3.5リッターHVの気持ち良い加速はやみつきになる!
6月26日に発売開始されてから1カ月の時点で、月販目標の約7倍にあたる3万台を受注しているという15代目新型クラウン。法人需要の買い替えなどがあったにしても、その高い人気ぶりは相変わらずだ。
「守るべき伝統と打ち破る伝統」新型トヨタ・クラウン開発陣が込めた想いとは
プリウスやアクアなどのコンパクトHVが販売を牽引しているなかで、じつはクラウンも販売台数ランキングでコンスタントにトップ10にランクされる人気を誇る。また、価格レンジが高いこともあり、ディーラーにとっては稼ぎ頭となる重要なクルマなのだ。
以前、クローズドコースでのプロトタイプ試乗をリポートしたが、今回は量産モデルを一般道で試乗してきた。従来のアスリートに変わるモデルとしてのRS。ロイヤルサルーンを引き継ぐベーシックなG・Sグレード、そして最上級の高級モデルとして君臨していたマジェスタは、Gエグゼクティブとなった。
従来個別のボディデザインを与えられていたが、15代目は6ライトウインドウを採用したワンボディに集約し、グレード類別で差別化を図っている。
そのなかでもっともお薦めしたいのは、3.5リッターのV型6気筒にトヨタ初となるマルチステージハイブリッドシステムを搭載したモデルだ。とくにスポーツグレードのRSアドバンスはコーナリングを重視したサスペンション設定と相まって力強く、加速ピックアップも強力で頼もしい走りだ。
電気式無段変速機ながら10速のステップ比が刻まれたマニュアルモードを駆使すれば、欧州車並みのスポーティ走行が可能となる。動力性能面はとくにモータートルクの立ち上がりのよさにより、相当速い!
次にお薦めしたいのは2リッター直4直噴ターボエンジンを搭載するモデル。RS系グレードとベースグレードから選択できるが、やはりRSアドバンスがいい。直4ユニットはエンジンルーム内のほぼフロントミッドシップ位置に収まっているため、フロントのイナーシャ重量は抑えられ回頭性に優れる。アルミ素材を多用したフロントセクションは、ハンドリング面で極めて高い剛性による正確なステアリングフィールを可能としている。
ただ、軽いこととハードな足まわり効果で乗り心地は上質とは言えない。
クラウンらしい快適な乗り心地が得られるのは、やはりGエグゼクティブだ。ある程度の質量がフロントにある方が路面変化の影響を受けにくく、バネ上が安定していて快適に感じられた。2.5リッターHVモデルがもっともマッチしていた。
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