「ほしかったクルマ」ジャガーXKRを購入。ほぼ30年の時を経て夢を実現。そんなつきあい方もいいよね
2025年12月号の特集では「ちょっと前のお宝グルマ」についてみんなでワイワイガヤガヤと話をした。ゲストは毎度お馴染みのカーセンサー西村さん。安定のトークです。
【九島辰也のカーガイ探訪記】学生時代に専門誌でバイトしたほどの“ヨンク好き”。欲しくても買えないランクル70に、いまだ片思い中
この企画の起源は、冒頭で話題となったジャガー。そこでは「ちょっと前」という定義でFタイプを題材に話を広げたが、実はそれよりも前のジャガーを最近手に入れた。2002年型ジャガーXKRで、4リッター・V8にスーパーチャージャーを搭載したモデルだ。ターボではなくスーパーチャージャーということは低回転型エンジンということだろう。下から過給する方式で「出だし」をスピーディにしている。
エンジンもそうだが、魅力的なのはデザインだ。このクルマはイアン・カラム氏の前任にあたるジェフ・ローソンが手がけた。RCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)を卒業後、ボクスホールを経てジャガーへ入社した人物だ。代表作はこのクルマの他にXJ220やX300型XJ、それと復活したSタイプなど。どれもカッコいい。個人的にX300の後継X308型XJに乗っていたことがある。ジェフ・ローソンのデザインは好みだ。ボディの薄さが最高である。
ちなみに、その3.2リッター・V8エンジン搭載のX308型XJと4リッター直6エンジン搭載の1994年型XJSを含め、今回のXKRはジャガーブランド3台目の所有となる。
ではなぜ今回ジャガーを三度手に入れようと思ったのか、理由は簡単だ。
「ほしいクルマ」ではなく、「ほしかったクルマ」を手に入れたいと思ったからだ。還暦を2年弱過ぎた現在、かつて憧れていたモデルを側に置きたいという欲求が強くなった。いうなれば、「終活」のひとつ前といったところだろう。
X100型XKとの最初の出会いは、1996年のリリース時である。当時『Car EX』という自動車雑誌の編集部にいて、試乗会に行ったのを覚えている。
「なんてカッコいいクルマなんだ!」というのがそのときの感想だ。
そして「いつか所有したい」と強く思ったのを記憶している。当時はまだ30代だったから自分には似つかわしくないと思えたし、1000万円近い金額を出すチカラは到底なかったからね。「いつか必ず……」という思いだけが残った。
なので、ここ数年はネットで中古車の動向を何度かチェックしていた。「なるほど、この年式でこのくらいの価格なんだ」って具合に。そこで見つけたのが友人が経営するBESPOKES TOKYOの個体。
「R」にこだわってはいなかったが、メッシュのグリルはカッコいいと思っていた。
その個体は今年4月のAUTOMOBILE COUNCILで展示されたのだが、展示をきっかけに購入を決めた。その友人が「開催初日に「売約済み」の札を付けたい」と話したからだ。結果、このセリフが背中を押したことになる。
納車後はすぐにタイヤをミシュランパイロットスポーツ5にスイッチ。他の所有車にも履かせているが、この安定感は欠かせない。運動性能、乗り心地、ウエット性能で大満足である。ミシュランの懐の深さを感じさせる逸品だ。
リプレイス作業をしてくれたのは、これまた安定のシノハラタイヤ。バランス、アライメントを含め作業は一級品。1mmの不安もなく任せられる。タイヤはクルマと路面を繋げる唯一のパーツ。その性能と履き替え作業は信頼のおける物と場所を選ぶことが大切だ。
さて、次はナニをしようかな。ジャガーカスタムに夢が膨らむ。
くしまたつや/モータージャーナリスト。2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。『Car Ex』副編集長、『American SUV』編集長など自動車専門誌の他、メンズ誌、機内誌、サーフィンやゴルフメディアで編集長を経験。趣味はクラシックカーと四駆カスタム
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みんなのコメント
あの狭く低くレザーとウッドに囲まれた車内も伝統に沿ったものだった。
旧式のFRに緩いボディ、太いタイヤの組み合わせも古臭いが、それを絶妙な人間的セッティングでイギリス流ドライビングを構築していたが、
やはり世間ではローテクは受け入れ難く、北米の中流富裕層に売れたくらいだった。
ただそんなXKシリーズを意地で練り上げたXJRは、
むしろ古典的な大排気FRのそれで、今のような安全デバイスも最小限、本当に腕に覚えのある人向けの本気のスポーツカーだった。
はっきり言って危ないくらい。
もうドライバーの感性に沿ったライド感、油圧パワステの絶妙な感触、溢れんばかりの後輪駆動車なんて造られる事もない。