UK編集部の見立て
いきなりではあるが、2024年11月16日に公開したUK編集部による『マクラーレン・アルトゥーラ詳細データテスト』の翻訳記事から、以下の部分を引用したい。
【画像】2025年モデルが最良で最高!マクラーレン・アルトゥーラ 全116枚
『新CEOとして、2022年までフェラーリの技術主任を務めていたマイケル・ライターズが着任したことで、このフィロソフィーはさらに強まったようだ。すでに、720Sは走りに関する部分が刷新され、750Sとなった。外観はほとんど変わらないが、この2台の詳細を知れば、別物だというだろう』。
当コラム#26で、マクラーレンは今最も純粋なスーパースポーツカーであり、そこにはマイケル・ライターズCEOの影響もあるだろうと書かせて頂いた。UK編集部の見立ても同様で、上記でいう『このフィロソフィー』は以下の通りである。
『彼らはコンスタントに、プロダクトのリファインに努めてきた。それも、多くのユーザーがたいして気にしないようなディテールまでもだ。基礎は同じままかもしれないが、細部は進化を続けている』。
昨年末まで約13年間、フェラーリ専門誌『SCUDERIA』の編集長を務めてきたので、ライターズCEOはやはりフェラーリのイメージが強い。特に296GTBがデビューした時に新型V6ツインターボの技術解説をしていた姿が印象的で、毎回、フェラーリの最新技術は彼の存在が大きいのだろうと思っていた。だから、マクラーレンへの移籍は、人一倍衝撃的に捉えていたのだ。
そして、最後にもう1文引用させて頂く。
『そして2024年、V6ハイブリッドを積んだマクラーレンのエントリーモデルであるアルトゥーラが、登場からたったの2年で改良を受けた』。
……そんなもの、興味が沸くに決まっているじゃないか!
2025年モデルのアルトゥーラ・クーペ
というわけで、ずっと気になっていたアルトゥーラ。当コラム#26の最後に『また、マクラーレンに乗りたくなってきた』と書いたこともあり、スーパーカー超王こと山崎元裕センセイに執筆頂いた750Sクーペをお借りする際に、2025年モデルのアルトゥーラ・クーペもお願いした次第だ。
試乗当日対面したクーペは、ヴォルカーノ・イエローという鮮やかなボディカラーであった。天候もよく、気分が自然と高まっていく。
さて、605psのV6ツインターボと95psのモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドであるアルトゥーラだが、皆さまはどんなイメージをお持ちだろうか。筆者はV8ではなくV6のハイブリッドと聞いて、しかも750Sよりデザインが大人しいので、何となく若干ラグジュアリー方面を想像していた。
しかししかし、である。今回試乗してみてマクラーレンらしい、そして英国車らしいピュアなスーパースポーツカーであることを再認識した。誤解を恐れずに書くならば、想像しているよりもずっとプリミティブでピュアだ。
アルトゥーラのボディサイズは全長4539mm、全幅1913mm、全高1193mmで、750Sクーペの全長4569mm、全幅1930mm、全高1196mmと比べると、それほど変わらない。だからアルトゥーラ単体で見るとかなり存在感があるのだが、乗っていると750Sよりだいぶ小さく感じるから不思議だ。
しかも相性がいいのかサイズ感がちょうどよく、乗れば乗るほどクルマとの一体感が増していく。まるでクルマの四隅に手が届きそうな感覚すらあった。
あちゃぁ、これは乗り逃げしたい
また、エレクトリックモードでEV走行をしなければ、ハイブリッドであることを忘れるほど自然なフィーリングで、乾燥重量1395kgは、2025年モデルで合計680psから700psへ進化したパワーユニットに対しては十分に軽い。
アルトゥーラのために開発された8速SSG(シームレス・シフト・ギアボックス)と呼ばれるデュアルクラッチは実にシームレスで、後退をEV走行で補うためバックギアを備えないという潔さ。当然軽さに貢献しているだろう。
ステアリングは適度な重さで、しっかりと路面のインフォメーションを伝える。動的質感も高く、ひとつひとつの動きに節度があって機敏さもある。そして何より、やはりマクラーレンらしく、わかりやすく速い。それはV8と比べても遜色ないものだ。都内から東に向かい、高速道路の長いトンネルを抜けて海が見えてきた頃には、すっかりアルトゥーラの虜になっていた。
「あちゃぁ、これは乗り逃げしたい……」
この仕事をしていると年に何回か必ずやってくる、乗り逃げしたいという衝動。もちろん乗り逃げしたことは一度もないのでこうしてこの原稿を書いているのだが、それほど気に入ってしまうことは多々ある。
アルトゥーラの一番好きなところは、一挙手一投足、スーパースポーツカーとしての純度が高いところだ。この開発メンバーでもうひと回り小さいスポーツカーを作ったらどうなるのか、なんて妄想もわいてくるほど。
先日、初期からのマクラーレンに詳しいとある方と話していたら、2025年モデルでアルトゥーラがかなり進化したと力説された。個人的に比較できるほど前のモデルに乗れていなが、『基礎は同じままかもしれないが、細部は進化を続けている』フィロソフィーが、アルトゥーラを磨き上げたことは間違いないだろう。
最新のマクラーレンが最良のマクラーレン……とはどこかで聞いたことのある言い回しだが、少なくともアルトゥーラに関しては、2025年が最良であると断言しよう。いや、『最良』ではなく『最高』と書いたほうが今の気持ちに近い。また機会を作って乗りたいと思う。今度はスパイダーで、ぜひ。
マクラーレン・アルトゥーラのスペック
全長×全幅×全高:4539×1913×1193mm
ホイールベース:2640mm
トレッド:F1650mm R1613mm
乾燥重量:1395kg
エンジン:V型6気筒ツインターボ(M630)
排気量:2993cc
最高出力:700ps(エンジン605ps/モーター95ps)
最大トルク:8720Nm(エンジン585Nm/モーター225Nm)
トランスミッション:8速AT(SSG)
燃料タンク容量:65L
駆動方式:MR
サスペンション:Fダブルウィッシュボーン Rアッパーウィッシュボーン
ブレーキ:F&Rカーボンセラミックディスク
ホイール:F19×9J R20×11J
タイヤ:F235/35ZR19 R295/35R20
荷室容量:F160L R124L
0-100km/h:3.0秒
0-200km/h:8.4秒
0-300km/h:21.6秒
最高速度:330km/h
価格:3300万円
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