリン直噴エンジンであるGDIを搭載。
これに道路や運転の状況に応じて最適な変速比を自動的に選択する最適制御とドライバーの運転の好みに合うように変速比を補正する学習制御を盛り込んだINVECS-III CVTを組み合わせて応答性の良い滑らかな走りも実現した。
また、1.8リッターのスポーティグレードであるTouringにおいてはCVTのプーリー径変化を6通りに固定し、マニュアルゲートを介してドライバーが変速比を素早く任意に選択できるINVECS-III スポーツモード6-CVTを採用。
スポーティドライブに最適なマニュアルシフト感覚のスポーツモードによって、タイムラグのない変速でメリハリが効いた走りの楽しさも提供した。
Touringはエクステリアにおいても空力特性の向上とともに精悍さをより高める専用のフロント&リアエアダムとサイドシルエクステンション、スポーティなリアルーフアンテナが採用され、ドライバーのスポーツマインドも大いに刺激した。
ホンダ グレイスは今でも十分に通用する流麗なスタイリングも魅力
2014年12月に登場したグレイスは、上級の車格をもつアッパーミドルセダンの魅力といえる広い室内や堂々としたスタイル、高い質感、ゆとりある走りなどを扱いやすい5ナンバーサイズのボディに凝縮した1台。
しっかりと長さをとったボンネットや車格感、ゆとりを感じさせるロングホイールベースによる伝統的なセダンスタイルのなかにクーペのような流麗なフォルムを融合したエクステリアデザインはいま見ても古さを感じることはない。
上質な移動時間に貢献するべくこだわり抜いた乗り心地と静粛性もグレイスの特筆点で、サスペンションは受け止める力の大小に応じて力の伝え方を振り分ける入力分離式ダンパーマウントの採用によって、上質な乗り心地を実現。
遮音・吸音材の適切な配置やフロントドアガラスの厚み増加など騒音の侵入源となる隙間対策を徹底するとともに、静粛性に有利な構造のセダンボディをさらに磨き上げ、快適に移動できる高い静粛性も達成している。
一方、パワーユニットに採用されたSPORT HYBRID i-DCDは1.5リッターアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジン、高出力モーターを内蔵した7速DCT、リチウムイオンバッテリー内蔵のIPUの組み合わせによって、当時のハイブリッドセダンNo.1の低燃費を実現していた。
2015年6月に力強い走りと優れた環境性能を両立した1.5リッター直噴DOHC i-VTECエンジンを搭載したガソリンエンジン車をラインナップに追加。
2017年7月には8つの機能を備えた先進の安全運転支援システムHonda SENSINGの採用、エクステリア&インテリアの一部変更、ハイブリッド車のさらなる燃費性能向上などを行うマイナーチェンジを実施。その後、2020年まで販売は続けられた。
“驚きのあるセダンをHondaはつくります”と銘打って登場したグレイス。晩年は国内のセダン市場縮小の影響をモロに受けたが、一代限りで姿を消すには惜しすぎるクルマであったことも間違いない。
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