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知ってるようで知らない「タクシーの歴史」とは!? 100年以上にわたる日本の“移動の相棒”の軌跡に迫る

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知ってるようで知らない「タクシーの歴史」とは!? 100年以上にわたる日本の“移動の相棒”の軌跡に迫る

■実際どうなのか タクシーの歴史

 街のあちこちで見かけるタクシー。そのはじまりや進化の過程をご存じですか。

【画像】「えっ…!」これがトヨタ「ジャパンタクシー」の貴重な中身の画像です

 日本で初めてタクシーが登場したのは、1912年(大正元年)のことです。

 東京・有楽町で営業を開始した「タクシー自働車株式会社」がその先駆けでした。

 当時の車両は「T型フォード」で、ドイツ製のメーター制を導入し、現代のタクシーの原型となるサービスを提供していました。

 当時の初乗り運賃は、約4kmで60銭。現代のお金に換算すると、1500円~2000円になります。

 その後、昭和に入るとモータリゼーションの波に乗って、タクシーの数は一気に増加しました。

 値下げ競争が激化する中、メーター制を使わずに「市内均一1円」という画期的な料金形態のタクシーが登場します。こうした均一料金のタクシーは「円タク」と呼ばれ親しまれていました。ちなみに当時の1円を現代のお金に換算すると、600円~1000円です。

 タクシーは、戦後の復興期に人々の移動手段として重要な役割を担い、全国へと広がっていきました。

 1960年代には経済成長とともに需要が急増し、タクシーは「いつでも、どこでも乗れる」身近な乗り物として定着します。

 1980年代から90年代にかけては、地理に詳しい運転手と高いサービス品質が求められ、いわゆる“プロドライバー”の時代が到来。

 一方で、2000年代以降はカーナビや配車アプリの普及により、タクシーの姿も徐々に変わっていきました。

 そして近年では、EV(電気自動車)や自動運転技術の導入、キャッシュレス決済の拡大など、さらなる進化を続けています。地域によっては観光ガイド付きのタクシーや、介護・子育て支援に特化したサービスも登場し、タクシーは単なる“移動手段”から“多機能なサービス”へと進化中です。

 100年以上にわたり、日本の移動を支えてきたタクシー。その歴史には、時代のニーズに応じて柔軟に変化してきた“進化の物語”が刻まれています。

■タクシーのイメージを一新したJPN TAXIは「おもてなしの心」を形にしたモデル

 ほんのひと昔前まで、タクシーといえばセダンタイプが一般的でした。しかし、今から10年近く前にそのイメージは一新されます。

 トヨタが2017年に発売した「JPN TAXI」は、次世代のタクシーとして設計されたユニバーサルデザインの車両です。それまでには見かけなかった、ころんとしたハッチバックスタイルのタクシーを目にして驚いた方も多いのではないでしょうか。

 JPN TAXIは、日本の“おもてなし”の心を形にしたモデルです。車体カラーには、日本の伝統色である深藍(こきあい)を採用し、街の景観との調和にも配慮されています。

 JPN TAXIの最大の特徴は、誰にでもやさしい乗り心地を追求している点です。大開口のスライドドアと低床・フラットなフロア設計により、高齢者や小さなお子様、さらに車いす利用者でもそのまま乗降できる工夫が施されています。公共交通としてのバリアフリー性も高いといえるでしょう。

 また、タクシーは1日の走行距離が長いため、JPN TAXIには環境性能に優れたLPGハイブリッドシステムが搭載されています。これにより、低燃費と低排出を両立し、経済性と環境への配慮を実現しています。

 JPN TAXIは、移動の自由を支える公共の足として、誰もが快適に使える“未来のタクシー”を体現する存在といえるでしょう。

■タクシー業界が迎える大変革。これからの時代に求められる付加価値とは

 これからのタクシー業界は、大きく変化することが予想されます。タクシー業界では、ドライバーの高齢化や人手不足が課題となっていました。これを補う手段として2024年に解禁されたライドシェアサービスです。

 それまで人を有償で送迎するには普通二種免許が必要でしたが、研修を受ければ、普通免許だけで有償での送迎が可能となりました。ライドシェアサービスが拡充することで、従来型のタクシーは新たなサービスの価値を提示する必要に迫られるでしょう。

 さらに、自動運転技術の発展により運転手の役割は大きく変わる可能性があります。完全な無人運行が実現すれば、ドライバー不足の解消につながる一方で、安全性の確保という新たな課題も浮上します。

 一方で、人口の高齢化により移動手段としてのタクシーの需要は今後さらに高まる見込みです。特に使いやすい配車サービスや観光客向けの多言語対応などのサービス強化が進めば、新たな顧客層の獲得にもつながるでしょう。

 こうしたなかで、今後のタクシー業界は「移動手段+α」の付加価値が、選ばれるタクシーの条件になっていくと考えられます。

※ ※ ※

 タクシーはただの移動手段ではなく、日本の社会や文化に深く根付いた存在です。100年以上の歴史の中で時代の変化に柔軟に対応し、私たちに便利で快適な移動を提供してきました。これからも技術革新とともに進化し、生活に欠かせない“相棒”として、変わらず私たちの暮らしを支え続けることでしょう。

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みんなのコメント

8件
  • mt********
    日本ではタクシー専用車両が当たり前だけど、実はタクシー専用車両がある国はほとんどない
  • 月光亀夫
    JPNタクシーはああ見えて5ナンバーサイズ。ホイールベースもわりと短く、都内の繁華街の狭い路地にもグリグリ入っていけます。外国人が好むアルファード型のタクシーだとそうはいかない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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