前年3位の勝田貴元が、“ホームラリー”であるWRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』での2年連続ポディウム獲得に向け、上々の立ち上がりをみせた。木曜朝に行われたシェイクダウンを3番手タイで終えた勝田にセッション後、話を聞いた。
TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のトヨタGRヤリス・ラリー1をドライブする勝田は、同セッションのベストタイムを記録したティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と1.6秒差、チームメイトで通算8度のワールドチャンピオンであるセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)とまったく同じ2分04秒6というタイムをマークし、競技前のテストステージを3番手タイで終える。
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好スタートを切った勝田にクルマの感触を尋ねると、彼は意外にも持ち込みのセットアップが合っていなかったと述べ、調整を要したことを明かした。
「日本の道に合わせたマシンセッティングで(クルマを)持ってきたのですが、それが結構合っていなかったので2本目、3本目でアジャストしていきました。3本目は3番手タイのタイムと悪くなかったですし、とにかく合わせ込めたので、ドライに関してはそんなに大きな問題はないと思います」
■展開を予想不能にするデイ2の雨予報
他の選手と同様に彼が気にするのは、競技2日目となる17日(金)に予想される降雨だ。
「問題はやっぱり雨ですね。僕だけでなく皆同じ状況だと思うので、そのなかで誰が一番早くクルマも含めてダイビングをすぐアジャストできるのかな、と。そこがまず大きなポイントになると思います」
以前、勝田はこのラリージャパンに向け、2022年大会の3位表彰台よりも上の結果を狙うために「最初から全開」で行くと語っていた。この点についてはコンディションを加味したうえでアプローチを変更するという。
「もともと『最初から全開でプッシュする』と言っていたと思いますが、それはドライだったときの話で、雨が降って非常にリスキーなコンディションになった場合は、それでいってしまうと間違いなく最後まで走り切れません」
「ですから、(雨が降った場合には)ちょっとクレバーにいかないといけないかなと思ってます。とくに午前のループですね」
昨年、本州初のラリージャパンが行われた後ふたたび一年間世界の舞台で戦ってきた彼に、日本と海外のターマック(舗装路)の違いについて尋ねると、勝田は日本のほうが親切に作ってある印象を受けると語った。
「国によって違うため一概にヨーロッパと日本という比較は難しいのですけど、今年実際に行なった他のターマックラリーに比べるとやっぱり日本の方が親切に作ってくれているな、という印象を受けます」
「というのは、(日本)はひとつのターマックのセクションがしっかりと長くあって、道幅が狭くなったり広くなったりするとまた同じようなターマックが長く続きます。一方、海外のラリーだとコーナーごとに全然違うとか、コーナーの中でも内側と外側で(舗装が)違うとか、そういった場所やコーナーが多くグリップレベルも変化してしまいます。日本ではそういったところは大きな問題なくというか、グリップ変化もなくストレスなく走れる印象ですね」
「ただ林道に入ると苔などが生えているので、そこだけは日本特有の難しいセクションだと思います」
■どうしても入れたかった富士山
勝田は自身2度目のラリージャパンに向け、スペシャルカラーリングを施したヘルメットでラリーを戦う。この特別仕様のヘルメットの推しポイントを紹介してもらった。
「今回オレンジを入れました。秋の紅葉じゃないですけどモミジと、それとやっぱり富士山ですかね」
「富士山を後ろに入れています。そこはどうしても入れたかったポイントです」
「今回カッレ(・ロバンペラ)もスペシャルヘルメットを用意してて、(「カッレ勝タカ」と)僕の名前もヘルメットに入れてくれてと、彼なりにメッセージをサプライズでしてくれているので、そういった想いも含めて、一緒にポディウムに立てるようにお互い頑張りたいと思います」
最後にフォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)の同期で、親友でもある平川亮が来季2024年のマクラーレンF1でリザーブドライバーを務めることとなり、実際にF1マシンをテストドライブしたことについてコメントを求めると、「応援したいですし、いつかチャンスを掴んでレギュラーで出てほしい」とメッセージを寄せた。
「もともと僕もカートからFCJ、フォーミュラ3とやってきて、平川選手とはずっと戦ってきた同期のライバルで、お互いにF1を目指して戦ってきた仲でもあります。親友だからというのもありますし、自分が当時諦めた夢を、今でもそういったかたちで追いかけいるのでその分より応援したくなりますし、いつかチャンス掴んでレギュラーで出てくれたらと思っています」
「本人は今ある状況の中で、WEC世界耐久選手権も2年連続でチャンピオンを獲って、できる限りのすべての仕事をこなしているので、やっぱりそういった意味でドライバーとしても尊敬していますし、親友としても尊敬しているので、僕も親友として恥じない結果でこのラリーを終えられるようにしたいと思っています」
2022年以上の結果を望む日本のファンはもちろん、チームメイトの想いなども胸に抱いてラリージャパン2023に挑む勝田。日曜日の夕方、ポディウムの上で日の丸を掲げる彼の笑顔が見られることに期待したいところだ。
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