ひとひねりでは終わらない中身の濃いMINIとポール・スミスの集大成
MINIとポール・スミスのコラボレーションによる「MINI Paul Smith Edition」がジャパンモビリティショー2025で世界初公開されました。英国らしいクラフトマンシップと遊び心を融合し、特別仕様のカラーや地面に投影される「Hello」プロジェクション、ポール・スミス氏のモットーが刻まれたスカッフプレートなど数々の初採用の演出に魅了されます。
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3色のボディカラーに宿るヘリテイジとブリティッシュスピリッツ
英国を代表するブランドであるMINIとポール・スミスが、長年にわたるコラボレーションの新たな章として発表したのがMINI Paul Smith Edition(ミニ ポール・スミス エディション)だ。2021年のMINI STRIP、2022年のMINI Recharged by Paul Smithに続く第3弾となる。電気自動車MINI Cooper SEをベースにするが、2026年にはミニクーパー、ミニクーパー5ドア、ミニクーパー コンバーチブルでも展開される予定だ。
この特別仕様車は、ポール・スミスの哲学であるclassic with a twist(伝統にひねりを加えたデザイン)を体現し、MINIの個性的なフォルムと英国デザインの融合によって生み出された。東京で開催されたジャパンモビリティショー2025にて世界初公開され、全国の正規ディーラーで注文受付が開始されている。車両本体価格は598万円だ。
エクステリアは限定色を含む3種類のボディカラーが用意される。まずステイトメント・グレーは1959年のMini Austin Sevenを現代的に解釈した青みがかったグレーで、クラシカルでありながらモダンな雰囲気だ。インスパイアード・ホワイトはクラシックミニのベージュを再構築した色で、伝統へのオマージュとなる。そして現行MINIファミリーからミッドナイト・ブラックIIを採用し、エレガントで洗練された印象を与える。
さらにポール・スミスの故郷、ノッティンガムにちなんだ特別色のノッティンガム・グリーンが、ドアミラーやラジエータグリルのフレームにアクセントとして使用された。ルーフカラーにも設定され、ボディとのコントラストを生み出し、全体に英国らしい上品さと遊び心を加えている。
ポール・スミスの象徴といえるシグニチャー・ストライプをルーフ後部(運転席側)に施し、個性を際立たせてもいる。足もとに18インチ アロイ・ホイールのナイトフラッシュスポークを採用し、ダーク・スティールに淡いクリアコートが施す。フロントとリアのMINIエンブレムには専用色ブラック・ブルーを採用し、ポール・スミスとのコラボレーションを象徴する配色となっている。リアゲートの黒いハンドル部分にはポール・スミスのサインが刻まれている。
ドアを開けた瞬間からポール・スミスの世界観に包まれる
インテリアにも英国デザインの粋が散りばめられている。ダッシュボードとドアパネルにはブラックのニット素材を使用し、特別なストライプパターンのポール・スミス・ファブリックがアクセントを加える。ナイトシェード・ブルーのレザーシートにはショルダーとヘッドレスト部にニット素材を使用し、スポーティさと高級感を両立。ステアリングのテキスタイル・ストラップにはカラフルな飾り縫いが施され、細部までポール・スミスらしさが感じられる。
円形センター・ディスプレイでは、3種類のポール・スミス・デザインバックグラウンドから選択可能なパーソナルモードを搭載。ドアを開けると、地面に「Hello」と投影されるハンドライティング・プロジェクションが現れ、同乗者を迎える演出も新採用された。またスカッフプレートにはポール・スミスのモットーである「Every day is a new beginning(毎日が新しい始まり)」という言葉が刻まれ、フロアマットには彼が描いたウサギのモチーフがリベットとしてあしらわれている。
同モデルはMINIとポール・スミスの長きにわたる関係の集大成ともいえる。両ブランドは1998年にClassic Mini Paul Smith Editionを発表し、1999年には26色を使った86本のストライプを持つワンオフ・モデルを制作。その後もMINI STRIPやMINI Rechargedなど、持続可能性やデザイン革新をテーマにコラボレーションを続けてきた。来日したポール・スミスも「サプライズのある新しいカラーやディテールを取り入れた」と語り、コラボレーションへの喜びを表していた。
【AMWノミカタ】
MINIとポール・スミスとのコラボレーションは1998年にまで遡る。クラシックミニにペイントされた、ポール・スミスブルーと呼ばれた紫色に近いブルーは鮮やかで、しかしトランクやエンジンの一部、そしてグローブボックスの内側は明るいシトラスグリーンのアクセントカラーが施され、ポール・スミスらしい色使いの妙と遊び心を感じることができた。いまでも当時のポール・スミスモデルは中古車市場で高い人気を誇っている。
今回のコラボではベースモデルはBEVのCooper SEとなり、価格的にも61万円ほど高くなるが、このモデルを待ち望んでいたMINIファンは多いのではないだろうか。随所に散りばめられるノッティンガムグリーンのアクセントカラーと、ポール・スミスの代名詞であるシグニチャー・ストライプで特別なモデルとなり、所有することに誇りを感じる。MINI Paul Smith Editionはじつに不思議な魅力と魔力を放つモデルだ。
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