■令和の現在、デートカーは存在しているのか?
約30年前の昭和末期から平成初期に掛けて日本はバブルの真っ只中でした。
当時は、デートの際にクルマはマストアイテムとされ、「クルマを持っているだけでもモテた」という話もあるほどです。
しかし、現代では娯楽が多様化したことで「若者のクルマ離れ」が叫ばれていますが、最近の「デートカー」とはどのようなクルマを指すのでしょうか。
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かつてデートカーといわれたクルマは、1970年代に登場したスタイリッシュな外観を持つ2ドアクーペを指すといわれ、当時の若者に圧倒的な人気がありました。
なかでも、日産「シルビア」、ホンダ「プレリュード」、トヨタ「ソアラ」の3車種は代表的なモデルで、現在でもそれぞれの逸話が語り継がれています。
シルビアは、現在こそ走り屋御用達のイメージが強いモデルですが、初代モデルは、日産のスペシャリティカーとして1965年に登場。
そのなかで、デートカーとして人気があったのは、1988年に発売された5代目シルビア(S13型)です。
5代目シルビアは、低いスタイリングやシャープなデザインなどから、当時デートカーとして人気の高かったプレリュードの販売台数を上回る約30万台を販売し、歴代シルビアのなかでも圧倒的な人気を誇りました。
対するプレリュードは1982年に発売された2代目(AB/BA型)、1987年に発売された3代目(BA4/BA5/BA7型)がデートカーとして人気があったといいます。
特徴的な装備として「リトラクタブルヘッドライト」を採用。さらに、クルマ全体がスタイリッシュなデザインだったことから、女性人気も高かったようです。
また、内装では普通のクルマなら助手席のリクライニングレバーは、乗り降りするドア側に配置されますが、プレリュードでは運転席側にも配置。これにより、「運転席から助手席を倒せる」と当時話題になったといい、この機能だけでプレリュードの購入を決めた人もいます。
一方で、トヨタから登場したソアラは、1981年に登場しました。デートカーとして人気があったのは、1981年に発売された初代(Z10型)、1986年に発売された2代目(Z20型)です。
デートカーとしてソアラを象徴する出来事として、当時は「ソアラに乗っていれば、女子大生から乗せてほしいといわれることがあった」というものがあります。
男女どちらにとっても、デートカーといえばソアラと称されるほどの人気があったようです。
デートカー全盛期に日産の販売店に努めていた元スタッフは、次のように話します。
「当時は、クルマがモテるための必須アイテムだったこともあり、独身男性が来店した際には会話のなかでデートカーという言葉は頻繁に出ていたように思えます。
また、シルビア(S13)にはコンバーチブルタイプも設定されており、標準モデルよりも高価格なコンバーチブルを何台か販売した記憶もあります」
一方で、最近のデートカー事情について、トヨタ販売店の若手スタッフは以下のように話します。
「自分の親世代でデートカーという言葉が流行っていたのは知っていますが、最近では滅多に使わないと思います。
そうしたなかで、トヨタではコンパクトハイトワゴンの『ルーミー』が若い人から支持されていると思います。
以前まではルーミーとタンクで分かれていましたが、2020年9月に統合され、ルーミーのなかにタンク顔が設定されました。
デザイン的にはルーミー顔のほうがギラついていて、男性からはそちらのほうが好まれている印象です」
※ ※ ※
デートカーという言葉自体が最近では聞かなくなりましたが、ドライブデートは現在でも人気のデート手段です。
大手レンタカー業者のスタッフは「カップルでクルマを借りに来られるお客さまは依然として多くいらっしゃいます。とくに軽自動車やコンパクトカーなど扱いやすいモデルが多く借りられています」と説明します。
かつては、クルマを所有することもひとつのモテるポイントでしたが、最近ではレンタカーやカーシェアリングで簡単に借りることが可能なため、クルマを所有するというニーズは減ったものの、恋人とのドライブデートというニーズはいつの時代も変わらないようです。
■時代は変わってもドライブデートは不滅? 現代のデートカーとは
現代でもモテる男性の条件には「クルマ持ち」という要素が入っています。
また、前述のように理想のデートシーンとしても「ドライブデート」は人気だといい、クルマの所有方法は変わってもドライブデートのニーズには変わりはありません。
では、令和の現代において、デートカーと呼べるモデルには何があるのでしょうか。
前述とは別のレンタカー店スタッフは、次のように話します。
「若年層やカップルで借りにくる人のなかには、運転に慣れていない人も多数おります。
そうした人達には、やはり軽自動車やコンパクトカーが人気ですが、最近ではSUVブームやアウトドアブームということもあり、トヨタ『RAV4』や日産『エクストレイル』が人気なほか、直近ではトヨタ『ヤリスクロス』を希望される人もいます。
また、スズキ『ジムニー』もそのデザイン性の高さから借りられる傾向は高いです」
現代の若者にとっては、かつてのデートカーのような車高の低さや、クーペのようなスタイリングは重要ではないようです。
選ばれるクルマの要素として、扱いやすいコンパクトカー、燃費のいいハイブリッドカー、快適性やアウトドアテイストのあるSUVに人気が集中しているといえます。
では、スポーツカーなど2シーターモデルの人気はどうなのでしょうか。
「デートでスポーツカーを借りられるケースは減っていると思います。とくに、MT車は選ばれることは少ないです。
以前もMTに慣れていない男性がデートで借りられて、エンストを連発したらしく、返却時に『次は絶対AT車にします』といわれたことがあります」(レンタカー店)
※ ※ ※
クルマを取り巻く環境は、昭和から平成、令和と大きく変化しました。
昭和の頃は、クルマを持つことはステータスといわれましたが、現代ではクルマのほかにもスマートフォンやSNSなど、趣味や娯楽の選択肢は多様化しています。
さらに、都市部では公共交通機関の発達やカーシェアリングの充実などクルマを所有する必要性を感じない若者も増えています。
しかし、恋人やパートナーと一緒にクルマに乗るニーズは消えていません。
クルマは密室となり、恋人と大切な時間を過ごすにはピッタリな移動手段といえます。
恋人事情は、変化するニーズは多数あれど、変わることのないニーズはしっかりと残り続けるのです。
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なんと嘆かわしい。